2008年08月30日 のCoolに過ごそう

一日二食に関するメルマガで知ったのですが。甲田光雄先生が亡くなられました。8月12日午前0時過ぎのことだったそうです。

ご存じない方のために、まず甲田光雄さんの略歴を。

1924年東大阪市生まれで今年83才。

 

 

子供の頃から病弱で、中学時代には慢性胃腸病のため2年間休学し、大阪大学医学部3年生のときに肝臓病で入院。

様々な治療をするにもかかわらず回復しないため、主治医の反対を押し切り、西式健康法に基づき、生駒山で11日間の断食をして肝臓病を完全治癒。

以後、西式健康法、断食療法、生菜食健康法などの自然医学の研究を続けられ、独自の健康指導医として大阪府八尾市の甲田病院で自ら開業、現代医学では難治とされている多くの疾病を 治療されています。

 

西式健康法をもとに自作の野菜ジュースを飲み始めた頃には、周りの人たちから随分バカにされたという逸話も残っています。

当時はミキサーがなかったため、父親の畑から引き抜いた野菜を井戸水で洗い、包丁で切ったあととすり鉢ですり潰し、布巾で漉して飲んでいたそうです。

病気のせいで、とうとう気が狂ったかと村中で噂され、そのうえ医院を開業された当初「あそこへ行くと断食をさせられたり、青臭い汁を飲まされる」という評判 で、来院する人は少なかったそうですが、その後も信念を貫き通し、多くの難病患者を救われています。

 

 
丸善書店の検索システムで「朝食」というキーワードを使って調べてみると「朝食を抜いてはならない」というタイトルの本が90%以上を占めています。

食べずに病気が治ってしまうとなると、医師は商売になりません。

医学の世界では「現代栄養学」として、食べ物がどういう栄養素を持っているかという「分析」はしています。

 

ですが「食べ物」が胃から腸に入り、腸内細菌や酵素などの作用を受け、分解・変換・組み立て・吸収されるメカニズムについて、「病を治療する国家資格を持っている医師」 は驚くほど「無知」なのが現状です。

そのため現状では「食生活の改善」で病気を根治させたとしても、お金・収入になら ない、という問題が「一日二食」の前には立ちはだかっています。

なぜなら日本の健康保険制度は、化学薬品の投与、手術、化学検査などにしか適用されないからです。

 

そのため医師にとっては、制度を上手く適用し収入を確保しながら、病院の経営を健全にするための「病院経営能力」が問われることになります。

こうしたメカニズムによって、国家資格を取得した「医師」は、患者の「心身の健全さ」よりも、「患者」 という「お客さま」をいかに「常連客」にするかに、関心を向けざるを得なくなるのです。

人間は本来、牛と同じ「草食動物」です。

ですから、本来は植物(穀物・野菜・豆類)だけの食事で、健康な心身を維持することが できるのです。

牛が食べる「草」、そして人間が食べる「植物」は一般的には炭水化物と呼ばれている「複合炭水化物」に分類されます。

 

「複合炭水化物」には、炭水化物・粗たん白・類脂肪・各種ビタミン・各種ミネラルなどが含まれています。

腸内で「粗たん白」は「たんぱく質」に、「類脂肪」は「脂肪」に変換されます。

つまり「複合炭水化物」はあらゆる栄養素が揃っている「完全な食べ物」であり、なおかつ人間にとっては、非常にバランスの良い食事なのです。

 

にもかかわらず多くの人が、おいしい肉や乳製品の食べ過ぎによって「栄養失調」となり、自然治癒力を低下させ、がんなどの生活習慣病に苦しんでい るのが現状です。

これを改善するには、約18時間断食をする「小断食」が非常に有効方法なのです。

 
食べ物が体内に入ってこないと、必要なエネルギーを確保するため、体内にある脂肪や老廃物・毒物を分解し、エネルギー源を再生し、一方で分解した不必要な物を排出します。

血管内の不要なコレステロールも少しずつ処理し、汚れている血液も浄化してゆくのです。

がんは血液が汚れて起こる病気です。

 

もともと私たちのカラダは、この汚れた血液を浄化してくれる、「浄血装置」の機能を本来持っているのです。

身体の中にある病気の原因となっている老廃物・毒物を一掃するという、素晴らしい「自然のメカニズム」を、本来備えているのです。

食事は、本来お腹が空いて、空腹を覚えたときに摂るものなのですが、この「自然な人間のメカニズム」に反して、朝起きたらすぐ食べて、昼と夜に も決まった時間に食べるというのは、何も考えず「決められた時間」に合わせれば便利だという理由による生活習慣なのです。

 

 
朝起きたとき、身体にはエネルギーが十分に満たされています。

特に前夜の夕食は、睡眠中に充分に消化吸収され、糖質はグリコーゲンとして肝臓と筋肉に、脂質は身体の各所にある脂肪組織に、蛋白質は筋肉や全ての細胞に、蓄えられてい るのです。

クルマでいえば「ガソリン満タン」の状態といっていいでしょう。

 

満タンなのに朝食を摂れば、必要以上に栄養を摂り込むことになります。

つまり過食・飽食となって、がんを始めとする生活習慣病の原因となるのです。

血液は夜の間に体中を巡行し、体中を隈なく点検修理し、老廃物の収拾をしているのですが、このプロセスでは腎臓系の器官が血液を浄化し「必要なかった物や老廃物」を排泄 するという「廃棄物処理」を行っています。

 

この段階で、血液の浄化を充分に行うためには、午前中一杯の時間が必要なのです。

私たちがやるべきことは、朝水を十分に飲んで排尿と「便意」を促すだけ。

これが正常な、自然の摂理なのです。

もしこうした作業中に朝食を食べるとどうなるでしょうか?

 

 

体内では新たな「消化吸収」作業にも力を入れなければならなくなります。

つまり本来行われるべき「廃棄物処理」に邪魔が入るというわけです。

朝食によって、十分な処理が行われないと、血液は汚れ、腸には宿便が溜まり、ガンなどの生活習慣病の原因とな ります。

 

宿便は「胃・腸」様の処理能力を超えて食べ続けると、消化吸収されずに渋滞蓄積しすることになります。

この状態が続くと蓄積した宿便が腐敗し、その過程で毒素が発生し、血液を汚すことになるのです。

一日三食という生活習慣によって胃や腸は、次から次へと入ってくる食べ物・食品の処理に追われ、時間外労働で疲労困憊してゆきます。

 

オーバーワークによる処理能力の低下で、未処理の渋滞物がなくなることがないという状態に陥るわけです。

私たちのカラダには、人類何十万年の「飢餓」に対応した「素晴らしいシステム」が備わっていることを忘れてはなりません。

一日三食という生活習慣は、こうした人間の持つメカニズムの生成期間にすれば非常に短いスパンで始まった生活習慣のため、 カラダが本来持っているシステムは順応できないでいるのです。

 

 
こうした状態を改善するには、体内へ「廃棄物」を溜め込まず「排出」させる働きを邪魔する生活習慣を少し変えるだけでいいのです。

具体的には朝食を抜き、私たちが本来持っている自然治癒力を高めるという生活習慣を身につけることです。

朝起きたときの血糖値は低めですが、目覚めると夜間に蓄えられたグリコーゲンがグルコースとなって血液に入り適正な血糖値を保ってくれるようになります。

 

脳のエネルギー源として必要な「ブドウ糖」は、このグルコースから供給されるのです。

もし糖が体内にない場合でも心配は無用。

体内の脂肪を分解し「ケント体」を生成し、これが「ブドウ糖」に代わって、脳のエネルギー源とな ります。

あなたが健康であれば、午前中は朝食抜きでも、頭脳は正常に働き、明晰そのもののはずなのです。

 
   

一日の始まりを、どういう状態で迎えるのか?

これを決めるのは、ひとえに、あなた自身の生活習慣なのです。

「一日二食」については、こちらにまとめていますが、実際に長期間これを継続させるとなると結構大変です。

 

甲田先生ご自身もあるとき誘惑に負け、大好物の饅頭を何十個も食べたり、ハチミツを一ビン舐めてしまったりしたことを告白されています。

「おいしい」食べ物が氾濫する現代において、こうしたカラダのメカニズムに対しては、決してよい影響を及ぼさない肉や乳製品と「どのようにつきあってゆ くのか?」というのは、「一日二食」を継続する上で永遠の課題です。

ですが今日の機会に、もう一度自分自身に対し、こうした誘惑?!に対しての姿勢を戒めると共に、今日の日記を、この素晴らしいメカニズムを世に広められた、甲田先生に捧げさせていただきます。

  

甲田先生のご冥福を、心からお祈り申しあげます。

 

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