自分を語る

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人はときどき「自分を語りたくなる」ときがある。

程度の差はあれ、アルコール、恋する気持ちなど、引き金になるものは違っても、だれもが体験することだろう。

これは自分語りや体験談を含めた広い意味での「自己紹介」といえるかもしれない。

だが自己紹介も、日記と同じで、おもしろい人と、つまらない人とに、はっきりと分かれるのが面白い。

 

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セミナーでは、全員がいわば初対面同士の場合、参加者のみなさんにまず自己紹介をしてもらうことにしている。

セミナー開始早々に会場を使用するときの注意点などを、ギャグをかましながら説明し、自己紹介をしやすい雰囲気をまず作るわけだ。

朝イチの初顔合わせという状況だと、どうしてもみんな緊張するわけで、たわいのない話をして、まず「笑ってもらう」ことが大事。(笑)

 

 
ジョークやユーモアを交え、堅苦しくなく楽しい雰囲気でセミナーを進めるのだということが分かってもらえれば、それだけ理解力も上がろうというもの。

そして自己紹介へと繋げるわけだが、自己紹介では、どうして参加しようと思ったのかという動機と、関連する経歴を手短に話してもらうのだが、最も和む必殺技は失敗の自慢話。

 
 


で初日のセミナーが終わると、参加自由の懇親会という、飲んで食べてという場を設け、居酒屋で一杯やるわけだが、すでに一日顔を合わせているので、テンションの高さにアルコールが加わって、面白い話が続出する。

自己紹介でも、やはり「面白さの力量」の違いはあらわれるもの。

10年以上もセミナーをやっていると、面白い自己紹介には明らかな共通点があることがよくわかる。

 

 
単に「知ってもらいたいこと」を話すのではなく、聞き手が興味深いと思う話題を想定して話す人の方が断然おもしろい。

それと声の大きいというか、よく通る声の人の話は、大体において面白く、ボソボソと自分の話したいことだけを話す人は、総じて面白くない。

こうした点から言えば、自己紹介というのは、いわばどれだけ自分を客観視して話を組み立てることができるかに大きく関わっているといえるのではないだろうか。

あとは「場の空気を読む」チカラというのも、大きく影響する。

 

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最初アメリカへ住み始めた頃、この空気の読み方の日米方式の違いで、かなり戸惑った覚えがある。

日本では最初、お互いに「どちらのご出身で?」などと言いながら、職業などに触れ、いわばお互いの位置関係を探り、ポジションを決めるということを無意識にやるのが普通だ。

というのは、日本語には「敬語・謙譲語」があるため、相手に対して自分をどこにおけば失礼にならないかを決める必要があるからだ。

 

 
だがアメリカでは、相手が自らが話していない点については、理由があるのかも知れないと考え、聞くことは避けるのが普通。

初対面で相手が話さないことを、こちらから根掘り葉掘り尋ねるのはマナー違反になると考えた方がいいだろう。

つまり、相手が話したことを軸にして話を展開させる必要があり、出身・職業など、日本では普通に尋ねるような展開でハナシを進めると「お前は刑事か?」ということになるわけだ。(笑)

 

 
なので、まず外堀から徐々に埋めながら話を進めるというたぐいの「展開力」が必要になるわけだが、この方法は端で聞いていると、なかなかスマートで、好感度が高くなるやり方だといえるだろう。

こうした点でいえば日本方式は、相手のことを先に聞いててしまうため、そのラクな分「話の展開力」を身につけるには、アメリカ方式より不利になるのではないだろうか。


ただ、日本ではスタンダードとなっている「根掘葉掘日本方式」の方が楽で心地よく、こうした点だけでいえば、つくづく日本人に生まれてよかったと思う。(笑)

 

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