シトロエンC6とボンネット

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C6は街を走っていても、まず見かけることはない。

そのためだろうか、交差点ではよく歩行者からチラ見をされることが多い。

特にハナが低く長いため、他のクルマとはかなり違って見えるためだろう。 

20110617C6-01.jpg

C6は、このようにフロントノーズのボンネットが低く長いのが特徴だ。

 

nose01.jpg

向こう側の代表的な国産車と比べると、ボンネットの厚みが薄いことがよくわかる。

LS460.jpg

代表的な国産車というのは、レクサスLS640のこと。

nose02.jpg

こうして比べると、レクサスの方が「ずんぐりむっくり」したノーズの形状だ。

 

レクサスのように、最近のクルマのボンネットは「ずんぐりむっくり」している、

というのは、ある理由があるからだ。

歩行者と自動車がぶつかった場合、歩行者の頭のケガを少なくするため、最近のクルマはボンネットの下に空洞を作る設計となっている。

つまり歩行者の頭が、ボンネットとぶつかると、ボンネットが凹むわけだ。

すると頭部は剛性の高いエンジンブロック等にぶつかりダメージが大きくなる。

そうした状況を避けるため、最近のクルマは、ボンネットとエンジンブロック間の距離を確保した設計となっている。

そのため、どうしてもボンネットの先は膨らんだデザインになってしまうのだ。

この歩行者保護の法律ができたのが2004年。

施行は2010年9月からだったので、法律以前に設計・発売された車については、2012年の8月末まで法適用を猶予されてきた。

その猶予期間が切れた、パジェロミニ、テリオスキッド、コペン、RX-8などは現在販売中止となってしまっている。

 

じゃあシトロエンC6のノーズはこんなに薄くても、歩行者保護の面で、安全なのか?

というと、人間とぶつかった場合、歩行者との接触の衝撃を感知するセンサーが働き、C6のボンネット支持部は瞬時に65mm持ち上がるようになっている。

そうすると、ボンネットと堅いエンジンブロックの間にスペースができるため、歩行者へのダメージを軽減することができるというわけだ。

C6は、権威ある第三者機関であるEuro NCAP※(European New Car Assessment Program)が実施する衝突安全テストで、最高レベルの5つ星の評価を獲得している。

 

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