甘味料

コメント(0)

1029rakant.jpg

  

糖質制限で大きな影響のある甘味料について、まとめてみました。

甘味料は、まず天然甘味料と人工甘味料の、大きく2つに分けることができます。

次に、人工甘味料は、合成甘味料と糖アルコールに分けることができます。

  

1 天然甘味料

ショ糖(サトウキビなど)、ステビオサイド(ステビア)、グリチルリチン酸(甘草)、ソーマチン(西アフリカに生育するソーマトコッカスダニエリという赤い果実)、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖、などのように、天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のこと。

  

2 人工甘味料(広義の意味)

人工的に作られた甘みのある物質のこと。合成甘味料、糖アルコールなどがあります。

  

a) 合成甘味料

人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)のこと。
砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴がある。
狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。
サッカリン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム(俗称チクロ)、ズルチン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、などがあります。

  

b) 糖アルコール

キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。

 
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。
糖アルコールは合成甘味料には分類されません。
糖アルコールの安全性は確立しています。

     

合成甘味料のなかで、ズルチンとチクロは、戦後間もない日本で、貴重な甘みとして広く使用されたが、発ガン性などのため1969年と1970年にそれぞれ使用禁止となっている。

サッカリンも発癌テストが陽性に出て、日本では食品衛生法により1973年に、一旦全面禁止。

 

ところが1ヶ月後、食品別の使用基準が制定されると、制限付きながらサッカリンはあっさりと再認可されました。

米国では、長期間にわたり一度も禁止されることなく、結構大量に使っているようです。

     

2014年現在、FDA(米国食料医薬品庁)が食品への使用を許可している人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテームの5種類。

これらの人工甘味料は、「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的です。

 

これら5種の合成甘味料は、カロリーはないのでダイエットには良いし、血糖値を上昇させないという意味では、糖尿病にも糖質制限食的にもOKです。

ただし、一日摂取許容量が決められているので、わざわざ大量に摂取する必要はないと思います。

    

ゼロカロリー飲料

「コカコーラゼロ」  アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロース
「ペプシネックス」  アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロース

などを、350mlボトルで、一日に1本から2本くらいであれば、一日許容量を超えることはまずありません。

    

FDAが認める5種の合成甘味料に関しては、特に優劣をつけるデータはなくて、同等と考えてOKでしょう。

アスパルテームは、FDA(米国食料医薬品庁)により人工甘味料として1981年に使用が許可されています。

現在、製法特許は味の素が所持し、国内ではアスパルテームを使った食卓用甘味料がPAL SWEETとして販売されています。

   

アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンという、2つの天然アミノ酸が結合したものです。

体内に吸収されると、速やかに二つのアミノ酸と、ごく微量のメタノールに分解されます。

欠点は、添加物として比較的不安定なことです。

     

メタノール(メチルアルコール)は、大量に摂取すると、失明するなどという強い毒性があるのですが、本来、ひと、動物、植物の体内に天然に存在するもので、人血液中の常成分の一つです。

アセスルファムカリウムは、アスパルテームと違って酸性・高温条件でも変化しにくいので、炭酸飲料のほか、クッキーなどの焼き菓子にも利用することができます。

欧米では、近年アスパルテーム・アセスルファムカリウム混合甘味料がダイエットコーラの主流となっているようです。

    

2005年には、スクラロースを使用したダイエットコーラも登場。

スクラロースは水に溶けやすく、酸や熱にも安定しています。

糖アルコール には、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。

キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれているが、商品としては人工的に作られます。

     

マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料として人工的に合成されています。

糖アルコールは糖類に水素を付加したもので、人工的に作っているのですが、いわゆる合成甘味料には分類されません。

糖アルコールの安全性は確立していると考えて良いでしょう。

     

 

肝腎の血糖値を上昇させるか否か?

 

というとマルチトールは、砂糖の約半分程度血糖値を上昇させます。

よく「糖アルコールは血糖値を上昇させない」との記載がみられますが、間違いです。

 

キシリトール、ソルビトール、ラクチトールは、理論的には、血糖値を上げないはずなのですが、ブログ読者のコメントによると、キシリトールガムで血糖上昇した例もあるため不確実です。

   

エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。

吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいのです。
 
エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。

  

厚生労働省お墨付きで、ゼロカロリーのうえ、全く血糖値を上昇させません。

ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢も起こしにくいのですが、大量になる下痢することがあります。

 

結局、糖アルコールの中で血糖値を全く上昇させないことが確実なのは、唯一エリスリトールだけ。

エリスリトールなら、血糖値を上げないうえ、総量規制もありません。

  

国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物のの安全性評価を公表しています。

糖アルコールは、極めて安全性が高いとされていて、妊婦でも大丈夫。

日常的に手に入って使用しやすい血糖値を上昇させない甘味料は、以下の3つで、いずれもエリスリトールが主成分。

    

サラヤのラカントSは、「主成分エリスリトール+ごく少量の羅漢果エキス」が成分。

合成甘味料は一切使用していません。

合成甘味料に懸念をもつ方も、ラカントSならOKということです。

 

当然のことですが、砂糖は血糖値を大きく上昇させるので ×

   

砂糖の主成分は、ショ糖(スクロース)。

砂糖きび(甘蔗)と砂糖大根(甜菜)を原料として作り、ショ糖は、ブドウ糖と果糖が結合したものです。

 

ショ糖の純度の高いのがグラニュー糖(99.95%)や氷砂糖(99.98%)。

家庭で最もポピュラーな上白糖は、独特のしっとり感を持たせるため、ショ糖の結晶に濃厚な転化糖液(ビスコ)を少量ふりかけてあるので純度は97.80%。

   

蜂蜜は、主成分が果糖で、GI値は15と低いのですが、ブドウ糖やショ糖も含まれているので、砂糖を摂取した時と同じように血糖値は上昇します。

  

  

砂糖を摂取するとどうなるのか?  

  

砂糖を摂取すると、体がインスリンを分泌して血糖値を下げるのですが、身体を循環している動脈に大きなダメージを与えます。

血管の壁を覆う平滑筋が増殖、動脈の壁が収縮し、結果として高血圧化して、脳卒中や心臓発作を誘発する原因となります。

     

ですが砂糖はあらゆる飲み物や食べ物を甘くする(美味しくする)ことができるうえ、困ったことに砂糖は、麻薬によく似た働きをするのです。

砂糖を摂取すると、脳の快楽中枢を刺激する「オピオイド」や「ドーパミン」といった化学物質が放出されます。

  

ですが摂取し続けていると、糖に耐性がついてきて、ちょうどよい甘さを感じるのにより多くの糖が必要になってゆきます。

つまりより甘さが欲しくなるというわけで、簡単に中毒状態になってゆきます。

   

動物実験でも、糖依存症となったラットでは、甘いものをむさぼり、甘いものがなくなると歯をガチガチと鳴らし、震え、不安状態に陥るのです。

 

コメントする

2014年6月

« 前月 翌月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

2014年6月

月別アーカイブ