ニュル24時間雑感

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結局ニュル24時間は4号車が制す! アウディ24時間連勝という結果で終了。

結果はこちらにあるが、総合優勝はアウディR8 LMSウルトラ、二位と三位はメルセデスベンツSLS AMG GT3。

四位はPorsche 911 GT3 R 997 、五位は Aston Martin Vantage GT3、六位は BMW Z4 GT3。

    

JSPORTSを観ていてちょっと気になったのは、トヨタのLFAというか正式にはレクサスなのだけれど、クラスでトップという、このクラスの競争相手がどれだけいるのかという点だ。

だが番組では一切触れず。

というわけで、こちらにあるクラス別の結果をチェックしてみると・・

      

SP-PRO クラスで優勝した Lexus LFA Code X の他の競合車がどれだけいたのか?

というと、リアイアした Porsche 911 GT3 RSR だけ。

Lexus LFA Code X は、そもそもが特注でカネを注ぎ込んで作ったスペシャルバーション。

   

SP 8 クラスで優勝した Lexus LFA も競合は、 Aston Martin Vantage V12 と  Aston Martin Vantage V8。

リアイアした 車も入れても Hyundai Genesis V6  Lexus ISF CCS-R   Lexus IS F という6台だけ。

   

ケチを付ける気はないけれど、こうしてみると、GAZOO RACING が総出で、クラス優勝だと騒いでいるクラスは、競合がほとんどない状態。

そこでクラス優勝だと大騒ぎされてもねえ・・と思ったのはオレだけだろうか?

   

我々が見慣れているカタチの多い SP 9 GT3 クラス では  Audi R8 ・ Mercedes-Benz SLS AMG ・  Porsche 911 GT3 R ・ Aston Martin Vantage ・ BMW Z4 ・  Nissan GT-R nismo というお馴染みの車が勢揃いしているのだが、トヨタは何故かこのクラスには参戦せず。

というか、よく考えてみると、トヨタにはレクサスを含め、このクラスで競走できるタマを、持ち合わせていないのではないだろうか?

    

そもそもレクサスLFAは、フェラーリ575Mマラネロと同じフロントエンジン後輪駆動トランスアクスルの2座スポーツカーだ。

つまり、LFAは「ウチでフェラーリの旗艦を作ってみたらどうなるか?」という企画から始まっている。

モータージャーナルで、沢村さんが書かれているが、「ウチでもフェラーリが作れるのかやってみました」といういわゆる練習問題。

ISが3シリーズを、GSが5シリーズをパクってターゲットにしてやっているのと同じ延長線上にあるわけだ。

   

ただフェラーリの総アルミ車体は、量産が前提。

だが、少量限定のLFAは、アルミにすると押出しやプレスの成形に使う金型が必要となるわけだ。

そのためには製造施設も起こさなければいけないし・・

ということで、将来の市販移行の模索もかねて炭素繊維強化樹脂でやろうということで、わざわざドライカーボンとRTMとSMCの混成で作られている。

  

     

ちなみに、沢村慎太朗三がFMO 111で書かれていたLFAに関する部分を引用すると・・

      

そこに創造性は皆無にないし、物理のくびきを技術で引きちぎって可能な限り速く走りたいという根源的なエネルギーの発露のようにも全く見えない。

<うるせえ、ウチのが一番速えんだ><速いクルマの作りかたはこれが正しいんだ>という核心から湧き出るものがフェラーリにもランボルギーニにもあるのですが、LFAにはない。

そこにあるのは、自動車メーカーとしてお勉強をする上でのテーマや課題の設定であり、会社員としての前進意欲です。

     

というわけで作られたLFAは、世界56か国で500台の限定販売となり、お値段は日本円で3,750万円。

比較のため、GT3クラスのベース車両価格を調べてみた。

  

優勝したアウディR8クーペ 5.2FSIクワトロは2119万円。

二位と三位のメルセデス・ベンツSLS AMG GTは2650万円。

四位のPorsche 911 GT3 は、1859万円。

五位の Aston Martin Vantage は2303万円、

六位の BMW Z4 Mクーペは848万。

    

こうしてみると、BMWやポルシェはベース車両の値段が安いのに、よく頑張ったというべきだろう。

      

一方で Lexus LFA Code X はこのベース車両3,750万円のエンジン排気量を5.3Lに拡大し、フルカーボンフレームを採用するなど大幅な改良を加えた特注のクルマだ。

だから値段や成り立ちからいえば、総合優勝してもあたり前のクルマなのだ。

 

それなのに10位以内にも入れなかったわけで、トップのアウディR8 からは8周遅れでのゴールで総合11位。

ここのコースは長いので、つまりは200キロ離されてのゴールということになる。

もう一台のLFAの場合は11周遅れなので、275キロ後方でのゴールとなったわけで総合13位。

Nissan GT-R nismo はトップから12周遅れの総合14位。

 

ちなみに一位と二位の差は約3分、三位になると2周遅れ。

というわけで、アウディR8は圧倒的な強さで優勝し、しかも10位以内には3台が入賞するという強さだった。

       

JSPORTSは有料チャンネルなのに、何故か番組のメインスポンサーは、このレクサスLFAを擁する GAZOO RACING。

なのでというか、当然というか、大人の事情あるのだろうか、JSPORTSの番組では、リポーターも解説者も、上記の点には一切触れず。

   

というわけで、こうした番組を、大人の事情も併せ持って観ると、面白さはまた一段と深まるのでありました。(笑) 

 

 

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