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2005年12月02日

先物主導?

最近のアドバンテスト(6857)、ソフトバンク(9984)の強さは異常のように思えてくるのですが、事情により日経先物を買わざるおえない人たちがいるようです。

日経先物が上昇すると、連動しやすい銘柄つまり値嵩銘柄が買われやすくなります。アドバンテスト(6857)などは大型株というわけでもないので、特に連動しやすい銘柄です。それが1万円を超え値幅制限が広がり、更にという状況になっているようです。

では誰がということなのですが、ちょっと前から某巨大掲示板で書込みされるようになったタイコム証券経由のようです。

次のサイトは外資系証券に勤められている方が個人的に書かれている市場レポートなのですが、ふ~んマーケットの現場ではそういうことが起きているのかとおもしろく読んでいます。(最近ぐぐっていたら偶然知りました。)

「虎年の獅子座」東京株式市場金融最前線レポート -- Tora-Shishiza's Web Page
http://www003.upp.so-net.ne.jp/mhoshina/index.html

その中の12月1日に、タイコム証券経由のコール売り建てとヘッジによる先物買いが、「ネガティブ・ガンマ」という状態に陥っていると推測されていると書かれています。コール売り建ては、日経平均が上昇すると原価値が上昇するので損失が拡大します。損失をヘッジするために先物買いで損失が利益を超えないように調整するというのですが、マーケットが動いていないときにはそれなりに出来ても、急進するとコントロールが難しく、踏み上げられている状況になるようです。その状況を知っている他の証券会社が乗じて買い上がると、ますます上昇することになり、現物も裁定で買われていきます。アドバンテスト(6857)など値嵩株が強いのはそういったところに要因のひとつがあるようです。

そういった状況で来週の金曜日はSQを迎えます。11月のSQはどうってことが無かったですが、10月のSQはかなり意外な結果になりました。寄り付き直前に板寄せのバランスを崩す買い注文が入り、清算値は大きなギャップアップでした。その後はあっという間にリバーサルで落ちていきました。今回のSQで日経平均銘柄をトレードする場合には少し気を付けたほうがよさそうです。

で、タイコム証券(経由の注文)が締め上げられているのは12月限だけなのでしょうか?それとも期先も?

「ネガティブ・ガンマ」については、次のサイトに解説を見つけました。

伊藤祐輔の株式デリバティブ・セミナー ((株)シンプレクス・インスティテュート
http://www.simplexinst.com/database/index4.htm

2005年12月11日

この落とし前は・・・

東証マザーズに12月8日に新規上場したジェイコム(2462)は、わずか30分後に証券史上に記録されるであろうハプニングに巻き込まれた。

ハプニングを引き起こした証券会社は、みずほ証券。そして、それを悪化させてしまったのは、またまた『東証の売買システム』であった。

-12月8日のジェイコム(株)株式の注文取消処理に係る株式・CB売買システムの不具合について-
http://www.tse.or.jp/news/200512/051211_a.html

みずほ証券会社が顧客から受けたわずか1株の売り注文を発行株式数を大幅に上回る61万株の売り注文としてだされた。注文時は気配値を切り上げている最中であったが、買いをはるかに上回る売り注文を受け付けた東証の売買システムは672,000円で初値を付け、残った大量の売り注文は制限値幅の下限である572,000円のみなし売り注文とされた。

この注文状況はあっというまに餌食になるが、異常を検出した東証がみずほ証券に連絡した後も、注文を取り消すことが出来ず、14万株弱が消化された約9分後、残った売り注文に買い注文を当てて、今度はあっというまに制限値幅の上限へ飛んでいった。

東証の売買システムの問題は、売り注文が徐々に買い注文で消化される約定処理中は、売り注文を取り消すことが出来ないようになっていたこと。買い注文は列をなしていたので、取消を受け付ける隙間が取れなかったのだろう。この問題は今のところ みなし注文 のみで起きると東証は発表している。

注文取消を行おうとした時点では数千株が処理されていたが、取消を行うことが出来れば、恐らく初日に抱えた損失は1割以下の10億円程度になっていたのであろう。それでも株式の調達に困難を伴うだろうが、ここまでややこしい事態には陥らなかっただろう。

証券会社の売買取り次ぎシステムの不具合が話題になるが、東証が災いを広げた落とし前はどう付けるのだろう?

 

ところで、マザーズにしろヘラクレスにしろ、新興市場の公募株式数や売出株式数は、圧倒的に少なすぎる。マザーズが創設された当時はインターネット系証券の口座数は未だ少なく、マーケットに占める売買シェアは少なかった。しかし今では個人トレーダーの売買シェアがはるかに大きい。

そこにわずか数千株を投げ込むだけなのだから、腹を空かせた大量の魚がいる池に、わずかな餌を与えて争奪戦になっているようなものだ。上場後も株式分割で再び争奪戦を起こすことが続いてきた。(分割の新株はすぐに売れなかったので、需給バランスが崩れる。ライブドア(4753)のような異常分割を行うと、その度合いが激しくなる。)

来年1月からは株式分割後の新株を即時に売れるようになるので、株価の手頃感による需給が形成されるだろう。その適用第1号がソフトバンク(9984)だ。

しかし少ない公募売出株式数に制限を掛ける気配はなさそうだ。そんなことをすると個人トレーダーのある程度は離れてしまうだろうし、規制緩和に逆行などと揶揄されるだろう。

今のマーケットの活況は海外資本による日本株買いが大きいのだろうが、新興市場における歪んだ需給バランス(餌と魚のバランス)によるものも大きいように思う。

2005年12月12日

焼け石に水?

ジェイコム(2462)の決済処置が決定された。

-12月8日のジェイコム(株)株式の取引に関する決済の取扱いについて-
http://www.tse.or.jp/news/200512/051212_f.html

この中に

<ご参考> 取引先証券会社に引き渡された株券は、全量、取引先証券会社からみずほ証券に引き渡されます。

という下りがある。 つまり12月8日にマーケットに出てきた株券の内、正しい株券は全てみずほ証券に渡されるということになる。ストップ安に慌てて売り注文を出してしまったトレーダーの株式が、みずほ証券に引き渡されるということになるのだろう。あるいはストップ高付近で利益確保に走った分も含まれるのだろう。

14日に売買が再開したとして、需給バランスは悪いので寄り付きは買い気配になる可能性が高いが、市場は果たしてどう判断するだろうか。

寄り付いた株価が実質的な初値で、みずほ証券が手に入れた株券をどこで売りに出すかは不明だが、約400億円と推測される損失には焼け石に水だろう。

しかし、この株券の処置には疑問が残る。みずほ証券を含め権利入札を行い、再配分し直すべきではないだろうか?

追加) ロイターによると、8日時点の売り残が9万6千株余。金曜日に4万株以上を回収していたのか。
強制決済価格の根拠についてクリアリング機構社長は、「8日のみずほ証券の大量の売りで急落する前の板情報をみると91万2000円で売り買いが交錯しており、仮にみずほの大口の売りが入ってジェイコム株がストップ安にならなければ、この価格で売買が成立していた可能性があることや、最近のマザーズ市場の新規上場銘柄の初値は公募価格の1.5倍弱が妥当と考えられる、という2点を挙げた。」と述べている。

ちょんぼがなかったら、「きっと」この辺に落ち着いていただろうという、チョンボ後の需給は無視したということですね。

ジェイコム株式に係る決済条件の改定について
http://www.jscc.co.jp/japanese/news/shousai_20051212.html

追加2) 強制決済の結果、みずほ証券が入手した株式は1,073株。14日に決済価格で立会外分売するとのこと。最低1.5億円の利益になるが、タイトルの通り..