COOLに過ごそう

Boxter Index

 

2001年1月・2月・3月



Back Number 2000年12月

 

0302 Fri.

ボクスターは、いろいろなところが、普通のクルマと違う。

例えば、ニュートラルにして惰性で走らせると、転がり抵抗がとても少ないことがよくわかる。

それもまるで、そういう情報を、クルマが静かに訴えかけてくるかのようにだ。

まあ、本当に転がり抵抗が少ないのかどうかは知らないが。

タイアの真円度が高かったりすると、転がり抵抗は少なくなったりするのだろうが、これは何もタイアだけが原因ではないのだろう。

また、エンジンそのものの音が、普通のクルマの種類とは明らかに異質なだ。

カミサンのBMW330も、素晴らしくスムースなエンジンのフィーリングだが、しかし全く違う種類のクルマだということが、たとえ目隠しをしていてもわかる。

ボクスターや911は、エンジンのピストンを支えるコンロッドにしても、一つ一つ重量を測り、重さの揃っている物をワンセットにして組み上げるという。

BMWのアルピナもこうしたエンジンのパーツは重量を揃えて組み上げるというが、大量生産のいわゆる量産車ではできないことをきちんとやっているからこそ、スムースな乗り味が出るのだろう。

とにかく、随所にあるこういう味付けがとてもうまい。

というか、クルマ好きを泣かせるツボを知っているのだ。

最初の興奮が去り、しばらく乗っているうちに、かなり冷静になってくる。

そうして冷静になって、はじめて、じわじわと分かってくるという類のものだといえばいいだろうか。


 

さらに、エクステリア、つまり外観のデザインがやはり他のクルマとは一線を画している。

車から離れ、そして再び駐車場へ戻ってくると目に入るのが後姿であれフロントであれ、どの角度から見ても、非常に美しい。

このクルマのオーナーなら、駐車場へ戻るたびにこのクルマのどこかが目に入るわけで、そのたびにこのクルマを買ってよかったと思うはずだ。

それくらい、どの角度から見ても、破綻のない素晴らしいデザインだと思う。

 

 

911と決定的に違うのが、この角度つまりリア方向を見た角度。

このヒップラインは、あたかも少し古いレーシングカー・・グループCカーのような曲線を描いているが、こういう角度からのラインはボクスター以外には見ることのできないデザインだ。

ポルシェの911がこのデザインに変更された時期、まずボクスターが先に発売され、そのあとで996が発売された。

ポルシェ側によると、ボクスターと911は同時に開発が進められたのだが、911カブリオレの開発が遅れたため、ボクスターが先に発売されたという経緯があるのだという。

さらに、前のスタイルの911がまだ良く売れていたために、あえて慌てて出す必要がなかったらしい。

ボクスターが受けるかどうか、様子見をしたのかもしれない。

企業戦略から言えば、高級感のある上級モデルを発売してから、下位モデルを発売するというのが常套手段だ。

下位モデルを発売してから、上位モデルを出すと、上位モデルまでも、そのイメージが下位モデル側に引き寄せられるからなのだが、ポルシェの場合はどうやら、考え方が違うようだ。

 

 

 

 

 

 

以前、カーグラフィックという自動車雑誌の特集に掲載されていたことを思い出したが、クルマを作る作業には付加価値のあるものとそうでないものとがあるという。

エンジンに部品を取り付ける、塗装をするなどというのは付加価値のある作業で、部品を探すとか、部品を移動するなどの作業は付加価値がないものなのだが、自動車産業の付加価値のない作業というのは全工程の80%にものぼるという。

日産は工場の完全自動化を計り、その結果として非常に収益が悪くなり、トヨタは別の方法を採用し明暗が分かれることになった。

ポルシェは生産性の向上のために高価な設備投資はしないで、工程の改善で生産性を向上させたという。

というのはポルシェはモデルのバリエーションが多く、完全に自動化をするには無理があるために、設備を買うのではなく人の頭脳に対して投資をしたのだ。

ポルシェは自動車メーカーで、もっとも離職率の低い企業のひとつだという。

規模が小さいため、一人一人が大メーカーより多くの仕事を任されている。

そのため、自社のブランドに対する忠誠心や信頼感が高いという。

また、自分達で仕事を作り需要を作り出すのではなく、需要が自分達の仕事を決めるという考えでクルマを作っているのだと言う。

だから、市場の需要が減れば柔軟に供給量を減らすことができる。

ただ、この方式だと、売上が落ちることもあり、また売上げには限界もある。

しかし、不況などで需要が減った場合、大メーカーはこうしたフレキシビリティーの点で大きなハンディーを持つことになる。

例えば、1350台を生産予定だった911GT3は予約リストがすぐに一杯になり、もっと生産をという愛好家達の声があがっても、500台の追加生産だけで、きっぱりと生産を止めてしまった。

売れない分は作らないというポリシーだ。

売れるからといえばいくらでも生産するという、普通のメーカーとは考え方が全く違う。

投資は商品の価値を上げることを目的に行われ、生産台数を上げるためのものではないという。

しかも次のように売上台数は年々伸びている。

93年>15082台
94年>19348台
95年>20791台
96年>20241台(黒字転換)
97年>32390台(ボクスターの生産開始)
99年>48815台


これは、ポルシェという高いブランドイメージがあるからこそ、可能になる方法なのかも知れないが・・

とにかく、いろいろなところが、普通のクルマと違うのは確かだ。

 

 

0227 Tues.

物入れ

ボクスターは、収納場所が結構豊富。

これは以外かもしれないが、例えばこのダッシュにあるトレイはとても便利。

写真では右側にノキアの携帯電話左の白いカードは、オフィスのガレージやエレベーターへの出入り認証カードが見える。

内側にはゴムが張ってあり滑らないようになっている。これがミソ。

前がすこし低くなっているので少々の加速でも大丈夫。

だがあまり横Gをかけると、当然中のものは左右に移動する。(笑)

が、ポルシェもこういう細かいところへ神経を使うようになったのだなあ。

 



左右のドアにある蓋つきのドアポケットも結構小物が沢山入る。

 


下の写真は助手席側から見た、シートの後ろ側で、手前左の細長い四角い部分はリアスピーカー。

その向こうの中央に左右に開くスライドのドアがあり、物入れになっている。

CDや登録証や取扱説明書など奥行きがあるので、結構ものが入る。

 


 

下の写真の左側は前のトランク。深さがあるのはスペアタイアの大きさを見てもらえば分かるはず。


 

右の写真は、後ろのトランク。

ただしエンジンの熱で暖かくなるので、冷凍食品などを入れっぱなしにしたりする用途には向かないが、クルマの用途を考えるとこれだけのスペースがあればかなり広い。もちろんミアータよりうんと物は入る。

 

トランクの右側にはメンテナス用のオイル量をチェックするゲージ

オイルの補充口、冷却水というかクーラントの補充口がある。

右の写真は、冷却水というかクーラントの量をチェックする窓

冷却水はほとんど減らない。

 

黄色の蓋がオイルの補充口で、その向こうがオイル量を測るためのゲージだが、オイル量を測るためのゲージは、下の写真のように地面からミラーの位置ほどまでの長さがあり、某というより、太い針金といった形状だ。

オイルは、ガソリンを補給して上の写真の右側にある補給用のリッドを開けると、エンジンをかけたとき、メーターにオイルの量が表示されるのでとても便利。

いちいち、ゲージの針金でチェックしなくてもいいからね。

オイルは前の911ほどではないけれど、BMWなどに比べるとやはりよく減る。

まあオイルを喰うように、設計してあるのでこれは仕方ない。

日本車は、高速になるとガソリンで冷やしながら走るため燃費が急激に悪化するものが多い。

しかしポルシェなどのこうした高速で走ることを前提にしたドイツ車は、ピストンの材質が違うため、ガソリンで冷やす必要がなく、こうした点では大きなアドバンテージが、未だにあるようだ。

オイル注入口の蓋を外したのが左の写真・右はアップ

このように蓋を外すと、注入口のガイド?が飛び出し、オイルを補充する時に、こぼれないようになっている。このあたりはよくできている。

 



オイルは合成オイルのモービル1がメーカー指定。

リアトランクのウラにこういうシールが貼ってある。

 

ただし、カップホルダーはついていない。

まあこのクルマの性格上、コーヒーを飲みながら運転しないでくれということか?だがカップホルダーがついてないから、他の車にするというのはないだろう。

ポルシェもそれはわかっているから、つけてないんだろうね。

私はいつもコーヒーはオフィスで飲むので、車の中では飲まないから、それほど不便には思わないが・・。

でもアメリカじゃ、やはりないと不便だろうなあ。

でも、後付けのものがいろいろ販売されているようだ。

 

 


0222 Thurs.

北海道の札幌でコンピューターエンジニアをされている、ハンドル名TBさんから、メールをいただきました。

30年近く前になりますが、札幌で当時ジャドという、いわゆるクラブとディスコが合体したような新しい店がオープンしたときに、そこの専属バンドとして演奏していましたので、札幌には一年くらい住んでいたことがあります。

夏は涼しく、とても住みやすいという印象でしたが、ここ2年くらいは異常気象のためか、結構暑い夏だったそうです。

しかし、なつかしいなあ・・

血液型が私と同じAB型!、趣味は音楽!。

学生の頃から始められ、社会人になられてからも10年くらいまえまでは、ロックバンドで演奏をされていたようで、担当はベースとシンセだそうです。

シアトルにお住まいだったら、一緒に演奏できるんですけどね。

ゴルフはHC8だといいますから、私はゴルフはやりませんが、相当なものだということはわかります。

車への情熱あふれる内容ですので、ここで紹介させていただきます。


昨年手に入れたBMWボディの1987年製E30 3シリーズの日本仕様車のアルピナ B6−2.7の4ドアリムジンのATに乗っています。

アルピナは、死ぬまでに一度乗ってみたいですね。
チューニングの妙で、エンジンはウルトラスムースで、もちろん足回りもチューニングしてありますから、クルマの専門誌のテストでも常に高い評価を受けているようです。

まあ、値段もそれ相応にしますけれどね。

USにはアルピナディラーないと伺いましたが、御存じでしょうか。

さあ・・見かけたことはありませんが、ごくたまにアルピナ仕様を見かけることがありますが、でも少ないですね。ディーラーがないからでしょうか?

アルピナはエンジンがとってもスムーズでこんなにスムーズなエンジンは他にないなぁと思い、足回りのセッティングも絶妙でとても気に入っています。

ボクスターは私は昨年ボクスター 2.7とS3.2を試乗しとてもオープンとは思えない剛性のあるすばらしい車だと感じました。

以前2.5の初期型ボクスターも試乗したことあるんですが、遅かぁないけれど、速いくもないなぁでちょっとガッカリでした。

確かにボディとシャーシ、足回りは流石スポーカーメーカーが作る車と言うのはありましたが、それだけでした。

が昨年ボクスターは2.7とSで出たと言うので試乗にでかけたら、エンジンは下からトルクがありとてもいい車に進化していました、オープンはとっても楽しい車だなぁって思いました。

またブレーキは流石ですよね、どこのメーカーにも真似できないですね。

私は911では空冷最後の993のヒラメ顔が好きです、将来はこれも是非手に入れたいと言うのが願いでした。

なのでボクスターはなかなかインパクトがありました。

特にSはエンジンといいブレーキといいすばらしい車です、シャーシ流用のZ3やメルセデスとは全然違い互いますね。流石ポルシェです。

ただ996については試乗もしてみましたが、エンジン音は静かだし何か物足りなさを感じましたね。

そりゃースペックもすごいんですけれど、心に訴えるもんが足りなくなってしまいましたね。

また友人が89年の最終型の5速のポルシェターボに乗っているんですが、この930時代の車なんてエンジン音はバスよりスゴイし、パワステなんてないし、硬派でお金かけて作ったんだろうなぁって車ですね。

でもボクスターSは魅力ありますね。まあ2シーターというのがありますんで、完全の自分用の趣味の車ですけれど。

これでエンジン音をマフラー交換などで、ぐぅーーーと魅力ある音にして乗ってみたいもんです。

回ると水平対抗のシューーンドドドってなりますけれど、古い車に乗っているんで音など重要なポイントに聞こえます、今ドライバーに話しかけてくれる車はほんとうにすくなくなって来ましたね。

あとロータスエリーゼも超軽量でとても魅力ある車ですよね、友人で乗った方いるんですけれど、700kg弱の車重に118psのエンジン十分に速いし楽しいといっていました。

私もロータスは気になりますがやはり信頼性が不安ですね。

まあいまのところでは、アルピナは最高に楽しい車なんですが、将来的にはボクスターSなんていいなぁって思っています。

2シーターって、最初はある種の覚悟が要りますね。

冷静に考えれば、90%までは一人で乗っていることが多いので、2シーターでも不都合はないのですが、いざとなるとなかなか踏ん切りがつかないものなのかもしれません。

シアトルでは、オープンカーはとても魅力的なチョイスです。

オープンカーは、住んでいるエリアの住環境が大きく影響します。

日本の東京などの大都市では、夏は暑く湿気も多く、排気ガスで空気も汚いですから、オープンカーを楽しむにはつらそうですが、シアトルではそういった不都合な点はありませんから、オープンカーは、かなりよく見かけます。

ロスとかの暑いところでは、夏は逆に暑すぎて不都合なんですね。

オープンカーって、暑いところの方がいいように思うかもしれませんが、寒い分にはヒーターをかけて走ればしのげますが、暑いともう大変。

ですからシアトルでは、今ごろの季節くらいから、天気のいいときには、時々幌を下ろして走っている車を時々見かけるほどです。

日本だと北海道なら夏場は最高でしょうね。

空気もきれいでしょうし、湿気も少ないので、日本ではオープンカーにとって最高の条件と言えるでしょう。

ただ冬は雪が降りますから、ガレージがないとちょっと厳しいかもしませんが。

しかし、クルマのああでもないこうでもないは、楽しいなあ・・(笑)


0218 Sun.

911カブリオレ

先日チョイ乗りだったけれど、2000年モデルの911のカブリオレに乗る機会があった。

今のボクスターSは、購入時にキセノンライトとシートヒーターをつけるという約束で購入した。

だから、2度ほどクルマをディーラーへ預けたのだけれど、サードパーティーのキセノンライトがつけられ、そのうえシートヒーターはつけられないまま、オーディオにノイズが入る状態で戻ってきてしまった。

というわけで、向こうの不手際で、他の2000年モデルのボクスターSに交換してくれることになった。

もちろん、他のクルマに交換というのでもいいという。

まあいい加減というか、実にフレキシブルな対応というか、いかにもアメリカらしい。(笑)

お客さんに満足してもらえればいいというのが彼らの言い分なのだが、しかし今回の、この「後付け」作業も、正規ディーラーへ持ち込めばいいものを、(多分)安いところへ出したものだから、ディーラーにとっては、結局高いものにつくことになったのだが、まったくねえ。(笑)

しかし私としては、また楽しみが増えたというものだ。

で、ディーラーのセールスマンは、差額を払えば 911 に換えてもいいよと盛んに勧めてくる。

ディーラーには、シルバーとブラックの911のカブリオレがあり、ブラックのハードトップ付を試乗。

911よりボクスターのほうが後姿が好きなので、911に換えるつもりは全くないのだけど、盛んに試乗しろっていうし、こっちもけっして嫌いなほうではないので、試乗したという次第。

ハードトップを付けた状態で走った。

たしかに少し剛性は高くなるようだが、ボクスターSとは基本的にそう違わなかった。それにハードトップを付けると、微妙なルーフからボディーのラインが崩れ、バランスの問題で、格好が悪く見えてしまう。

セールスマンは、ブレーキもギアボックスもボクスターSと同じだというが、確かに、ドライブしたフィーリングは同じで、違うのは少し加速がいいのと、後ろに座席があることくらいだ。

だから後ろを見なければ、インテリアも同じだから、メーターパネルの違うボクスターのようだ。

911ユーザーはボクスターSより、さらに2万ドル以上を払うのだから、もっと差別化をした方がいいだろうね。

まあ、サーキットでも走れば違いはもっとわかるのだろうが、街中ではあまり違いはなく、ちょっとモッサリとした印象。

私の場合、4シーターは必要ないし、オープンでミッドシップの軽快な動きを知っているから、余計に911には食指が動かなかった。

 


Zoom

 

911とボクスターの2台を並べると、特に斜め後ろからの眺めは、ボクスターの方が、マスが小さく圧倒的に美しいと思う。

それにこの間チケットを切られたばかりだから、これ以上パワーがあってもなあ・・(笑)

 

 

0203 Sat.

スピード違反

昨日、3年ぶりにスピード違反でチケットを切られました。

車を替えてから、気をつけなければと思いながらも、ついその快感で右足を踏み込んでいましたが、天罰か。(笑)

高速の峠道の上り坂は制限速度が40マイル。

多分制限速度の倍は出していたと思うのですが、信号を左折してビデオ屋へ曲がったところ、覆面パトカーというかでかいバンが、ラジエターグリルの奥で控えめなブルーのライトを点滅させながら追いついてきた。

サイレンはなし。

よく見ると屋根に短いアンテナがついていたが非常に地味なクルマで、これはわからない。

おかしいなあ・・後ろからはついてきていなかったのだけれど、アトから追っかけてきたのでスピードは計測していなかったようだ。

ビデオ屋の駐車場へクルマを入れてエンジンを切る。

警官は、「出してましたね」と結構若くハンサムなおまわりさん。

私は無言。

「免許証と登録証を見せてください」

クルマの保険証も見せると、おまわりさんは、免許証と登録証を持ってクルマへ戻り、しばらくしてから切った切符を見せ、「ここへサインを」。

私は一言も喋らず。

チケットを見ると、20マイルオーバーで、罰金は138ドル。

「罰金は138ドルですね?」と聞くと、「そうです」

私が喋ったのは。金額の確認のこの一言だけ。

いたって事務的で非常に早く手続きは終了。

まあ速度を計測する暇はなかったようで、これはラッキー。

かなり出してたからなあ・・と最初はちょっと心配でしたが・・

スピードは計っていなかったのが確実だったので、「計った証拠を見せろ」と言い張ることもできたのだけれど、まあ、あれは誰が見ても出していたから、ここは認めるほうがいいと判断。

ひたすら沈黙を守ることにした。

だから「すみません」も言わなかった。

まあ、あっちも計っていなかったので、適当な速度を書き入れたのでしょう。

まあ客観的に見てもこれは、バーゲンプライスだといえるでしょう。

しかし、このクルマで制限速度を守って走るというのは、なかなか難しい。 < おいおい!反省がないなあ。

トレードより忍耐が必要ですね。

と反省をしておる次第です。

みなさんもスピードの出しすぎには気をつけましょう。<気をつけるは、おまえだ!

 

 

0110 Wed.

機嫌

人間は機械と違って、気分にムラがある生き物だ。

このいわゆるムードというやつは、行動に大きな影響を与える。

上機嫌だと、ものごとだってうまく進むような気がするし、うまく行かなくってもさほど気にはならない。

酔って唄っているときは、やたらうまいと思っても、酔いが覚めてから聞いてみると、想像を絶するひどさだったりする。(笑)

自己陶酔とは、人間を苦難から守るために神が与えてくれた能力なのかもしれない。

いいクルマというのは、こうしたいわゆる気分のスイッチングをとてもうまくやってくれる。

その人にとっての「いい車」というのは、クルマとの相性なのか?


クルマを単なる移動の道具だけと考えている人には、こういう考えはナンセンスに映るだろうけれど。

朝起きてフリーウェイへつながる霧の峠道を下るとき、ほんの数分前とは違う世界に身を置く事になる。

 

 

霧に包まれた景色を見ながら、ヒューンというフラット6のサウンドを聞きながら、手に伝わってくるステアリングからのダイレクトな手ごたえを楽しんでいるうちに、フリーウェイの入り口だ。

水温計の針はフルスロットを受け付けるゾーンを指している。

そうして、流れの速いフリーウェイへ合流する。

快い興奮と少しの緊張を15分ほど楽しむとオフィスだ。

身も心もウォームアップした頃にオフィスへ到着する。

即集中力を最大限に発揮できる状態で、朝の作業を開始することができる。

全力で集中できる時間は、大体2時間が限度。

2時間後の8時半はニューヨーク時間の11時半。

マーケットはランチタイムのフラットな状態へ突入。

トレードをしていると、ほとんどの場合、ここまでに結果は出ている。

ここからは、オフィスのデスクワークなどの仕事に専念する。

トレードに比べれば、集中力でいうと非常にラク。

クルマを変えてからは、このプロセスのための「スイッチング」のバラエティーの幅が広くなった。

真剣に走れば、集中力をヒートアップさせることができるし、リラックスしたければ、ぶ厚いトルクを生かしたオートマチック車のような走りも受け付けてくれる。

 

 

毎日の生活の中で繰り返されるリピートは、それと気が付かない過酷さを持ち合わせている。

精神力というチャートは、生きている限り、常に右下がり方向へのバイアスによって影響され続ける。

この世での平等に与えられた人生という試練だ。

Life is Shit Sandwitch.

だから、クルマという道具を利用する。

移動の道具だけではなく、そういう使い方をすると、想像以上の効果を発揮してくれるボクスター。

今のところ相性はとてもいい。



0107 Sun.

TPO

ハイパワーのスポーツカーを楽しむためにには、右足に力を入れるタイミングが大事だ。

つまりTPOにあわせ、時にはコンスタントスロットルで流し、時には床まで蹴っ飛ばすといったメリハリをつけることが肝心だろう。

制限速度を守った走りばかりだと、ストレスもたまるだろうし、第一こういうクルマを買った意味が半減するというものだ。

だが、年中蹴っ飛ばしていると、罰金の嵐となりやすいし、第一危ない。

フリーウェイで流している車のほとんどは60マイルから、75マイルくらいが平均で、もちろん早朝や深夜、また郊外へ行くとグッとペースが上がってくる。


まず心がけることは、この流れにあわせて走るということ。

この流れから外れた走りをするとどうしても目立つから、おまわりさんの注目を浴びやすくなる。

先頭を走るときは、特に速度に注意する。

この基本的なルールを守っていれば、安心してボクスターの加速を楽しむことができる。

クルマというのは面白いもので、フリーウェイでは大体が集団で走っている。大体2、3マイル位の長さで一団となって走っている。

そして、その前後は結構空いているのだ。

だから、急ぐときはこの集団をすり抜けながら前へ出るという走りになるが、こういう走りは、ボクスターの最も得意とするところだ。

強力な加速でクルマの間へ滑り込んだら、少し流れに合わせて走る。

ここで回りの車をよく見て、おまわりさんのクルマや、覆面パトカーをよくチェックすることだ。

大体車種は決まっているし、必ず複数のアンテナを立てているし、運転席のAピラーにはスポットライトが装備してある。

昼間ならよほどのことがなければ、見逃す恐れはない。

そうして前方にあるクルマの間へまた滑り込む。

これをスムースにこなすためには、前後の車の位置関係をよく見て、少し先を読みながら走るというパターンを楽しむという姿勢が大事。

それと無理をしないこと。

我慢すれば必ずチャンスが来るから、そのときに抜き去ればいいのだ。

何だか、ちょっとトレードに似ているなあ。(笑)


とにかく、これを繰り返し、その集団の先頭に出る。

そうして、「じりじり」と、前の集団に追いつく。

この「じりじり」がポイントで、ここで「ブワーン」と追いつくと絶対に目立つからね。

それと出来れば、前の集団に追いつくときは、上り坂のところか、大きめのコーナーを選ぶことだ。

それと早い車がいれば、そのクルマの後を、少し距離を開けて追走するという手もある。

距離が近いと、2台一緒に御用となるから、適当に距離をあけること。

下り坂はどんなクルマでもスピードが出やすいから、スピードチェックの絶好の餌食となりやすい。

あなたがスピードチェックをする側になれば、たくさんの獲物が取りやすい場所がどこなのかは、すぐわかるよね。

まあこうして楽しんでいるうちに、いつのまにか目的地に着いてしまう。

だから最近は、ダウンタウンや、少し遠くまで出かけることが多くなった。

同じ距離なのだけれど、何だかとても近く感じる。

どんなことでも「楽しみながら」というのは、あっという間に時間がたつものだ。

Fun to Drive を楽しむにも TPOが肝心。

Have a Nice Drive !

 

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