トレード用PC選び(DELL編)

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セミナーでは、トレード用のPCは何がいいですかと質問をいただくと、DELLとひとまず回答しています。

その理由は、PCとモニター(TFTモニター)を接続するインタフェースで、Dual DVI接続を選択可能な少ないメーカー製PCになるからです。おまけにキャンペーンをうまく活用すると自作するよりも安くなることが少なくありません。

現時点では、多くのメーカー製PCで、Dualモニターが可能な構成を選ぶとDVI接続とD-SUB接続(VGAと表記しているところも多い)の組み合わせなのです。これだとどちらかはD-SUB接続になり、アナログの接続になります。お店のモニター売り場のTFTモニターとCRTモニターのシェアは 9:1 以上にもなっているのに不思議なところです。

なぜ、DVI接続を選ぶべきかは、次のサイトをご覧ください。

DVI情報広場
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Bay/9439/

トレードという仕事は、長時間モニターを見続けるので、眼の負担が低いものを使うに越したことはないですからね。

自作でDual DVI(あるいはそれ以上)を構築される方は、これ以降は参考になりません。
DVI情報広場か、某巨大掲示板の自作PC板のマルチディスプレイなどを参考にするのがよいでしょう。

 

さて、DELLのWebサイトへ行くと、最初に『個人のお客様』か、『法人のお客様』の選択肢が待ち構えています。

なにが違うかというと、支払方法の選択肢とサポートサービスの考え方です。

分割払いは『個人のお客様』のみが対象で、リース払いは『法人のお客様』のみが対象です。

『個人のお客様』のサポートサービスは他のメーカーと同様に1年間を基準に変更が可能なのに対して、

『法人のお客様』のサポートサービスは、3年間保守が基準です。これは減価償却やリース期間、陳腐化のスピードも関係してくるのでしょう。

PCが故障したときに自分で対応可能かを考えると、3年間の出張修理対応(お住まいの場所にもよるようですが)を受けられるのであれば、悪いことではありません。『法人のお客様』を選ぶとベースのサポートがこれになるわけです。

トレーダーは『法人のお客様』でしょうか?仕事ですから個人事業主が相当しますね。

 

『法人のお客様(個人事業主・SOHO・法人のお客様)』を選んだとして、次に待ち構えるのは、どのシリーズを選ぶかです。

デスクトップPCは、3種類の選択が可能です。(自分でOSを調達するならエントリーサーバーの中には格安のものがあり、選択肢のひとつではあります。)

  1. Dimensionシリーズ
    主にホームユースをターゲットとしたPCシリーズのようです。
    TV録画、音楽、写真といったライトなものから、3Dゲームといったヘビーなものまであります。
    この中で、Dual DVIを選択可能なPCは、Dimension8400およびDimension XPS Gen4になります。どちらかといえば3Dゲームや動画編集がメインターゲットになるでしょう。
    Dual DVI(DVI x 2 と表記)が可能なビデオカードは、NVIDIA GeForce GTO 256MBを選択したときのみですが、この性能は3Dゲーム向けのものでトレードにはまったく無用のものになるでしょう。
    もちろん、気分転換に必要だという方は、必須かもしれません。

  2. OptiPlexシリーズ
    主にビジネスユースをターゲットとしたPCです。性能よりは安定性で、他のシリーズに比べるとメインストリーム/バリューセグメント用のchipsetを採用しているために、やや性能が低くなります。
    『法人のお客様』を選択しないと、OptiPlexシリーズを選択することが出来ません。
    主力はGX280シリーズ。シャーシの大きさで3種類に分かれていて、メモリ実装枚数、CPU最高クロックなどの違いがあります。それぞれでDual DVI接続のビデオカードを選択出来ますが、キャンペーンの中に「デュアルモニタ」と称して、片方はアナログ接続となる 地雷 な構成が存在します。
    キャンペーンは、主としてスモールフォームファクタ(SFF)と呼ばれる一番小さいシャーシに対してのみ行われるので、高クロックCPUやメモリ容量を考慮するなら、Precisionシリーズのほうがよいです。
    もちろんSFFが絶対条件であれば、選択肢はありませんが。

  3. Precisionシリーズ
    主にビジネスユースの内、ハイエンドを構成するモデルです。
    3D-CGやCADなどのアプリケーションをターゲットとしているため、OpenGLをサポートする高価格(10万円超)なビデオカードも選択できます。
    デュアルCPU構成を選択することも可能ですが、CPU、メモリ、マザーボードとも一ランク上の価格になるため、シングルCPUのPrecision370が購入のターゲットになるでしょう。

同じクロックのCPUを選んだ場合、性能の目安は概ね次のようになります。

Dimension XPS Gen4 ≒ Precision370 > Dimension8400 > OptiPlex GX280

違いはChipsetとメモリクロックの違いから生じます。

 

この他に、DimensionシリーズとOptiPlex/Precisionシリーズの大きな差異は、メーカー出荷状態に戻すためのバックアップをHDD上に保有しているか否かでしょう。

Dimensionシリーズは最終手段としてメーカー出荷状態に戻すことが可能です。ただし完全に戻すようなのでHDD内の必要なデータ/ファイルの類は全てHDDの外へバックアップする必要があります。

OptiPlex/Precisionシリーズの再インストールは、WindowsXPの再インストールとほぼ同じです。唯一の違いはアクティベーションが不要であることでしょう。

HDDの完全なバックアップは、Norton Ghost や Acronis True Image などが有名どころです。

セミナーオフィスのPCは、Norton Ghostでセミナー開催毎に、HDDの内容をフレッシュさせています。

 

それぞれのPCのパーツ選択肢

DELLのオンラインショッピングサイトでは、ここの部位に対して、メニューで性能や容量などを選択することが出来ます。

なお、キャンペーンやメニューの違い、クーポンの有無によって、同じ構成であっても価格が異なることがあります。したがって、いくつかのメニューで試してみましょう。

 

主なパーツについての選択基準です。

  1. OS
    すべてWindows XPですが、Home Edition と Professional Edition から選択することになります。Microsoftのサポート期間という点では、Professional Editionの方が長いのですが、Windows98のサポート期間が延長された前例もありますので、どちらがとはいえません。
    Professional Editionのほうがフルセットである分、機能制限がありませんが、ユーザー管理の考え方やファイル共有の考え方については知っておいた方がよいでしょう。
    (参考サイト http://www.atmarkit.co.jpのWindows関連など)

  2. CPU
    Pentium4から選択します。Celeronは現時点では選択すべきCPUではありません。
    スモールフォームファクタの最高クロックは3.4GHz(モデル550)、ミニタワーの最高クロックは3.8GHzです。NASDAQでCQGとTradeStreamなどを同時に使わなければ、3.2GHz程度で問題ありませんが、同時に使うのであれば3.6GHzあるいは3.8GHzを選択しておいた方が無難でしょう。

  3. メモリ
    1GBあれば一般には十分ですが、1.5GBあるいは2GBあれば、Photoshopなどを同時に開いていても十分な容量になるでしょう。
    スモールフォームファクタのシャーシでは増設機会が無いので、最低でも1GBとしてください。

  4. HDD
    トレードそのものは40GBの容量があれば十分なのですが、Cドライブに40GB、データバックアップ用に40GB程度あったほうが、運用しやすいので、最低80GBでプライマリー40GB程度に分割する設定がよいでしょう。

  5. FDD
    特殊な用途以外には使う機会がなくなりました。

  6. 光学ドライブ(CD、CD-R、CD-RW、DVD、DVD±R/RW)
    一般的なバックアップ用途であればCD-RWで十分ですが、Cドライブ全体を外部メディアへバックアップするのであれば、DVD±R/RWがよいでしょう。
    なお、バックアップ用のソフトは添付されていないので、別途購入する必要があります。

  7. ビデオカード
    個々のシリーズでDual DVIをサポートするビデオカードが違います。
    現時点では次のようになっています。
    Dimension8400、XPS Gen4: NVIDIA GeForce GTO 256MB
    OptiPlex GX280: ATI Radeon X300 128MB
    Precision 370: いくつか種類があります。通常 64MB NVIDIA Quadro NVS280 PCIeで十分です。(その上はかなり値が張ります)

  8. モニター
    UltraSharpから選択します。最低SXGA(1280ドット×1024ドット)以上を選択してください。
    現在、15インチモニターを使用されている方が、文字の大きさで小さいと感じないのは19インチですが、表示ドット数は17インチと同じ1280ドット×1024ドットです。
    Precisionシリーズだと、同じメニューの中から2台目のモニターを選択出来ます。他は2台目は周辺機器から選ぶことになります。

  9. スピーカー
    搭載していないものもあります。個別に確認してください。
    Dimension 8400/XPS: 内蔵スピーカー無し
    OptiPlex: ビジネス向けに最小限のスピーカーをPC本体に搭載
    Precision: 内蔵スピーカー無し

  10. キーボード/マウス
    PS/2接続にするかUSB接続にするかは、キーボードの形状の好みから選択になりますが、OptiPlexではPS/2接続はオプション扱い(PCIスロットをひとつ占有)なので注意してください。
    マウスに関しては、5ボタンマウスが用意されていないので、最低限光学式を準備しておいて、気に入らなかったらMicrosoft製やLogicool製のマウスを別途購入するのが良いでしょう。

  11. サポートサービスや設置サービス
    ご自分の用途に応じて選択してください。
    通常は3年間翌営業日出張サポート、24時間電話サポートで十分だと思います。
    設置はさほど難しくありませんが、設置サービスをオーダーされている方もいるようです。


その他 DELLのサイトとは直接関係ありませんが、セキュリティ対策は重要なので合わせて記載します。

  1. ブロードバンド・ルーター
    PCが1台でもルーターを経由してInternetへ接続しましょう。万が一重大なセキュリティホールが見つかった場合でも、クラックされるリスクを低くすることが出来ます。

  2. セキュリティ対策ソフトウェア
    必ずインストールするようにしてください。
    Symantec(Norton)、TrendMicro、Mcfee などが主要ベンダーです。
    Norton Internet Securityはネットワーク通信を行う際にCPUに与える負荷がかなり重いようです。
    一般には、ルーターとウィルス対策ソフトで十分なのですが、前提条件として、むやみにメールに記載されたURLをアクセスしない。信頼のおけるサイト以外はアクセスしないということが前提になります。
    自信が無い方は、Internet Explorerの使用はリスクが高いので、Mozilla / Firefoxなどのブラウザを使用することをおすすめします。(但しセキュリティアップデートは常にチェックして、最新版を導入するようにしましょう。)

    Mozilla Japan http://www.mozilla-japan.org/

    また、SPAMメール対策として、POPFileがかなり有効です。
    http://popfile.sourceforge.net/cgi-bin/wiki.pl?JP_POPFileDocumentationProject

DELLの個別シリーズは、別途記事を書く予定です。