トレード用のPCについて その3

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トレード用のPCについて その3です。(その2その1

 例によってDellでチェックしてみましょう。

Inspiron ノートPC

 ノートPCの場合、外付けディスプレイの最大解像度が気になるところです。Dellで現在販売されている個人向けInspiron シリーズのノートPCの外付けディスプレイ用端子はHDMI 1.4aです。HDMI 1.4aの規格上はWQHD(2560 x 1440ドット)を表示可能なのですが、実際にはCPUの内蔵グラフィックスの仕様により制約があるようです。Intelのウェブサイトで各CPUの仕様を確認してみると第4世代Core iプロセッサのIntel HD グラフィックス 4200以上だとWQHD(2560 x 1440ドット)の解像度に明示的に対応していますが、Celeronや第3世代Core iプロセッサだとHDMIの最大解像度の記述がありません。
もっとも本当に接続してWQHDを表示できるかというと個々の違いがあるのでメーカーに確認を取るしかありません(“WQHDは確認を行っていません”と云われるかもしれません)。

 第4/5世代Core iプロセッサのモバイル向けCPUのクロックを確認してみると、Core i3の大半はベースクロックが2GHz未満で通常作業には十分ですがトレード用には能力が不足しているように思います。

 高解像度ディスプレイを接続する場合、メモリがシングルチャネル接続かデュアルチャネル接続かで性能に影響が有りますからデュアルチャネル接続仕様を選んでおきたいところです。

 ノートPC本体のディスプレイ解像度もトレードにとってはオマケ程度の1366 x 768ドットではなく十分活用できるその上の解像度を備えたいところです。かといって超高解像度のように多くの情報を表示できるよりも表示の綺麗さを優先するようなものではチャートが非常に小さいくなり使いづらいものになります。

 また、無線LANを使用する場合は、5GHz帯が使用できるモデルをお勧めします。802.11 acやagnなどと記載されています。田舎で周囲に家が無いという状況でもない限り2.4GHz帯の電波は混雑しています。特に世帯数の多いマンションだとその度合いが高くなります。2.4GHz帯は電子レンジなど色々な機器で使用されていますが、5GHz帯だと周りの電波は自宅だけという状況になります。その分電波が飛びにくくなるのでアクセスポイントとの距離の影響も高くなります。

 以上をふまえて自分の食指が動きそうなモデルは、

New Inspiron 17 5000 シリーズ

 本体のディスプレイは17.3インチ FHD (1920 x 1080)あるいはHD+ (1600 x 900)、内蔵グラフィックスはnVIDIA GeForce 920M(上のIntel HD Graphicsの検討は何だったということですが)、メモリ 8GB(4GBx2)。表示価格は10万円前後です。

 ちょっとお高い、大きいということで、その下はというとHD(1366 x 768)しか無いようです。画面解像度は譲っても、メモリは譲らないとすると、

New Inspiron 15 5000 シリーズ プレミアム

 メモリは8GB(4GBx2)です。下位モデルは4GBx1(シングルチャネル)なのですが、モデルによってメモリスロットが2つと1つのものが存在しているので、増設したくとも出来ないということがあります。

 15インチクラスで、FHD (1920 x 1080)のモデルだと、

New Inspiron 15 7000 シリーズ Graphic Pro

 但しチャート表示には少し小さい(細かい)と思います。他メーカーでもこのクラスにFHD (1920 x 1080)を搭載しているモデルが多くあります。

 

 以上のモデル以外で法人向けモデルを含めるとLatitudeやPrecisionなどがありますが、お値段もそれなりです。

 

液晶一体型デスクトップ(Inspiron 23 5000シリーズ)

 Dellでは幾つかモデルを用意しています。仕様を考えると23インチFHDのモデルなのですが、メインディスプレイとしてはやや手狭なのでもうひとつディスプレイを接続したいところです。そのとき通常のデスクトップPCとの違いは本体部分が液晶ディスプレイと一体化して床や机上に占有しないことに優位性を見出し代金を多めに払う訳です。メインとなる液晶ディスプレイを交換することはできませんから、一体型であることに利点を見出せない場合にはお勧めしません。

 ノートPCも本体の液晶ディスプレイを交換できませんが、こちらは容易な可搬性に利点を見出せるわけです。ただしノートPCで色々機器を接続するとケーブルがたくさん生える状態になるので、その点では一体型の方がスッキリします。

 以前にはWQHDのモデルがあったのですが廃止されたようです。それがあれば1台で完結となったのですけどね。

 性能アップグレードの7000シリーズもありますが、共に液晶パネル表面は光沢なため、それに慣れない方は止めておいたほうがよさそうです。

 

デスクトップPC(スモールシャーシ)

Inspiron 3647

 マルチディスプレイを構築するのであれば、これを選択する理由はありません。机上に置ける、足元に置いても邪魔にならないというところに利点を見出さなければ。
ディスプレイを接続する端子はHDMIとVGA(アナログ)です。ノートPCで記載した通りHDMIでWQHDに対応するにはCore i3以上が必要です。1枚のディスプレイで済むならよいのですがもう一枚となるとVGAでは表示品位が気になってきます。

 拡張スロットはロープロファイルが一つ用意されていますが、それを活用できるオプション(グラフィックスカード)はDellで用意していません。実装できるカードを探して自分でインストールする必要があり、インストール後も本体のHDMIと共存できるか分かりません(どこも異なる種類のグラフィックスドライバの共存を勧めていません。メーカー製の多くは本体側を無効にします)。

 以前は法人向けのOptiPlexでオプションのグラフィックスカードを選択できたのですが、現在はアップグレードパーツとして用意されているのみです。OptiPlex 7020/9020ではDisplayPort端子が2つ用意されているので十分かといえば十分です。

 

デスクトップPC(ミニタワー)

Inspiron 3847 Graphic Pro

 本体のディスプレイ端子がHDMI/VGAなのはInspiron 3647と同様。 Graphic Proの所以はグラフィックカード付モデルが用意されているところですが、nVIDIA GeForce 705というのはローエンドなものです。それでもディスプレイ端子がDVI/HDMIなのでデュアルディスプレイには十分です。HDMIはGeForce GT 720がFHDまでということを考えるとこれも同様かもしれません。

 

XPS 8700 Graphic Pro

 どのモデルを選んでも不満は少ないと思います。唯一グラフィックス(ビデオカード)でnVIDIA GeForce GT720だけはHDMIの最大解像度がFHD (1920 x 1080)であることに注意です。3画面欲しい場合はnVIDIA GeForce GTX 750Ti あるいはAMD Radeon R9 270ですが、接続端子を考慮するとAMD Radeon R9 270(DL-DVIx2、HDMIx1、DPx1)のほうがよいと思います。

 

 さていずれのモデルでも共通することなのですが、MicrosoftはWindows 10を7月29日提供開始と告知しています。もし最初からWindows 10で使いたいとなるならば、アップグレードよりは最初からプリインストールされていたほうが楽でしょう。ノートPCなどは特にそうです。

 かといって、トレードソフトのWindows 10対応がどうなっているのかも問題です。現在はWindows7も入手可能であるため、どのOSで使っていこうか悩みどころになります。

 

 他のメーカーのPCについても考慮する点はほとんど同じですのでそれでお考えください。