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Friday September 30, 2005

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アメリカ株式市場、3つの買い材料

9月も大詰め、あと3ヶ月で2005年度のマーケットが終了する。1月、1213ドルでスタートを切ったS&P500指数は、現在1220ドルを示し、たった0.5%の上昇というアクビの出そうな展開だ。もちろん、11回連続の短期金利引き上げ、高騰するオイル、ガソリンを考慮すれば、マーケットは健闘している、と言うこともできる。 9ヶ月間たいした動きを見せなかったマーケットだが、ポートフォリオマネージャーのジョン・マークマン氏は、こんなことを言う。「S&P500指数は、アメリカを代表する500の企業で構成される指数ですが、今年の状況は去年とよく似ています。2004年、S&P500は1111ドルで始まり、9月の終わりには1110ドルでした。小型株指数のラッセル2000は556ドルで2004年をスタートし、558ドルで9月を終えました。残りの10月から12月ですが、小型株指数は15%の上昇...

Thursday September 29, 2005

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危険な投資アドバイザー

アメリカンドリーム、という言葉がある。家を買って、良い車を運転し、子どもには最高の教育を与え、そして老後は快適な隠居生活をおくる。そんな夢なら私たち日本人も持っているから、ジャパニーズドリーム、と言うこともできる。こんな統計がある。約50%の働くアメリカ人の預金高は2万5000ドル(282万5000円)以下であり、20%の人たちには全く預金が無い。これではアメリカンドリームを実現できない。 何故このようなことになってしまったのか。「それは間違ったアドバイスに従ったからです」、と言うのは「金持ち父さん貧乏父さん」の著者、ロバート・キヨサキ氏だ。先ず、この間違ったアドバイスを紹介しよう。「一生懸命働いて、こつこつ金を貯め、借金はしないで優良株やミューチュアルファンドに長期投資しろ。」一見すると適切なアドバイスに思われるのだが、キヨサキ氏の話を少し聞いてみよう。 「20...

Wednesday September 28, 2005

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アメリカ人が持つ六の心配事

お金に関することで、あなたが最も心配していることは何ですか、とマネー誌は1000人の働くアメリカ人に尋ねた。圧倒的に多かった回答は、自分が死んでしまった場合、残された家族は経済的に大丈夫だろうか、という不安だった。そんな時のために生命保険があるのだが、実際に加入しているのは就業者の約50%ほどだ。 突然の死よりも起きる確率が高いのは、交通事故や病気などが原因となり、働くことが不可能な体になってしまうことだ。こういった事態に備えて身体障害保険があるが、これに加入している人たちは30%にも満たない。長期闘病生活には多額な医療費が必要になる。統計によれば、このような状況に陥った家庭の半数は、破産申告をすることになるという。 株式市場の暴落が、二番目に多かった返答だ。2000年の5132ドルをピークに、現在ナスダック市場は2100ドル台で横ばいしている。90年代の派手な高...

Tuesday September 27, 2005

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三つの罠

トレーダーとして成功するためには、三つの壁を克服する必要がある、と語るのはブレット・スティーンバーガー氏だ。氏は単にトレード心理の研究で有名なだけでなく、20年のトレード歴も持ち合わせる。さっそく、三つの壁について説明してもらおう。 「最初に挙げたいのは完全主義です。これは特にトレードを始めたばかりの人たちに多いのですが、あまりにも非現実的な利益目標を設定する傾向があります。トレーダーたちはよく、「買いのタイミングが遅すぎた」、とか「20セント儲けそこなった」、などと口にしますが、これらの本当の意味は何でしょうか。要するに彼らは、今日の安値で買って、今日の高値で売れなかったことを嘆いているのです。その結果、こんな言葉で自分を責めるようになります。俺はいったい何をしているのだ。トレードの才能が無いのかもしれない。完全主義は捨てなくてはいけません。 エゴはトレーダーに...

Monday September 26, 2005

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静かな買い手、騒々しい売り手

選択は二つ、売りと買いだ。模様眺めを含めれば三つになるが、最終的には買いと売りしかない。もちろん株の話をしているわけだが、ウォールストリートに代表される証券業界も、単純に買い手(Buy Side)と売り手(Sell Side)の二つに区分できる。二者の決定的な違いは何だろうか。「一方はとても静かですが、他方はいつも声高々に叫んでいます」、と言うのはロバート・グリーン氏(ブリーフィング・ドット・コム)だ。 株も商品だから、だれかに買ってもらわないことには話にならない。商品を売るためには、それなりの宣伝が必要だ。グリーン氏にウォールストリートのからくりを説明してもらおう。「インベストメントバンカーにとって、株は単なる製品でしかありません。分かりやすい例はIPO(新規公開株)です。IPOの目的は企業を証券取引所に上場させることですが、仕事はそこで終わるわけではありません。 ...

Saturday September 24, 2005

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社長は神様?

勤務時間中に会社を抜け出しストリップ劇場へ向かう。しかし運悪く上司に見つかり、首になってしまった。厳しすぎる処置だ、と思われるかもしれないが、この場合ならどうだろう。日曜の午後、ストリップ劇場で二時間ほど暇つぶしをする。翌日出社すると、さっそく上司に呼ばれ解雇を言い渡されてしまった。理由は昨日ストリップ劇場へ行ったからだ。休日に何をしようと会社には関係無い、と反論したのだが、社風に合わない人には辞めてもらうしかない、それが会社の言い分だ。現実離れしたような話だが、実はそれと似た話がアメリカで起きている。 ハワード・ワイヤーズ氏は、(ABCニュース報道)、ヘルスケア関連の会社を経営する、今年71歳になるビジネスマンだ。こんな会社を経営するくらいだから、ワイヤーズ氏にとって健康管理は最大の関心事であり、社員にも健康的な生活スタイルを奨励している。単に自分だけがウエートトレーニ...

Friday September 23, 2005

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企業イメージ格上げを狙うマクドナルド

イメージチェンジを狙って、マクドナルドの新しいコマーシャルが放映される。といっても、もっとお客さんに来てもらおう、といった内容ではない。アメリカではマクドナルド=給料が安い、職として将来性が無い、昇給は望めない、などといった見方が大衆に定着してしまっている。だから当然な結果として、長期的にマクドナルドで働く人は少なく、どうしても高校生のパートタイマーが中心になってしまう。こんな企業イメージを変えよう、というのが新コマーシャルの目的だ。 ロイターの報道によれば、このコマーシャルには、ロサンゼルスオリンピックで金メダルを取った、カール・ルイス選手が起用される。何故カール・ルイス選手なのか?理由は少なくとも二つある。先ず、マクドナルドのM字型のマークだが、あれはゴールデンアーチと呼ばれている。金メダルはゴールドだから、ゴールデンとゴールドを結びつけて勝者のイメージを強調する。カ...

Thursday September 22, 2005

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プログラムトレード入門

あと5セント下がったら損切るしかない、と半分諦めていると、突然SP500指数が跳ね上がった。何が起きたのだろう。チャートを見ても、別に重要なサポートラインにぶつかり反発しているわけではない。とにかく良かった。この指数の思いがけない回復で、持ち株が上昇し始めた。トレーダーならそんな経験をされた事があると思うが、マーケットを襲ったプログラムトレードに助けられた可能性大だ。 大手証券会社のコンピュータによって執行されるプログラムトレードだが、先ずその定義を説明しよう。プログラムトレードとは、15以上のSP500指数に属する銘柄を同時に買い(または売り)、その総額が100万ドル以上になる取引の事だ。プログラムトレードは、ダウ指数の上げ下げ幅によって執行が制限される。実際の数値は各四半期ごとに調整されるが、ダウ指数が210ポイント以上動いている時はプログラムトレードが出来ない。 ...

Wednesday September 21, 2005

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デイトレードから長期投資に応用できる窓

6時起床、6時15分朝食、そして7時の電車で会社へ向かう。毎日繰り返される日課だが、こんなお決まりの手順を踏むことが株トレードにも重要だ、とマネーマネージャーのブランドン・フレデリクソン氏は言う。同じことの繰り返し、と言うと退屈なかんじがするが、これが生活に一定のリズムをつけることになる。 フレデリクソン氏はデイトレードから長期投資まで手がけているが、氏の一日は先ずニュースをチェックすることから始まる。窓(ギャップ)を積極的に利用する氏のデイトレード方法は、格上げや格下げ、それに収益予想などのニュースに大きく影響される。小さなギャップでは大したトレードはできない。だから当然、大きなギャップになりそうなニュースを中心に探すわけだ。(ギャップトレードなら馬渕氏のGapper’s Eyeを参照してほしい) 長期投資には、収益、売上、新製品、経営陣などのファンダメンタル的...

Tuesday September 20, 2005

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ベーブ・ルースとトップファンドマネージャー

ある大手企業が、20人のファンドマネージャーを使って、会社の資金を株で運用させた。一定期間が過ぎ、途中経過を報告させたところ、一つ腑に落ちない事が出てきた。最も優れた成績を上げたファンドマネージャーは、勝率が極めて低いのだ。ポートフォリオ全体の上昇率は文句無い。しかし、一つ一つ銘柄を調べてみると、下げ銘柄数が上げ銘柄数を、はるかに上回っている。何故こんなことが起きたのか、早速会社側はファンドマネージャーに説明を求めた。 「当たる確率はさほど重要なことではありません。大切なのは、当たった銘柄が、どの程度大きく伸びるかです。4社の株を買ったとしましょう。当然なことですが、3銘柄の損を小さく抑えて、残りの1銘柄で大きく儲けることができれば良いわけです。確かに個々の銘柄だけで見れば、3対1で下げの勝ちですが、ポートフォリオ全体はプラスになります。」 負け数が目立っても株で...

Monday September 19, 2005

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金人気の秘密、それは日本経済

金に人気が集まっている。ここで言う金とはカネのことではなく、ゴールドのことだ(念のため)。話はいきなりそれるが、昔の学生たちはカネが無くなり困り果てると、「ゲルピン」という言葉を使ったそうだ。ドイツ語でカネはゲルト、危機は英語でピンチと言う。なんと英語とドイツ語の合成語だったわけだが、なかなか上手い表現だ。 下はゴールド指数の日足チャートだ。9月9日にブレイクアウトして、ここのところ3連勝と調子が良い。金は普通の経済状態なら、まず人気化することはない。インフレ対策が主な金を買う理由だから、投資者たちは物価高を予想しているわけだ。 金が買われる、ある具体的な理由を、アルスタッドキャピタル社のマイケル・アルスタッド氏に説明してもらおう。「10回連続の金利引き上げで分かるように、連邦準備理事はインフレと戦っていますが、ここで日本に目を移してみましょう。第1四半...

Saturday September 17, 2005

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高い買い物

スカイプと言えばインターネット電話会社だが、この買収を狙ってイーベイが本格的に動き出した。買収価格は41億ドルと推定されているが、早くもイーベイはウォールストリートで笑いの種になっている。ルクセンブルグに本拠地を置くスカイプだが、2004年度の売上高は米ドルに換算すると約700万ドルだった。こんな会社に、イーベイは41億ドルまで払おうというのだから、正気の沙汰ではないと思われても仕方ない。 スカイプがイーベイの収益上昇に結びつくかは分からないが、インターネット電話の専門家、ジェフ・プルバー氏はこんな見方をしている。「イーベイで買った品物は、ペイパルを通して代金の支払いが行われますが、スカイプの買収が実現すると、イーベイは次世代のロイターになる可能性があります。」 次世代のロイター?意味不明な表現だが、コリン・バー氏(ザ・ストリート・ドット・コム)はこう皮肉る。「ロ...

Friday September 16, 2005

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遅すぎた企業再生手続き

チームが勝てないのは監督が悪い。子どもの成績が上がらないのは先生の責任。高すぎる税金は大統領のせいだ。物事はこんなに単純ではないが、この論法でいくと、破綻したデルタ航空とノースウエスト航空は経営陣の責任ということになる。 既に破産保護の下で営業しているユナイテッド航空とUSエアウェイズ(アメリカウエスト航空と合併)は、四年前の9月11日にニューヨークを襲ったテロ事件が、直接的な経営危機に陥る引き金になった。あの日、ユナイテッド航空の二機はテロリストにハイジャックされ、USエアウェイズの主要拠点である、ワシントンレーガンナショナル空港は数週間以上も閉鎖されてしまった。 航空業界のアナリストが口を揃えて言うことは、デルタとノースウエスト航空は正確なデータに基いた判断からではなく、状況は好転するだろう、といった希望的な観測を基盤に営業を続けたことだ。オイル価格は必ず下が...

Thursday September 15, 2005

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幹事証券会社から見放された第二のグーグルBIDU

コーヒーを飲みながら、チャットルームをぼんやり眺めていると、やたらとBIDUの四文字が出てくることに気がついた。BIDU(バイドゥ・ドット・コム、中国のサーチエンジン)はナスダック市場で取引される、第二のグーグルと騒がれた、今年夏一番人気の新規公開株だ。初取引は8月5日、66ドルで始まり、なんと倍に近い122ドル54セントで終了した。正に第二のグーグルにふさわしいデビューだった。 しかし、BIDUに何が起きたのだろう。時間外取引では28%の大きな下げだ。デイトレードネットの代表取締役、馬渕氏も掲示板で「昨日手仕舞いした人は安堵しているはず」、と書き込まれていたが、本当にそのとおり、と言うしかない。こんな下げ方だから、大手証券会社アナリストのコメントが原因になっていることは見当がつくが、はっきり言ってこの暴落は意外だった。なぜなら今日の上げに期待して、昨日一昨日とBIDUを...

Wednesday September 14, 2005

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子どもが太るのはマクドナルドの責任?

ノースウエスト航空の整備士がストに入ってから、約3週間が経った。会社側も今日から、新規従業員を雇って、スト中の整備士を入れ替える方針だ。これで整備士たちは完全に職を失う可能性が出てきたが、AP通信によれば、今のところ職場に戻ったのは、たった5人だけだという。 話し合いが駄目なら、人々はストのような強硬策を使って、相手側に自分たちの要求を呑ませようとする。ガソリン高がアメリカの消費者を悩ませているが、こんなメールがMSNBCに宛てられていた。 国民一同でガソリンのボイコットをするのはどうでしょうか?ある程度の期間ボイコットすれば、オイル会社はガソリンを値下げするしかないと思います。(カリフォルニア在住、マーク) この質問に回答したのは、シニア・プロデューサーのジョン・ショーエン氏だ。「短期間のボイコットでは、ガソリン価格に長期的な...

Tuesday September 13, 2005

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水は水、コマーシャルの威力

蛇口をひねれば水はタダで飲める。しかし、わざわざ金を出してボトル入りの水を買う人が圧倒的に多くなった。以前はぺリエしか名前が浮かんでこなかったが、今日コンビニでは、少なくともアクアフィナ、ダサニ、クリスタルガイザー、エビアンなどのボトル入りの水が売られている。 ABCニュースの質問に、高校生くらいと思われる女生徒は、こう答えた。「いつもダサニを飲んでいます。とても自然な味がしておいしいです。水道の水ですか?飲みません。下水のような匂いがしますから。」ある中年の男性は、少し照れたように、こんな返答をした。「私は家で水道の水を飲んでいますが、家族の者たちはだれも水道の水を飲みません。水道の水は汚染されているから危険だと言うのです。」 本当に水道の水は人体に悪いのだろうか。早速ABCニュースは調査に乗り出した。対象になったのは、アメリカで人気のボトル入り水5種類と、ニュ...

Monday September 12, 2005

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グーグルの弱点?

ユナイテッド航空が、会社更生手続きの申請をしたのは2002年の終わり頃だった。毎日2千万ドルの赤字を出しながら飛んでいたというから、連邦破産法第11章に基いて、会社の再生手続きをするのは当然な結果だったわけだ。そして先週水曜、最高経営責任者は記者会見で、こんな発表をした。「ユナイテッド航空は2月1日までに、現在の破産保護状態から抜け出せると思う。そして2006年中には利益が出せるはずだ。」力強い言葉なのだが、一つ問題がある。この見通しは、1バレル50ドルのオイル価格が基準になっている。オイルは今、65ドル近辺で取り引きされているのだが、、、、、 オイル高原因の一つとなったハリケーン・カトリーナだが、被害者救済を名目に詐欺師たちが大活躍している。FBIの調べによれば、現在約2300のハリケーン災害救援ホームページがあり、そのほとんどは偽物だという。家を失った人々を利用して、...

Saturday September 10, 2005

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サド?マゾ?あなたの上司はどのタイプ

こんな会社辞めてやる!サラリーマンなら一度は考えることだ。仕事がつまらないから、そんなことを言うわけではない。問題は職場での人間関係、特に上司とうまくいかないのだ。そんな悩みを持つ方々に、フォーブス誌は上司のタイプ別による対処方法を紹介している。 1、マキアベリ的な上司:目的のためには手段を選ばない、策略にたけたタイプだ。会社のトップを目指して、冷酷に部下を道具あつかいする。よく「君に対して反感はないが」の前置きで、部下に対して平気で屈辱的なことを言う。 対処方法:最も危険なタイプだけに、常に慎重な行動が要求される。他の課への移動も考えよう。 2、サド的な上司:部下が泣いたり、喚いたり、そして歯ぎしりをして口惜しがる姿を見て喜びを感じる、心の曲がったタイプ。厳しく部下を注意し、がっくりと肩を落として机に戻る部下の姿は、この上ない光景だ。 ...

Friday September 9, 2005

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45億円の報酬、しかし実績はゼロ

アメリカは実力主義社会だと思っていたが、こんな数字をつきつけられると、少し考えてしまう。先ず下の月足チャートを見てほしい。 低迷というよりも、正に株主の悪夢だ。シエナ社のチャートだが、ここ4年間で90%も下げている。余談になるが、これで下がったところで買い足す、難平買いの怖さが分かっていただけると思う。 もしあなたがこのシエナ社の大株主だったら、必要な票を集めて、株主総会で最高経営責任者(CEO)を辞めさせるのではないだろうか。株主に利益を分けることができないようでは、経営者として失格だ。しかしシエナは、最高経営責任者のギャリー・スミス氏を首にするどころか、逆に過去4年間で4120万ドル(約45億円)の報酬を支払っている。 こんな例はシエナ社だけではない。サンミナ社の株は最近4年間で78%の価値を失ったが、最高経営責任者、ジューラ・ソーラ氏には2...

Thursday September 8, 2005

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トレードコーチが教える投資成功法

練習試合ではガンガンと長打を飛ばすが、本番になると全く打てなくなってしまう選手がいる。既にそれなりの技術はマスターしているが、精神面の弱さが成功への道を阻んでいるわけだ。株や先物指数のトレーダーにも、同様な症状に悩む人たちが多い。ペーパートレード(実際の資金を使わない売買練習)の時は素晴らしい成績を上げるが、実トレードに移ると正反対なことをしてしまう。損が重なり資金が減ると、どうしても自信喪失となる。 アリ・キエフという有名なトレードコーチがいる。氏はプロスポーツ選手の精神面コーチとしての経験を生かして、現在はヘッジファンドマネージャーや、証券会社のトレーダーたちをコーチしている。特にSACキャピタル社はキエフ氏の指導の結果、2500万ドルの資金を5億ドルに増大させた。さっそく氏の話を聞いてみよう。 「成功しているプロスポーツ選手とトレーダーには、いくつかの共通点...

Wednesday September 7, 2005

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今アメリカに求められる真のリーダー

ポール・アカード氏(36才)、ニューオーリンズ市警官、がピストル自殺した。全く冗談の通じない、超真面目警察官だったらしいが、ハリケーン・カトリーナの犠牲者になってしまった。市民を安全な場所へ誘導するだけでなく、次々に起こる商店の略奪で、警官たちの労働時間は一日20時間近い日々が続いている。 アカード氏もハリケーンで家を失った一人だが、「まるで何年も寝ていない病人のようでした」、とマーロン・デフィロ警部は言う。愚痴をこぼしても始まらない、とにかく今は出来る限りのことをするだけだ。必ず明るい日がまたやって来るさ、と警部はアカード氏をなぐさめたようだが、ハリケーンの傷はあまりにも深過ぎた。 一人一人の力も大切だが、大災害から立ち直るには強いリーダーが必要だ。コラムニストのペギー・ヌーナン女史は、こんなことを述べている。「ルーディー・ジュリアーニ氏(ニューヨークを襲ったテ...

Tuesday September 6, 2005

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強かったセクター、嫌われたセクター

夏休み最後の連休が終わり、明日から本格的な秋の相場が始まる。今日もハリケーン・カトリーナの被害が中心に報道されているが、簡単に先週のマーケットの様子を復習してみよう。 買われたセクター 1、ユティリティ(電気ガス)指数 2、日本指数 3、ヘルスケア指数 4、オイル指数 5、エネルギー指数 売られたセクター 1、ケミカル(化学)指数 2、航空会社指数 3、保険指数 4、銀行指数 5、ディスクドライブ指数 今週注目される経済指数 9月6日 ISMサービス業指数 ...

Monday September 5, 2005

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ハリケーンで注目を浴びるカナダ

ハリケーン・カトリーナと言うと、直ぐに高騰するガソリンに話が行ってしまうが、意外に話題にならないのが被害を受けたルイジアナの港だ。この規模はニューヨークやロサンゼルスの港を上回り、全米ナンバー1の貿易港というタイトルを持っている。全世界を見渡すと、ルイジアナは香港、上海、ロッテルダム、そしてシンガポールに次いで大きな貿易港だ。 約15%の米国輸出品は南ルイジアナ港を通るわけだが、中西部で生産されるトウモロコシ、大豆、麦などの農産物のほとんどはルイジアナ港に集まる。いつ正常に港が操業できるか分からないが、こんな状況がいくつかの投資チャンスを生み出した。 全米一の港に起きた災難で恩恵を受けるのはどこか。ここで俄然と注目を浴びたのがカナダだ。オイル、材木の輸出で知られるカナダだが、先ず下の日足チャートを見てほしい。 カナダ・インデックスファンド(EWC...

Saturday September 3, 2005

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連休のアメリカ、しかし半数は職場へ向かう

アメリカの失業率が4.9%に下がった。ここ4年間で最低の水準と報道されていたが、そんなことを聞くと、アメリカ経済は絶好調のように思えてしまう。そこで、もう少し詳しく4.9%の内容を見てみよう。先ず性別の失業率だが、男性は4.3%、女性は4.4%だ。人種別なら、白人は4.2%、黒人9.6%、そしてヒスパニック系は5.8%になる。最悪なのは10代の若者たちだ。なんと16.5%を記録している。 今回発表された失業率には、まだハリケーン・カトリーナの影響が含まれていない。エコノミストやアナリストに言われなくとも、報道される映像を見れば、多数の人たちが職を失ったことが分かる。あそこまで建物が破壊されてしまったのだから、一週間や二週間で職場に復帰するのは無理だ。ジョージア州立大学のラジーブ・ダーワン氏は、「ニューオーリンズは前例のない経済的ダメージを受けました。人々が実際に仕事に戻る...

Friday September 2, 2005

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眠る巨大睡眠薬マーケット

8時間は要らない。せめて6時間、いや5時間でもいいから毎晩ぐっすりと寝てみたい。バロンズ誌によれば、アメリカには6千万人の不眠症に悩む人たちがいる。およそ三分の一が医師に診てもらっているが、実際に処方せんが出ているのは、そのうちの半分だ。 「不眠症治療の処方薬マーケットには大きな可能性があります。正に眠れる巨人です」、と経済記者のヨアンナ・ベネット氏は言う。ベビーブーム世代の人たちが、次々と不眠症に苦しむ年齢に達し、処方薬の需要は2010年までに倍以上になる可能性が高い。証券アナリストのディーパック・カンナ氏も、「現在20億ドルほどの不眠症処方薬マーケットですが、向こう3、4年間で40億ドルに届くと思われます。安全そして効果的な新薬が開発されるなら、その製薬会社は大きく成長することでしょう」、と述べている。 不眠症患者には睡眠薬が処方せんとして出されるが、睡眠薬の...

Thursday September 1, 2005

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不景気に陥る可能性は20%

堤防が崩れ、ニューオーリンズ市は大洪水となってしまった。まるで沈んで行く船のようだが、州知事は全住民に対して、ニューオーリンズからの立ち退きを命じた。人口48万におよぶ市民の80%は、既に週末、市を去ったが、まだスーパードームなどの200カ所に6万人以上が避難している。特に2万人を保護するスーパードームでは停電に続いて水洗トイレが故障し、人々の不満が高まっている。 一般的にハリケーンなどの自然現象が引き起こす被害は短期的なものだが、今回のカトリーナは例外のようだ。既にメキシコ湾にある92%のオイル掘削がストップし、いつ正常な操業を開始できるかの見通しがついていない。シェブロン社の話によれば、海底石油掘削装置のダメージを把握するだけでも今週末までかかってしまうらしい。 もちろん、ストップしたのは石油掘削だけではない。10%の製油所も停止してしまった。1ガロン(3.7...

 

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