日記の先にあるもの

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ものを書く、あるいは「書かなければならない」ケースは、私たちが想像する以上に、そのへんにゴロゴロ転がっています。

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そしてあなたが書いたモノは、あなたのことを雄弁に物語るのです。

    

人は生まれた時から、書くことと密接にかかわっています。

    

たとえば、学校へ入試から始まり、入社試験や、カイシャがらみの報告書に至るまで「小論文」的なモノを書かなくてはならない機会は、ますます増えてきています。

オフィスではペーパーレスへ向かう、などという話を聞くことがありますが、それは電子的に保存される方向へ転換するだけであり、こうした「文書」の需要は増えることはあっても、減ることはないのです。

  

なぜでしょう。

   

「書いたもの」というのは人がヒトを判断するときには、学科試験以上に、その人について知ることができる手がかりになるからです。

お金が絡む仕事という組織に何らかの形でさらに深く関与しようとする時には、「話すことができればいい」レベルだけでは不十分なのです。

 

実社会でここぞという時には必ず「話し言葉ではなく書き言葉」が選択されるのは、紙あるいは電子的に記録として残す必要があるからです。

このように、話し言葉ではなく、書き言葉で表現することは、学校をはじめとして社会で、ますます必要不可欠なものとなっています。

 

 
特に社会に出てからは、どんなテーマでも書くことができる能力があれば、様々な場面で有利に事を運ぶことができます。

学校では、暗記力があれば何とかなっても、学校を出たあとの社会では、「書く力」がないと特に経済的な面から、不利な状況に置かれる可能性が高くなります。

   

学校での短い論文では読書感想文や作文や日記と異なり、あるテーマについての判定を書かなければならないので、 根拠、体験、およびそれらを結びつける論理性を組み合わせた説得力が要求されます。

ただ実社会での報告書などと違うのは、そのまま仕事に使える、などという条件がないという点です。

  

さらに日記の場合は、基本的に記録するだけのものですから、一定の学力さえあれば誰でも書ける のですが、ただ多くの人に読んでもらおうとすると、少しばかりの工夫が必要になります。

ですから、「自分には文章力がどうもないなあ」という場合「日記」から始めるというのは、ハードルが低く、最も挫折しにくい、最高のスタートラインとなるのです。

  

日記の先には「書く」ということに繋がる大きな可能性を秘めた、広大な原野が広がっているのです。

 

では具体的にどうすればいいのか?

 

◆まず「書きたいテーマでありふれた日記というのはどのようなものなのか」を見極めること。

書きたいテーマを決めるとき、グーグルなどを使ってそのキーワードで検索することができます。

ですから、そのテーマで書かれた平均的なレベルというものがどれくらいなのかをチェックしたうえで、まずは常識的にありふれた日記でかまいませんから書いてください。

いわゆる土台となるものですから、そのつもりで書きます。
 

 

◆次のステップでは、ある程度の個性を示すにはどうすればいいのかを考える。

紙の出版物に掲載する場合、ここが最も大事で、勝負をするための武器となりえる部分です。

あなたが読む人に知ってもらいたい、または共有したいと考える自己体験や見聞を「導入部分」や「根拠」として付け加えてください。

どちらかといえば「見聞」より「体験」の方が、強く印象付けるための素材として優れていることも覚えておくといいでしょう。

 

  

◆自分が書きたいことや、どのように書くのかという点から考えるのではなく、読む人が「この日記のレベルならまた読みたい」と思うかどうか を常に意識しながら書く。

これは、「アクセス数」を増やしたいのなら、非常に大事な点となります。

 

あまりにも、どこにでもあるような、当たり前のことだけしか書いていなければ「また読みたい」とは思わないでしょうし、根拠もないままに突飛なこと が書かれていたのでは「はあ?」ということになってしまいます。

紙の出版物に掲載する場合は、編集者がこうした点をチェックしてくれますが、日記の場合は自分でやらなければなりません。

 

 

下書きとシステム化

  

  

日記も含めた書くという行為では、個性をどう表現するかということが、とても大事な点になるのですが、そのためには普段から見聞や体験したことをメモとして、どこかへストックしておきます。

いわゆる下書きです。

  

テーマに応じて、こうしたストックの中から、そのテーマに最もふさわしいと思われる体験を1つか2つを選び、文章に「埋め込む」のです。

これがあることで日記自体が「当たり前すぎて平凡な結論」でも「かなり突飛で驚いてしまう結論」でも、それなりに見えてしまうという効果が生まれます。

   

つまりあなたが実際に体験したリアルさが、平凡さや突拍子な不自然さをカバーするだけにとどまらず、さらにはそれが逆に輝いて見えるような働きさえしてくれるのです。

  

このようなシステム的な書き方によって、コンスタントに一定水準の面白さを維持させることが可能になります。

ルールどおりに順序だてて進めることで、淡々とそしてコンスタントに書けるようになるのです。

  

その結論やエンディングが素晴らしいものでなくても全くかまいません。

最初からそうしたことを望んでいたら、何も書けなくなってしまいます。

 

大事なことは、コンスタントに、同じ分量のものを毎日書くことなのです。

最初はレベルが低くてもかまいません。

  

ここがスタートライン。

  

できることから、やることです。

無理をすると続きませんからね。

   

何事も「継続はチカラなり」なのです。

  

   

出典

 

2005年8月8日

 

 

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この記事について

このページは、hatchが2016年4月25日 22:00に書いた記事です。

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