DS5試乗記

| コメント(0)

ゴルフ試乗記新型プリウス試乗記 を先にアップしたため、出遅れてしまった試乗記ですが、ようやくアップです。

0205DS5-20.jpg

上記の試乗記を読めば、よりDS5の立ち位置が分かりやすくなるはず。

 

 

写真は 代車はDS5 でご覧あれ。

   

エンジン

  

DS5の一番の魅力は、何と言っても搭載されているエンジン。

PSA・BMWが共同開発した1.6リッター直噴ターボ。

最高出力156ps、最大トルク240Nm (24.5kgm)。

 

以前借りたC5も同じエンジンだったが、結構よく走った。

だが軽いDSの場合、さらに痛快だ。

 

C5はセダンで1620kg、ツアラーでは1680kg、対するDS5は1550kg。

C5ツアラーより130kg、つまり大人二人分軽いため、相対的に、よりパワフルに感じるのは当然だろう。

 

アイシンAW製の6ATトランスミッションはスムース。

もちろんエンジンとのマッチングも良いので、ここは全く問題なし。

      

ただし、アイドリング時は4気筒特有の振動を感じる。

車外では明確に4気筒であることがわかるレベル。

  

ここは、C6のスムースな V6エンジンに慣れていると、気になる部分となる。

だが回すと、そうしたことはすっかり忘れさせてくれる。

加速感と独特のトルクの盛り上がり方で、ついアクセルを踏みたくなる車だ。

 

このようにサウンドとフィーリングは、かなりよい感じだ。

エンジンの開発は、プジョー・シトロエングループとBMWとの共作で、「さすがBMW」といいたくなる回り方だ。

    

なお、アイドリングストップなどは付いていない。

     

 

0205DS5-03.jpg

 

 

ハンドリング

 

電子制御ステアリングは、かなりクセがあって、味付けの具合はハッキリ分かるタイプ。

なので対処はしやすい。

 

直進状態では、左右に壁があって、フラつかないようになっている。

そしてコーナーを旋回中の保舵力が強いため、しっかりとホールドしなければならない。

  

旋回中に必要となるアシスト力の変化も、あまりリニアではないのだが、慣れればそれほど苦にはならない。

要領が分かれば、このクセもまた楽しからずや。(笑)

 

着座すると、タイトなコクピットと相まって、戦闘機を操縦するかのようなインテリアのこの車では、かえってスパイスとして作用するのだった。

     

ただ、使っていると気になるのが、日差しが強いと、ダッシュの反射が映り込み、前がかなり見にくくなるという点だ。

ウィンドウシールドが、かなり寝ているために起こるわけだが・・

   

ダッシュボード反射撲滅作戦のようにダッシュボードの上に黒い植毛紙を貼りたくなってしまう。

だがダッシュボードの形状から言えば、かなり見栄えが悪くなるはず。

    

 

あたかも戦闘機  

      

運転席からの眺めは、結構な包まれ感(閉所感?)がある独特のもの。

C6の明るく広い感じとは、対極の車なので新鮮に感じた部分だ。

助手席を何度も体験したカミサンは「なんだか戦闘機みたい」と言ってたが言い得て妙。

   

車両価格400万円プラス45万円で選択できる「クラブレザーシート」はとてもお洒落。

シートはバイエルン産の雄牛革を使用しているという。  

背面や座面は、腕時計のベルトのような「ウォッチストラップ」風で、ランバーサポート部がゆっくり伸縮するマッサージ機能もついている。

     

座り心地は快適。

どちらかというと堅めなので、座ったときはそれほど感激するわけではないだが、長時間の運転でも疲れないのはさすが。

ホールドの良さとあいまって、さすがフランス車と言いたくなるシートだ。

    

0205DS5-24.jpg

 

DS5のコクピットはホント戦闘機の操縦席に座っているような感じだ。

とはいっても、本物の戦闘機のコクピットに座った事はないのだけれど・・

  

この戦闘機の操縦席に座っているかのような、着座感覚というか運転席からの眺めが、様々な面で影響する車だ。

子供っぽいチープさとは無縁のお洒落なインテリアとあいまって、この点はかなり功を奏しているといっていいだろう。

何故なら、こうしたセンスが加わることで、唯一無二の、独特の魅力となっているからだ。

    

早朝にガレージから車を出して、アタマをかがめながら乗り込むと「さあ、これから出撃だ!」という気分になるのが不思議。

こうした「インテリアが醸し出すワクワク感のある車」というのは、そうそうあるものではない。

希有な存在と言ってもいいだろう。

      

ゴルフもプリウスも、こうした視点から言うと、面白くも何ともないインテリアだ。

機能第一という方向へ振られた室内は、どちらかというと無機質というか、ビジネスライク。 

  

ただ、DS5は乗車時は開口部の頭の部分が低いので、165センチの筆者でも、かがまないと、アタマをぶつけることになるのだ。

さらにシートの左右座面が少し盛り上がっているので、下りるときにちょっと邪魔。

    

一旦シートへ収まってしまえばいいが、乗り降りはやりにくい車だ。

なので年寄りは、乗りたくない車かもしれない。

  

  

乗り心地

  

DS5の最大の欠点はその乗り味だ。

 

サスは結構固め。

なので、コーナリング時のロール感はあまり感じない。

 

だが低速高速にかかわらず、巡航・旋回時・ブレーキング時に至るまで、フラットではない乗り心地にはガッカリだ。

C6から乗り換えるときに、2つのSEVはDS5にもセットしてあるのだが、こうした点には効果なし。

 

さらなる問題は路面からのデコボコがシャーシに反響し、低周波の入り交じった、音と相まって厭な突き上げとして感じるのだ。

これはゴルフでもプリウスでも、多少は感じる点だ。

 

だがDS5では、乗るたびに「これさえなければなあ・・」と感じる、大きなネガとなってしまっている。

  

翌日、空気圧を少し下げることで、路面のザラザラ感は消えたのだが・・

        

この点においてC6は実に秀逸。

C6だけに乗っていると気がつかないと、今回の試乗で他の車のレベルを知ると、よりそういう気がする。

路面からのこうした振動のたぐいは一切遮断され、路面を舐めるように走るからね。

      

カミサンも「底が薄い感じがする」と言っていたが、まあ「戦闘機」と考えて、こうしたネガもトータルでの味として納得するしかないわけだが・・

実は木曜日の夜に、C6を預けて乗り換え、帰路についたのだが、100メートルも走らないうちに、こうした乗り味にゲンナリしていたのだった。

翌日に、代車を変えて貰おうと思ったほど。

 

実は月曜日に、DS5に商談が入っているという連絡があり、ディーラーでDS5から別の代車に乗り換えたのだった。

正直いうと「ほっと」した。(笑)

担当のN氏にこの点を話すと、新しいDS5はサスの形状が変わるので、期待できるかも知れないとのこと。

 

ブレーキのサーボは強め。

ペダルを踏んでいるとサーボが、だんだん強くなってくるタイプ。

なので、チカラをだんだん抜いて踏まないとスムースには止まれないので、ここも改善して欲しい点だ。

  

     

まとめ

    

兎にも角にも、実にユニークな車だ。 

これだけお洒落なエクステリア、インテリアデザインなのに、街でほとんど見かけないのは何故か?

オレはここで指摘している乗り味が原因だ、と思っているが・・

     

新車だと400万円に+シート45万なので、乗り出しはなんだかんだで500万円弱。

戦闘機は高いなあ。(笑)

     

中古車を見ると、250万から350万ほどが28台。

ただモディファイのしようがない、大きなネガは、どうしようもないからなあ。

    

というオチとなったわけですが、実はディーラーが貸してくれた代車が、これまた、いい意味で凄かったのであります。

    

続く・・

  

 

コメントする

この記事について

このページは、hatchが2016年2月 9日 17:38に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「魅力ある文章の書き方」です。

次の記事は「Advanced Execution」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 6.3.11