アンチ糖質制限派

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日本では未だに、糖質制限食批判の記事や書籍が跋扈しています。
  
栄養学を学んでいるはずの人までもが、間違った知識を堂々と展開しています。
   
   
典型的な例を挙げておきましょう。
    
     
糖質制限ダイエットが失敗してしまう理由とは
  
糖質が分解された状態であるブドウ糖は脳の栄養素であるため、摂取量が足りないと脳のパフォーマンスが低下するという。ボーっとした感じが続くほか、集中力の低下や無気力になるケースもあるとのこと。体がエネルギー不足になると、栄養不足、筋肉の減少などにより、疲労感や脱力感、めまいなどの症状が現れるという。
  
というように、大嘘を伝聞形式で記述している。
 
糖質制限ダイエットは、リバウンドしてしまう可能性も高いという。主食の糖質を抜くストレスや空腹感により、必要以上に間食してしまったり、糖質以外なら何をどれだけ食べてもよいと勘違いし、カロリー過多になったりする人もいるとのこと。
 
そりゃあ、そういう人だっているでしょう。だから何だというのでしょうか・・
 
 
糖質制限は日本人には意味がない? 「人種差」からみた健康法の真実
 
③糖尿病予防やダイエットのために炭水化物(糖質)をひかえている。

じつは、すべて間違いです。正確に言うと欧米人には有効でも、日本人には効果が期待できません。

いつまでも健康で若々しくありたいと願う気持ちに国境はありませんが、欧米の健康法が日本人にも同じように効くとは限りません。
日本人と欧米人は体質が違うからです。
 
凄い主張だ!(笑)
  
   
一夜にしてひっくり返された糖質制限の万能説
 
結論的には、人が糖質制限マウスとまったく同じ食生活をすると、マウスと同様に短命で老化が早まる可能性が高そうだということです。
より厳密で詳しい話は栄養学や医学の専門家にお任せするとして、私から言えることがあるとすれば、「定説はいつの時代もひっくり返されることを理解しておく」ということでしょうか。
 
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表の意見だそうです。
 
 
 
米国糖尿病学会の糖質制限食に対する見解の経年的変化を見ると、日本は10年ほど遅れていることがわかります。
 
1)2007年までは、糖質制限食を否定。
  
この時点で、適切な三大栄養素比率は確立されていないことが明言されています。
 
  
2)2008年に、肥満を伴う糖尿病患者に1年間の期限つきで有効性を認めた。
3)2011年に、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限つきで有効性を認めた。
4)2013年10月、「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」を2008年以来5年ぶりに改訂。
 
そして「糖質130g/日が平均的な最小必要量」という文言を削除し、肥満の有無は関係なく、期限なしで、正式に糖質制限食を容認しました。
 
そして患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食, DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕を受容可能としました。
 
 
米国糖尿病学会は2008年以降、数々のエビデンスに基づき糖質制限を容認の方向に踏み出しています。

その後、5年間のエビデンスの蓄積(糖質制限食肯定も否定も含めて)を経て2013年に糖質制限食を正式容認。
 
 
米国糖尿病学会の見解は、個人の医師の見解や動物実験とは異なっています。
 
つまり多くのエビデンスに基づいているため、高い信頼度を持っています。
 
 
2型糖尿病に対する食事療法として、米国では今や糖質制限食は重要な位置を占めるようなってきています。
 
例えば、米国のデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)は、糖質制限食に関する臨床研究を積極的に行っています。デューク大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授は2013年10月のADA声明改訂委員の1人でもあります。
 
 
一般内科のEric C. Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長で、炭水化物20g/日未満をクリニックで実践しています。
 
このようにデューク大学では、高雄病院のスーパー糖質制限食よりさらに厳格なケトジェニックダイエットを糖尿病治療食の標準として実践しています。
   
ドクター江部の糖尿病徒然日記 参照
      
      
 
Why a low-carb diet may not be so good for you
 
ですが欧米でも、このように間違った記事はたくさんあります。
   
 
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