2003年11月 のCoolに過ごそう

ステイシー・ケント

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Stacey Kent (ステイシー・ケント)の新作、The Boy Next Door。

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イギリス出身の彼女は、クリント・イーストウッドの70才の誕生パーティーで唄うなど、今やアメリカでも話題にこと欠かない、世界的なジャズシンガーだ。

すでに5枚のベストセラーアルバムをリリースしている。

 

もちろん彼女のファンである私は5枚とも持っているが、彼女はジョニー・ソマーズにとても近い、キュートな歌声を生まれながらに持っている。

そういう意味でも、彼女はとても個性的な歌手だともいえるだろう。

アルバムタイトルになっている The Boy Next Door は、トニー・ベネットで有名な佳曲だが、このアルバムではフランク・シナトラ、デイブ・ブルーベック、ペリー・コモ、レイ・チャールズなど、彼女が敬愛する歌手の代表的な曲を取りあげている。

 

我々が馴染みのある曲を、彼女が唄ってくれるという趣向で、彼女のファンである私には、たまらないアルバムに仕上がっている。

 

 

The Best is Yet to Come では、ベースの軽快な4ビートに、ステイシーのあの声が響けば、彼女のファンならずとも、このアルバムをレジに運びたくなるはずだ。

4曲目は、ペリー・コモの名唱で知られる Say it Isn't So。

Say it isn't so, say it isn't so
Everyone is sayin' you don't love me
Say it isn't so !

Everywhere I go
Everyone I know
Whispers that you're growin' tired of me
Say it isn't so!

People say that you
Found somebody new
And it won't be long before you leave me
Say it isn't true !

Say that everything is still ok

That's all I want to know
And what they're sayin'
Say it isn't so !

. . . and it won't be long before you leave me
Say it isn't true !

Say that everything is still ok
That's all I want to know
And what they're sayin'
Say it isn't so !
  

彼女はフレーズの最後に伸ばすところのロングトーンの部分で、ビブラートが軽くかかるのだけれど、これがこの曲のスローな「間」と相まってとてもチャーミングだ。

JIM TOMLINSON のサックスのソロも秀逸。

バート・バカラックの What the World Needs Now はピアノ伴奏だけだが、彼女の微妙な表現を楽しむことができるし、8曲目にはキャロル・キングのあの名曲 You've got a Friend を取り上げている。

 

原曲の素朴さを生かした、淡々とした表現からは、彼女の先達の歌手たちへの想いが伝わってくるようだ。

デュークエリントンの I Got it Bad  では、しっとりと、それでいて情熱的に歌い上げている。

そうした彼女のひたむきさが、また魅力だ。

 

そういうわけで、すっかりこのアルバムに参っている。

 

 

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