Saturday August 13, 2005

US Market Recap

イラクに取られたデルの利益

ドイツ証券の推奨は買い、プルーデンシャル証券もオーバーウェイトと言葉は違うが、基本的には買い。同様にUBS証券、そしてバンクオブアメリカも買い推奨だ。これだけ大手が強気なら、この銘柄は上がるはず、と思ってしまっても当然なのだが、実際は開始ベル早々から売り物が殺到した。木曜の終値は39ドル58セント、今朝の寄り付きは36ドル56セントだから、一夜で7.7%の被害が出たわけだ。

こんな強烈な下げを見せたのは、全米ナンバー1のPCメーカー、デルだ。木曜夕方に発表された決算は、予想と一致する一株あたり38セントの収益だった。しかし、アナリストが注目していたのは一株収益よりも総収入の方だ。見込まれていたのは137億ドルなのだが、結果は134億ドルにとどまり、今期来期の売上見通しが暗くなってしまった。

記者会見の席上でケビン ロリンズ氏(最高経営責任者)は、次のように述べている。「デルはIBMのようなヨーロッパや日本での業績不振はなく、急騰の続くオイル価格も当社には悪影響を与えていない。売上の面では、ラップトップコンピュータが好調だ。二つ指摘すれば、イラク再建を優先させたため、政府はハイテク企業から、予定されていた新製品を買うことが不可能になってしまった。また当社が米国内で実施した値下げは、あまりにも積極的すぎたようだ。」さらにロリンズ氏は、141億ドルから145億ドルほどの総収入を第3四半期に見込み、これはアナリストの期待する146億ドルを下回っている。これだけ材料が揃っては、今朝の買い推奨など、投資者の耳に入らなかったわけだ。

さてここで、デルの月足チャートを見てみよう。

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今日一日だけなら大変な下げなのだが、長期的な立場で見れば、デルはなだらかな上昇チャンネルの中で推移している。ここで売る、というよりも、底辺近くでの反発を狙った方が面白そうだ。いくらなんでも月足は長すぎる、と言われるかもしれないが、ジックリと腰をすえて投資するなら、月足チャートは長期トレンドを読むのに欠かせない。

Stocks You Need To Know About

月足から日足

今度はデル(DELL)の日足を見てみよう。この大きなギャップ(窓)は、そう簡単に埋まらないと思うが、今日のローソク足は悪くない。まだ終了ベルまで30分以上あるが、こんな形で引けるなら、強気な金槌が出来上がる。月曜は反発を期待した、短期投資家たちが集まりそうだ。

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Wall Street English

給料無しの人生

Life without a paycheck

給料無しの人生、という上のような見出しにぶつかった。何の話かな、と思いながら次の行へ進むと、こう書いてある。

Declare your financial independence and learn how going out on your own can improve your life.

経済的独立を夢みてビジネスを始めることは、人生を向上させるらしい。古い言葉を使えば、脱サラの薦めだ。

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