US Market Recap

今年も残りわずか

サブプライム、金融危機、景気後退、パッとしない2008年でしたが、なんとか今年も終わろうとしています。


さて、USマーケット・ウォッチは、今日をもちまして終了となりました。皆様にご愛読していただいたこと、心より感謝いたします。

暇なときは、私のブログ「株の話、経済の話、何の話だろう?」に遊びに来てください。

こうして、今日まで馬渕さんと一緒に仕事ができたこと、とても嬉しく思っています。

どうぞ皆さん、良いクリスマス、年末をお迎えください。

 

鎌田 傳

誤解を招く経済記事

ウォールストリート・ジャーナルによると、週末に始まったクリスマス・セールは、予想以上に好調な滑り出しだったという。不景気が毎日のように報道されているが、米国消費者の家計は、それほど悪影響を受けていないのだろうか?


バリー・リットホルツ氏(ritholtz.com)は、こんなことを指摘している。

・ブラック・フライデイ(クリスマス・セールの始まる金曜は、ブラック・フライデイと呼ばれている)の売上高は、小売業界に友好的な団体によって用意されるため、実際の売上高より多めに報告される傾向がある。(注: 報告される数値は、売上高を合計したものでなく、単に意見調査をまとめただけ。)

・上の事実を知らないジャーナリストは、間違った報道をしてしまう。

ウォールストリート・ジャーナルの記事に関して、リットホルツ氏は、こう述べている。

週末の売上は予想以上に良かった、と報道されているが、これは3370人の買い物客に対して行われた、全国小売連盟による意見調査だ。この調査によれば、週末の買い物平均額は372ドル57セントにおよび、去年の同時期を7.2%上回った。

問題は3つある。

1、全国小売連盟は、小売業界の応援団的存在であり、偏見の無いデータを期待することはできない。

2、クリスマス・ショッピングに、どれくらいの金額を使う予定ですか、と聞かれても、正確に予想できる消費者は少ない。更に、意見調査の質問も、小売業者に都合の良い回答が得られるように作られている。

3、記事のヘッドラインと、本文が矛盾している。

リットホルツ氏は、こんなことも付け加えている。

他紙、例えばニューヨーク・タイムズは、 全国小売連盟が合計した週末の小売売上高という表現を使っているが、これも適切な報道ではない。繰り返しになるが、全国小売連盟が発表したのは意見調査結果であって、実際の売上高を総計したものではない。

ということで、全米不動産協会からのデータには気をつけなければいけないように、全国小売連盟からの発表にも注意が必要だ。

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(参考にしたサイト: http://www.ritholtz.com/blog/2008/12/spinning-black-friday-retail-sales/

最近アメリカで増えている詐欺9例

1、金融危機を利用したもの: 一見すると、まるで政府からのEメールといった手段を使って、消費者から社会保障カードなどの個人情報を盗む。


2、銀行破たんを利用したもの: 連邦預金保険会社(FDIC)の名前を使って、「あなたの銀行は危ない」、というメールを送る。もし、心配する消費者から返答があった場合は、デタラメな解決方法を説明し、申込み用紙に必要な情報を記入させて個人情報を盗む。

3、住宅ローンを利用したもの: 月々の住宅ローン支払いに困っている人を狙って、「私がローンを払ってあげましょう」、と話を持ちかける。条件は、不動産の譲渡証書に署名して家を出ること。もちろん、最初から家を取り上げるのが目的だから、詐欺師が住宅ローンを払うことはない。自己破産で信用度を傷つけたくない、という消費者心理を狙った犯罪だ。

4、住宅ローンを利用したもの  その2: これも月々の支払いに困っている人たちが狙われる。「私が銀行と交渉して、月々の支払額を、もっと低くしてあげましょう」と話を持ちかけ、法外な交渉料金を請求する。

5、クレジット・カードを利用したもの: 金融危機で、信用度の低い人たちは、クレジット・カードを入手するのが難しくなっている。こんな人たちを狙って、信用度に関係なく、誰でもクレジット・カードが手に入る、という宣伝を使って数十ドルから数百ドルの申込み金を騙し取る。

6、信用度を利用したもの: 信用報告書に載せられた、悪いレポートを削除します、という文句を使って、信用度の低い人たちから法外な申込み料金を取る。事実は、いったん載せられてしまったレポートは、そう簡単な手段で削除することはできない。

7、自宅ビジネスを利用したもの: 労働市場が不安定な今日、多くの消費者は生活レベルを維持するために、副収入が必要になっている。そんな人たちにとって、コンピュータがあれば誰でもできる、自宅でのビジネスは最高だ。ほとんどの場合、49ドルから99ドルほどの入会金を払うことになるが、先ず月々の収入が得られることはない。

8、慈善事業を利用したもの: 赤十字、ユニセフと似たマークなどを使って、消費者から募金という名前で金を騙し取る。

9、偽小切手を利用したもの: あなた宛に、数百ドルから数千ドルの小切手が一枚届く。同封された手紙には、小切手に記された金額の3割はあなたのもの、そして残りの7割は下記に送金して欲しい、と書かれている。早速あなたは銀行へ行って、先ず自分の口座に小切手を入れ、そして指示された金額を送金する。

あなたに送られてきた小切手は、詐欺師が実際に存在する会社と口座番号を盗んだものだから、直ぐにはそれが偽物であったことは分からない。しかし、数日、数週間後に事実が判明し、あなたは指定された7割の金額を騙し取られたことに気がつく。

 

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(参考にしたサイト: http://www.walletpop.com/specials/10-new-scams-for-troubled-times

トレーダーは雇われ兵のようなもの

ガートマン・レターという、ヘッジファンドや金融機関のトレーダーたちに読まれているニュース・レターがある。株、国債、商品、為替に関する情報が4ページにまとめられ、これを読まなければ一日が始まらない、と言うトレーダーたちもいる。


執筆しているのはデニス・ガートマン氏。毎朝2時半に起きてニュースレターを書くというから、それなりの体力が無ければ続かない。

マーケットの情報以外にも、ガートマン氏は「22のトレード・ルール」というものを発表しているので、早速いくつか見てみよう。

・損が出ているポジションは処分すること。どんなことがあっても、買い足し、売り増しなどしないこと。

・トレーダーは雇われ兵のようなものだから、負けている側ではなく、勝っている方に付くこと。買いが不利なら、さっさと売りに転ずることだ。

・最も弱いものを売り、最も強いものを買え。

・負けポジションを長く保有することは心理面に悪影響となり、結果的に適切なトレード判断ができなくなってしまうことを覚えておこう。

・長期チャートに出来た反転パターンを軽視してはいけない。

・マーケットで成功するには、ファンダメンタリストのように考え、そしてテクニシャンのようにトレードすることだ。

・トレード方法はシンプルに。複雑な方法は、自分で自分を混乱させることになる。

・勝っているポジションとは気長に付き合え。負けポジションは直ぐに捨てろ。

・マーケットと言い争うな。

・強いものは買い足し、弱いものは更に売ること。

・やり難いと思うトレードを実行しろ。言い換えれば、大衆が疑問視するトレードを実行することだ。

・トレードには波がある。毎日コンスタントに儲けることは有り得ない。連勝している時は強気に、負けが続いている時は株数を減らすことだ。

・筋の通らない、馬鹿げたマーケットは予想以上に長く続くものだ。下手に逆らえば、あなたの口座残高など直ぐ無くなってしまう。

 

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(参考にしたサイト: http://www.dacharts.com/articles/_22rulestrading.htm

一株で何が買える?

さて感謝祭。食卓を飾る七面鳥には最悪の日だが、一家揃って食事をするのは楽しい。出かける前に、cnbc.comで見つけた、少し変わった株価に関する話題を簡単に紹介しよう。


一株で何が買える?(株価は先週金曜の終値)

左側が銘柄名、右側が、その株価で買えるもの。例えば、マイクロソフトは、先週金曜19ドル68セントで終了だから七面鳥を10ポンドほど買うことができる。

・マイクロソフト 19ドル68セント:   七面鳥10ポンド(約4530グラム) 19ドル90セント

・ハートフォード・ファイナンシャル 4ドル95セント:     アップル・パイ 4ドル99セント

・ゼネラル・モーターズ 3ドル6セント:   ヤム芋5ポンド(約2265グラム)  2ドル99セント

・AIG  1ドル60セント:   冷凍野菜1袋 1ドル49セント

・バークシャー・ハサウェイ 90000ドル:   ポルシェ911  87000ドル

・グーグル 262ドル43セント:   オリンパス10メガピクセル・カメラ  259ドル99セント

・エクソン 75ドル81セント:  NELフットボールのジャージ  80ドル   

・コーチ 14ドル74セント:  インディアナ・ジョーンズのDVD  14ドル99セント

・イーストマン・コダック  6ドル93セント:  100錠入りのエクセドリン(頭痛薬)  6ドル99セント

・サン・マイクロシステムズ 3ドル2セント: ギフト用包装紙 2ドル99セント

・フォード 1ドル43セント:  キャンディー棒  1ドル49セント

・Eトレード証券 90セント:   七面鳥の詰め物  99セント

 

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(参考にしたサイト: http://www.cnbc.com/id/27888369

 

      

大きすぎて分からない、それなら

可決された7000億ドルの金融安定化法案を含めると、米国経済を救うために必要な資金は、現時点で4兆6165億ドルにのぼる。円に換算すると、441,198,905,000,000円だ。


と言われても、こんな桁数では馬鹿でかい数字ということは分かっても、全く現実感が無い。そこで、ジム・ビアンコ氏(ビアンコ・リサーチ)は、こんなデータを発表した。

総費用/総支出 (注: 比較を可能にするために、金額はインフレ率が考慮されている。)

・マーシャル・プラン: 1153億ドル

・ルイジアナ購入(1803年にアメリカがルイジアナ州周辺の広大な土地をフランスから買い入れた歴史的事件): 2170億ドル

・月着陸に向けてのアポロ計画: 2370億ドル

・貯蓄貸付組合危機(1980年代): 合計救済資金は2560億ドル

・朝鮮戦争: 4540億ドル

・ニュー・ディール政策: 5000億ドル

・イラク戦争: 5970億ドル

・ベトナム戦争: 6980億ドル

・航空宇宙局(NASA)創立以来の合計予算: 8512億ドル

上記9項目合計: 3兆9200億ドル

最初に記したように、米国経済救済に必要な金は4兆6165億ドル。もちろん、この金額は少なめに見積もったものであり、ブルームバーグは7兆7000億ドルを超えることになる、と報道している。どちらにしても、前々から分かっていたことだが、これで米国は永久に財政赤字に悩まされることになる。

 

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(写真: washingtonpost.comから)

(参考にしたサイト: http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601109&sid=an3k2rZMNgDw&

http://www.ritholtz.com/blog/2008/11/big-bailouts-bigger-bucks/

不景気なのに儲けているのは誰?

景気後退が進み、消費者の足がショッピングセンターから遠のいている。クリスマスを控え、小売業者には頭が痛い話だが、こんな状況で盛況になったのが、「スリフト・ショップ」と呼ばれる中古品店だ。


スリフト・ショップにあるのはガラクタだけで、大した物は無い、と思っている人が多いが、実際に中を覗いてみると衣料品、家具、台所用品、と色々揃っている。それに、ショッピング・センターで売れなかった品物も有るから、中古品だけでなく新品も割安価格で手に入れることができる。

それでは、不景気の影響例を、もう少し見てみよう。

・アメリカを代表する大型オートバイ、ハーレーダビッドソンの売上が落ち、低価格な燃費の良いスクーターの売上が、ここ1年間で65.7%の大幅上昇となっている。

・スターバックスの利用客が減り、自分でコーヒー豆を買って自宅や職場で飲む人が増えている。スターバックスのコーヒーは一杯2ドル79セント。自分で作れば、値段はその十分の一以下だ。

・割高な有機食品が敬遠され、とにかく安い食品が選ばれるようになった。

・インターネット電話が普及したように、無料インターネット・テレビの人気が上がっている。ケーブルテレビ会社には嬉しくない話だ。

・金利の高いクレジットカードを使う代わりに、銀行口座から代金が即時に引き落とされる、デビットカードの利用者が増えている。

・4年制の大学に直ぐ入学しないで、授業料の安い短大を卒業してから、4年制の大学へ編入する学生が増えている。

・大幅下落の株式市場が原因になり、定期預金や普通預金が圧倒的に選ばれるようになった。

・不景気とは言っても、相変わらず高い住み込みベビーシッターは、若い夫婦に大きな負担となっている。という訳で、子どもの面倒見役として、引退した両親がいっそう頼られる今日この頃だ。 

・金を借りる方法として質屋が見直されている。

 

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質屋の店内 (写真: http://www.pawnplex.com/pawnshopinfo/index.html

(参考にしたサイト: http://www.walletpop.com/recession/whats-in-whats-out-in-recessionary-times

シティグループに追加救済資金、納得できない国民

木曜は感謝祭。帰省シーズンのようなものだから、たとえ不景気な世の中と言っても、やはり水曜の空港は混雑することだろう。チェックインの長い列を想像しただけでウンザリ、とう人もいるが、こんなニュースがある。


今年の秋、9月1日から11月17日を振り返ってみると、フライトの遅れが目だって減っている。2007年同時期、15分以上遅れて到着したフライト数は全体の21%、2006年は26%、そして今年この数値は17%に減少した。好結果となった大きな原因の一つは、各航空会社による、フライト便数削減が進んだためだ。(USA TODAYから)

さて、月曜一番の話題は、政府から更に200億ドルの救済資金を受け取ることになったシティグループだ。先ず、AOLマネーのオンライン意見調査結果から見てみよう。

質問: この追加救済資金のニュースで、あなたは安心してシティグループに、お金を預けることができるようになりますか?

回答:

・まだ安心できない  54%

・少し安心した  25%

・大きく安心した  16%

・最初からシティグループのことは心配していない  5%

総回答数 24131

ユナイテッド・オーバーシーズ銀行のテック・キン・スアン氏が指摘しているように、想像を超える悪影響を避けるために、米政府はシティグループを見捨てることはできない、というのが金融市場関係者を代表する声になるが、掲示板は政府に対する批判が多い。

・「20%近いクレジットカードの利子で大きく儲けていた銀行に追加救済資金?納得できない。」 JerryC09さん

・「これでウォール街の大手証券は、シティグループ株で一儲けすることができる。国民の税金が、こんなことに利用されてしまうのだから、まったく腹立たしい。」 DSlazikさん

・「ほとんどの金融機関が救済資金を受け取っているのに、政府はデトロイトの三大自動車メーカーを助けることに関しては、かなり消極的だ。自動車業界に従事する人など、どうなっても構わないというのだろうか?」 THOMASVA6さん

・「救済資金が必要な銀行は、これから、まだまだ出てくると思う。最終的には大幅な増税が実施され、消費者の生活は、いっそう苦しくなりそうだ。」 NNancieJeanさん

・「シティグループは米国金融システムに密着なつながりがあり、住宅ローンだけでなく、普通預金や定期預金などで、多くの米国消費者の金を取り扱っている。こんなシティグループを破綻させることは、米国の金融システムを大きく揺るがせる結果になり、政府がシティグループを救済するのは当然だと思う。しかし、三大自動車メーカーを倒産させても、アメリカの金融システムが大きな打撃を受けることはない。」 Plansmakerさん

・「財務長官は計画を変更して、もうこれ以上、不良資産を銀行から買い取ることを中止した。それなら、政府は自動車メーカーを助けるべきだ。」 INVENTOR707さん

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(参考にしたサイト: http://money.aol.com/news/articles/_a/bbdp/us-to-plow-another-20-billion-into-citi/258203

http://www.usatoday.com/money/industries/travel/2008-11-23-delays_N.htm?loc=interstitialskip

新政治を語るオバマ氏、しかし

NY株急反発、494ドル高 「ガイトナー財務長官」報道を好感

上は、金曜の買い材料を説明した、日経ネットからのヘッドラインだ。


オバマ次期政権がニューヨーク連銀のガイトナー総裁を財務長官に起用する方針との報道を受け、取引終了間際に買いが膨らんだ。

ニーナ・イートン氏(フォーチュン誌 ワシントン支局長)は、こう書いている。

新しい政治を唱えるオバマ氏だが、ガイトナー抜擢が示していることは、オバマ氏は革新的な政策を語っていても、実際には大きな変化を望んでいないということだ。

ガイトナー氏から得られることは、経験と継続であり、これらの要素は現財務長官ポールソン氏も持っている。しかし、47歳という若いガイトナー氏を起用することで、ワシントンに新風を送り込むことは可能だろう。と言っても、それは見せかけだけであり、ガイトナー氏はワシントンでは既にお馴染みの名前だ。

オバマ氏が当選した日、ダウ指数は9625で終了し、先週金曜の終値は8046だった。下落幅は1579ポイント、マイナス16%の低迷ぶりだ。イートン氏の言葉を借りれば、この大幅下落を作り出した原因の一つには、オバマ新政権が展開すると思われる革新的な政治に対する不信感がある。現に、ポールソン氏とさほど変わらないガイトナー氏の抜擢ニュースが買い材料の一つになったわけだから、マーケット関係者や投資家は明らかに大きな変革を望んでいない。

もちろん、言うまでもなく、世の中にはニュースを無視して株を売買する人もいる。テクニカル指標を見ていた人たちは、遅くとも木曜の時点で、金曜の反発を予測していた。要点だけ、もう一度説明しよう。

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上は、木曜のマーケット終了時点で、プット/コール・レシオにボリンジャーバンドを入れたものだ。

円内に注目してほしい。いったん外に飛び出た後、プット/コール・レシオがバンド内に戻っている。正に、反転シグナルが発せられたわけだ。(プット/コール・レシオは逆指標として有名)

掲示板に、こんな書き込みがあった。

「私の記憶が正しければ、ガイトナー氏は、ジム・ロジャーズ氏(著名投資家)が挙げた無能な役人の一人だ。」 MoneyTrailさん

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2008/11/22/news/economy/Obama_Geithner.fortune/?postversion=2008112212

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081122AT2M2200K22112008.html

http://www.marketwatch.com/news/story/Geithner-Clinton-Richardson-tapped-key/story.aspx?guid={A90BB8FF-2468-4E02-9FF8-BB33F554BF8A})

ミューチュアルファンド投資の失敗談

質問: S&P500指数を構成する500銘柄の中で、今年まったく下げていない銘柄は、11月20日のマーケット終了時点で、いくつあるでしょうか?


正解: 

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(資料:http://www.usatoday.com/money/markets/2008-11-20-bear-market-losses_N.htm

下げていない株は全部で13ある。最も好調なのは+34%のRohm and Haas、そして一番下が変わらず(unch.)のDR Pepper Snappleだ。

このリストを見て気がつくことは、不況に強いと信じられている、コカコーラ、ペプシコ・インク、マクドナルドなどの名前が入っていない。これが意味することは、安全な株に投資しているから大丈夫、と全く疑わなかった人たちは、口座残高を見て下げ幅の大きさに驚いていることだろう。

二日ほど前、Yさんからこんな話を聞いた。

大幅な株式市場の下落を見て、Yさんは二度に分けて、ハイテク株を中心に投資するミューチュアルファンドを先月買った。しかし、下げが止まらず、ものの2週間で8%を超える損となり、Yさんは怖くなってファンドを売却した。

すると翌日、ファンド会社から、こういうメールが来た。「ミューチュアルファンドは長期投資が目的であり、短期売買のために作られたものではない。Yさんのミューチュアルファンド保有期間は、規定された最低投資期間の90日に満たないため、今回の売却に1%の罰金が科される。」

もちろん、Yさんは電話で抗議したが、罰金に関してはファンドの説明書に明記されているということで、この罰金を免れることはできなかった。更に、電話をして分かったことは、Yさんは単に罰金を科されただけでなく、同じファンドを向こう45日間買うことはできない、という規制まで受けてしまったそうだ。

べつにYさんが投資したミューチュアルファンドが特殊だったわけではない。ほとんどのミューチュアルファンドには同様な規則があり、簡単に解約されてしまうことを防ごうとしているわけだ。

オンラインでミューチュアルファンドの説明書を読むことができるから、なぜ最低で60日間、90日間といった投資をする必要があるのかを調べてみた。Yさんが言っていたように、ミューチュアルファンドは長期投資が目的であり、トレード用に利用されるものではない。そして、ファンドを短期で売買する人が増えてしまうと、長期投資をしようと思っている人に迷惑がかかる、という理由が記されていた。

上場投信(ETF)を利用すれば、Yさんのような間違いを犯すことはない。ETFは株と全く同様に売買できるから、長期投資、デイトレード、と好きなように活用できる。それに、種類も豊富に揃っているから、半導体株専門ETF、製薬会社株専門ETF、といった形で投資することも可能だ。

ETFを調べるには、ヤフー・ファイナンスが役に立つ。(http://finance.yahoo.com/etf/browser/mkt

 

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