US Market Recap

内部関係者の動きを見てみよう

マーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)によると、こんなに悪い相場にもかかわらず、インサイダーたちは相変わらず強気だという。氏の話を要約してみよう。


会社の経営内容を、一番よく知っているのはインサイダーだ。必ず上がるという保証は無いが、内部情報に詳しい彼らが、自らの資金を使って、自社株を買っているという情報は興味深い。

月曜に受け取ったばかりのビッカーズ・ウィークリー・インサイダー・レポートによれば、インサイダーたちは1株の買いに対して、たったの1.3株しか売っていない。更に、ここ8週間の平均は1株の買いに対して1.69株の売りだから、インサイダーたちは強気だ。(注:通常この数値は、2対1から2.5対1の割合で売り株数が優勢になる。)

それでは7月の様子を見てみよう。ダウが安値をつけた週、比率は買い1株に対して1.38株の売りだった。そして、その時点における8週間平均は、1株の買いに対して1.63株の売りだった。言うまでもなく、これらの数値は現在の数値と同様に、強気なインサイダーを表している。

ここで強調したいのは、7月のようにインサイダーが強気だったのは、かなり前までさかのぼった、2000年から2002年のベアマーケットが終わりに近づいている頃だった。

インサイダーが強気でも、実際にこれがマーケットに反映されるには、約12カ月の時間がかかる。言い換えれば、今日の強気なインサイダーのデータが、マーケットの方向に現れるのは今から1年後になる。

このコラムの下は掲示板になっているのだが、批判的な書き込みが目立つ。2、3、見てみよう。

・「インサイダーたちは、良き時代は永遠に続く、という単なる妄想に取り付かれているだけだ。」 lax20cosさん

・「マイケル・ブラッシュ氏(金融コラムで有名)によれば、インサイダーはヘッジという手段を使って、持ち株を処分することができる。SEC(証券取引委員会)には、ヘッジとして登録されるだけだから、大衆にはインサイダーが売ったということは分からない。ということで、インサイダーの売買動向など信頼できない。」 F-T-Analysisさん

・「この混乱した今日のマーケットで、現在の下げを単なる下げと思っているインサイダーは何も分かっていない。」 bertoさん

・「インサイダーが強気でも、数カ月後に、いったい誰が株を買うのだろうか?とにかく、こんな経済状態だから、中産階級の人々には株を買う金など無い。」 sorbonneさん

 

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(情報源: http://www.marketwatch.com/news/story/markets-problems-havent-deterred-corporate/story.aspx?guid={30A6FC32-D37E-492D-8811-E634DF256A72}

ウォール街、一つの時代が終わった

時事通信から: 米証券最大手ゴールドマン・サックスと2位モルガン・スタンレーは21日、それぞれ米連邦準備制度理事会(FRB)に銀行持ち株会社への移行を申請し承認されたと発表した。リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)で証券会社への信用不安が高まる中、証券専業という経営形態に見切りを付け、総合金融サービスとしての生き残りを目指す。


明らかに、この報道が意味することは、数週間前まで存在していたウォール街の消滅だ。銀行持ち株会社に変身することで、両社はSEC(証券取引委員会)だけに監視されるのではなく、今後は他の政府機関からも取り締まりを受けることになる。

ニューヨーク・タイムズは、こう書いている。

これからのゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、市中銀行のような形で営業することになる。この結果、両社には、より多くの資本準備金が義務付けられ、以前のようなリスクの高い投資をすることができなくなる。

長年にわたり、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、ウォール街の憧れの的だった。外部からの制約を受けず、豊富な自社の資金を使い、高リスクな投資で膨大な利益を上げた。更に、企業の合併や買収、大企業の資産管理、とにかく両社の華やかな活躍は、いつも経済紙の一面を飾った。

しかし、金融ブーム時代に作られた難解な証券(一例は不動産担保証券)のおかげで、投資家は両社を信用することができなくなった。顧客たちは、相次いで口座から資金を引き出し、難解な証券の価格は暴落し、ついに証券業界を絶滅の危機に追いやる結果になった。

まだ議会を通過していないが、ブッシュ政権は、7000億ドルにのぼる金融機関救済案を発表した。これが承認されれば、金融機関が抱える多額の不良不動産担保証券を政府が買い上げることになるのだが、肝心な二つのことが明記されていない。

1、米政府は、一体いくらでこれらの不良不動産担保証券を買うのか?

2、具体的に、何月何日から買うのか?

7000億ドル、全く桁外れの膨大な金額だが、リットホルツ氏の掲示板にこんな書き込みがあった。

現在の時価総額を考慮すれば、7000億ドルもの金があれば、米政府は下記の金融機関を買収することができる。

・American Express
・Citi Group
・General Motors
・JP Morgan Chase
・Morgan Stanley
・Wachovia
・Goldman Sachs
・Bank of America
・Ambac
・Washington Mutual
・Wells Fargo

(情報源:http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008092200254&j1&m=rss

 http://www.reuters.com/article/businessNews/idUSN1945959820080922?feedType=RSS&feedName=businessNews&pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

http://www.nytimes.com/2008/09/22/business/22bank.html?_r=2&hp=&adxnnl=1&oref=slogin&adxnnlx=1222106699-VumILEU/elCljEYddfAm6A

http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/the-paulson-pla.html

 

市場のファンダメンタルズ、テクニカル要素を無視しただけ!?

イギリス、アメリカ、そして週末、もう一国がこのリストに仲間入りした。9月19日(金)、米国マーケット終了後、カナダ政府は10月3日まで金融株の空売り禁止を発表した。下記が対象になる13銘柄だ。


Aberdeen Asia-Pacific Income Investment Company Ltd. (FAP)、Bank of Montreal (BMO)、Bank of Nova Scotia (BNS)、Canadian Imperial Bank of Commerce (CM)、Fairfax Financial Holdings Ltd. (FFH)、Kingsway Financial Services Inc. (KFS)、Manulife Financial Corp. (MFC)、Quest Capital Corp. (QC)、Royal Bank of Canada (RY)、Sun Life Financial Inc. (SLF)、Thomas Weisel Partners Group Inc. (TWP)、Toronto-Dominion Bank (TD)、Merrill Lynch & Co, Canada Ltd. (MLC)

投資銀行業界で働くジョン・リー氏は、こんな感想を書いている。

次は、どの国が空売り反対運動に参加するのだろうか?全体的に見れば、空売りをする人たちは少数派であり、現在の金融危機を生み出した犯人ではない。空売りを禁止することは、世界の金融市場に大きな悪影響を与えることになるだろう。

空売りは、株式市場に欠かせない重要な流動性をマーケットに与える。特にベアマーケットの状況では、マーケットの一時的な底付近で、一斉に売り手たちが空売った株を買い戻すから、大衆に安心感を与える短期ラリーという現象が起きる。

下げ相場では、多くの投資家の持ち株に損が出ているから、更に株を買い足そうなどという気にはなれない。これでは買い手が不在になり、マーケットは下げる一方になってしまうが、空売りの買い戻しラリーが一直線の下げを防ぐ。

イギリス、アメリカ、カナダの空売り禁止令は、世界にどんなメッセージを送る結果になっただろうか?三国の行ったことは、市場のファンダメンタルズ、テクニカル要素を無視しただけでなく、自分たちの好き勝手にマーケットを操作しただけだ。

人気ブロガー、「トレーダー・マイク」が、こんなことを指摘している。

「さっそく、米証券取引委員会(SEC)によって、空売りが禁止された799の金融銘柄リストを見てみた。驚くことに、このリストには、金融株に投資する上場投信が含まれていなかった。」

ということは、金融上場投信の空売りは可能なのだろうか?ジョン・ガブリエル氏(モーニングスター)を引用しよう。

「政府は、金融株に投資している上場投信の空売りは禁止していない。だから投資家は、Financial Select Sector SPDR (XLF)、そしてUltra Financials ProShares (UYG)を空売ることができる。」

もちろん、金融上場投信も、空売り禁止リストに加えられるのは時間の問題かもしれない。

 

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(SEC)

 

(情報源: http://weeklyta.blogspot.com/2008/09/global-war-against-shorts.html

http://news.morningstar.com/articlenet/article.aspx?id=253823&pgid=rss

金融テロ、それとも救世主

米証券取引委員会(SEC)の緊急措置を、「狂気のピーク」、と表現した人がいた。昨夜(木曜)遅く、SECは799の金融銘柄空売り禁止令を発表し、禁止期間として定められた10日間は30日間に延長される可能性もある。


SECの決定を予測していた人は多かったと思う。具体的に言えば、昨日(木曜)午後1時にシグナルが出ていた。ニュースレターでも書いたことだが、その部分を抜粋してみよう。

下は、SPY(S&P500指数に連動する銘柄)の5分足チャートだ。

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マーケットは1時に底を打ち、1時5分に大陽線(A)を形成した。何が起きたのだろうか?三つのニュースがあった。

1、英国の金融取締り機関が、金融銘柄の空売り禁止を発表した。

2、ニューヨーク州検事総長事務局は、金融銘柄空売り禁止を実現させたい、という意見を発表した。

3、何社かの米国年金ファンドが、金融銘柄の貸し出しを止める、と発表した。

言うまでもなく、買い手が金融株に殺到した。下は、シティグループと、モルガンスタンレーの5分足チャートだが、見てのとおり、両銘柄とも1時に底を打って、反発ラリーを開始した。

空売り禁止は、米国が唱える自由市場に反する措置だけに、論争になっているのは皆さんにも簡単に想像がつくことだろう。何人かの声を聞いてみよう。

・「政府の金融市場への介入は不可欠だ。」 ブッシュ大統領

・「短期的な空売り禁止は、金融機関の回復に有効だと思う。この期間を利用して、各金融機関は、問題になっている不動産担保証券などを処分できると思う。」 アート・ホーガン氏(ジェフリーズ&カンパニー)

・「今回の措置は、政府がいかに無能であるかが示されている。既に、ファニーメイ、フェレディマックと救済を続けてきただけに、空売り禁止発表のタイミングは政治的意図があったことが丸見えだ。金融テロリズムだ。」 バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)

・「空売りは、言論の自由の象徴だ。」 crossingwallstreet.com

・「1年前、SECは空売りをしやすいように、アップティックルールを廃止した。そして今日、都合が悪くなったから空売りの禁止だ。これがアメリカだろうか?まるで独裁政権のようだ。」 ケビン・フィーハン氏(証券取引所のスペシャリスト歴任)

・「アメリカは自由市場のルールを曲げた。」 デービッド・リンチ氏(USA Today)

とここまで書いてきたら、デービッド・ワイドナー氏のコラム(7月31日)を思い出した。たしか、タイトルは「損切り売り禁止令」だったような気がする。要旨はこうだ。

「証券取引委は、空売りの規制だけでなく、持ち株を買った値段より安く売ることを禁止するべきだ。これを実施すれば、株で損をする人がいなくなり、全ての投資家が利益を上げることが可能になる。」

もちろん風刺コラムだから、本人は半分冗談のつもりで書いたことだろう。しかし、今回の決定を見る限り、政府は金融市場保護の名目で、何をやっても不思議ではない。

現に、ブルームバーグはこんな報道をしている。

「米証券取引委員会は、各ヘッジファンドに空売りポジション報告の義務付け、そしてトレード記録を召喚することを計画している。」

この一文を読んだ人気トレーダーが、こう語っている。

「まるで魔女狩りだ、、、、」

 

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http://www.nwt-jp.com/sec1/index.shtml

 

(情報源: http://www.usatoday.com/money/perfi/funds/2008-09-19-treasury-insure-money-market-funds_N.htm

http://money.cnn.com/2008/09/19/markets/markets_newyork2/index.htm?postversion=2008091910

http://www.tradingwithtk.com/2008/09/goverment-tilts-game-in-their-favor.html

http://www.crossingwallstreet.com/archives/2008/09/sec_plans_to_te.html

http://www.usatoday.com/money/economy/2008-09-18-free-market-bailout_N.htm

http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/terror-attack-o.html

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=a38SHbVm3Ox0

リーマンは、犬の尻尾を引っ張る子どものようなものだった

破綻したリーマン・ブラザーズ。誰か買収して、と頼み込んでバンク・オブ・アメリカに吸収されたメリルリンチ。政府が救済するしかなかった保険最大手のAIG。次は誰の番だろうか?


と書いたら、リットホルツ氏の説明を思い出した。引用しよう。

・なぜ政府は、リーマン・ブラザーズを救わなかったのか?

「リーマンは、犬の尻尾を引っ張る子どものようなものだった。誰が見ても、犬に噛まれるのは時間の問題だった。どちらにしても、噛まれるのはリーマンだけだから、政府はリーマンを放っておいたのさ。」

・政府は、なぜベアー・スターンズを助けたのか?

「ベアーは、マッチで遊ぶことが好きな子どもだった。放っておいたら、ベアーの家だけでなく、隣近所も火事になる可能性がある。だから政府は、隣の人たちを守るためにベアーを救ったのさ。」

・政府は、なぜAIGを救ったのか?

「AIGは、バイオテクノロジー兵器の実験室に迷い込んだ子どものようなものだった。見るもの全てが、とても珍しかったから、AIGはラベルの付いていない瓶をたくさんポケットにつめて、公園に行ってしまった。だから、どうしても政府はAIGを救うしかなかったのさ。」

とにかく混乱する金融市場、とうぜん米国市民は悪影響/好影響を受けている。いくつか例を挙げてみよう。

1、最も直接的な被害は、株式市場のスランプで、株やミューチュアルファンドで損を出した。

2、株の低迷で国債に資金が流れ、保有している国債の値段が上がった。

3、金融危機のお陰で、住宅市場の回復が大幅に遅れそう。

4、大手証券リーマンブラザーズの倒産で、お客さんたちの口座はどうなったのだろう、という質問が多い。簡単に回答すれば、SIPCの保護があるから、お客さんの資金は無事だ。

5、これだけ大きく金融市場がダメージを受けただけに、米国の不景気は長引きそう。こうなると、十分な現金を、いつも銀行に蓄えておくことが必要だ。

ここで最初の質問、「次は誰の番だろうか?」、に戻ろう。

実は、ワシントン・ミューチュアル(銀行)も、メリルリンチのように、どこかに買収されないと倒産してしまう。ニューヨーク・タイムズによれば、ワシントン・ミューチュアルは、シティグループかウェルズ・ファーゴー銀行に吸収される可能性があるようだ。

 

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(情報源: http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/laymans-explana.html

http://money.aol.com/news/articles/_a/bbdp/sale-of-washington-mutual-expected/177650

まだ叩かれ方が足りない

現在ダウ指数は3%を超える強烈な下げだ。AIGが悪材料、ということになるのだが、「NY株大幅反落、一時260ドル超す下げ 金融株売られる」と題して、NIKKEI NETはこう書いている。


保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済策が発表されたが、金融市場安定には力不足との懸念が根強く金融株が売られている。(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080917AT2M1704R17092008.html)

ウォールストリート・ジャーナルもNIKKEIが指摘したように、たとえAIGを救済したとしても、全世界に広がる金融危機を、もはや食い止めることは不可能だ、というマーケット関係者たちの声を取り上げている。(http://online.wsj.com/article/SB122164849424947571.html

こんなことを言うと、自慢しているように思われるかもしれないが、うすうす感じていたことは正しかったようだ。昨夜(16日)のニュースレターで書いたことだが、少し抜粋してみよう。

 

S&P500指数に連動する、スパイダー(SPY)の日足チャートに移ろう。

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7月の安値を割るギャップダウンの寄付きだったが、猛然と一転反発して、強気な大陽線を作って終了した。出来高も膨大だ。続伸に期待できそうなのだが、一つ気になることがある。

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上は、S&P500指数に属する銘柄の、何パーセントが200日移動平均線より上にあるかが示されている。前回、マーケットが安値をつけた7月(A)、数値は25%を割っていたが、今回(B)は少し30%を割っただけにすぎない。考え過ぎかもしれないが、マーケットは、まだ叩かれ方が足りないような気がする。

週に6回、このUSマーケット・ウォッチを書いている関係上、当然のことながら全ての主要記事には目を通す。もちろん経済だけでなく、政治、スポーツ、アダルト、と色々読むわけだ。こんな毎日を繰り返して言えることは、先日も書いたように、この定義は9割9分正しいと思う。

・マーケット・レポート: なぜマーケットが上がったのか、下がったのかの簡単な説明。99%のレポートは他のレポートを引用したものであり、残りの1%は単なる気まぐれな思いつき。

こんなことを言うと大変失礼になるが、今日のジャーナリストが最も力を入れているのは記事の内容よりも、いかに魅力的なヘッドラインをつけて読者の興味を引こう、ということのような気がする。

情報が氾濫する今日、こんな状況の中で、ブレット・スティンバーガー氏のブログ、「トレーダー・フィード、TraderFeed」はとても貴重な存在だ。

例えば火曜(16日)を見てみると、「ダイバージェンスが続くマーケット」、「弱い株式市場について考察」と題して、洞察力のある専門家の意見が記されている。(http://traderfeed.blogspot.com/

リットホルツ氏の「THE BIG PICTURE」も見逃せないブログの一つだ。何と言っても氏の貢献は、大衆はマーケット・レポートに騙され続けてきたことを、私たちに教えてくれたことだと思う。(http://bigpicture.typepad.com/comments/

斉藤氏のブログ、「Espresso Diary@信州松本」もユニークだ。長野県松本というローカルな雰囲気があるのだが、氏の展開するコラムはグローバルな観点で書かれている。なるほど、こんな見方もあったのか、と感銘する読者が多いことだろう。(http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/

マーケット終了まで、あと30分。ダウは251ポイント安、マイナス2.27%だ。投資家は、よほどパニックしたのだろう。金が10%も上げている。

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http://www.nwt-jp.com/sec1/index.shtml

下降基調での料金引き上げ

一週間ほど前、「シンガポール航空、サーチャージ下げ 日本発着便の一部で」という記事があった。下のチャートで分かるように、7月、1バレル150ドルに迫っていた原油は、現在100ドルを割っているのだから、この引き下げは当たり前かもしれない。


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(チャート: ino.com)

そして16日、ユナイテッド航空は、高騰した原油価格を理由に、チェックインする二個目の手荷物料金を、25ドルから50ドル(約5200円)に引き上げると発表した。(ファースト・クラスとビジネス・クラスには適用されない。)

高騰した原油価格を理由に???下がっているじゃないか!、と誰でも叫んでしまうが、ユナイテッド航空側の説明によると、去年と比べれば、現在の原油価格は50%以上高いということだ。全くタイミングの悪い料金引き上げ、と非難されても仕方ないのだが、見方を変えればユナイテッド航空の経営は中々上向かないようだ。

最近の航空業界の様子を見てみよう。

・アラスカ航空: 9%から10%に相当する従業員削減を発表。

・アリタリア航空(イタリア): 破産保護の申請。

・サウスウエスト航空: 一日のフライト便数を6%削減。

・各航空会社は経費を節約するために、飛行機の燃料タンクを満タンにすることがなくなった。しかし、パイロットたちは乗客や乗務員の安全を考えると、搭載されている燃料は、あまりにも少なすぎるという。

・アメリカン航空: 原油高を理由に7000人を解雇。国際線だけでなく、国内線にも燃油サーチャージを適用。

・二個目の手荷物だけでなく、ハワイで運行されているgo!航空は、一個目の手荷物チェックインにも10ドルの料金を適用した。

・ミッドウエスト航空: 原油高を理由に1200人を解雇。

・ノースウエスト航空: 原油高を理由に2500人を解雇。更に、3%から4%のフライト便数の削減。

・カナダ航空: 原油高を理由に2000人を解雇、そして約7%のフライト便数を削減。

・USエアウェイズ: 機内でのアルコール飲料を5ドルから7ドルに引き上げ。無料だったジュース、コーヒー、ソーダにも2ドルの料金制度を実施。

・ジェットブルー・エアウエィズ: 経費削減のため、予定されていた新ジェット機購入の中止。

 

サーチャージに関して、「こんなに差がある燃油サーチャージ額」、という記事をお勧めしたい。

 

(情報源: http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080910AT3K1000K10092008.html

http://www.walletpop.com/article/_a/bbdp/united-doubles-fee-for-second-bag/175500

リーマン・ブラザーズを見捨てた政府の措置は正しいのか?

けっきょく、米政府はリーマン・ブラザーズを救済しなかった。そして、バンク・オブ・アメリカに吸収合併されるという噂は、バンク・オブ・アメリカのメリル・リンチ買収で消え去り、リーマン・ブラザーズは破綻という最悪の結果になった。


これで、大手証券会社を政府が見放す筈が無い、という考えは単なる楽観論にすぎなかったことが証明され、こうなるとアメリカン・インターナショナル・グループ(保険会社)、そしてワシントン・ミューチュアル(銀行)もリーマン・ブラザーズを追って倒産になるかもしれない。

当然の疑問は、リーマン・ブラザーズを見捨てた、政府の判断は正しかったのだろうか?数カ月前、リーマン・ブラザーズよりも規模が小さい、ベアー・スターンズの救済に政府は乗り出した。米国第5位の証券会社を助けたのなら、なぜ全米4位のリーマン・ブラザーズを救済しなかったのだろうか?

ウォールストリート・ジャーナルは、こう書いている。

6カ月前、政府関係者にとって、ベアー・スターンズの予想以上に深刻な経営難は驚きのニュースであり、当時の混乱した金融市場を考慮すればベアーを倒産させるわけにはいかなかった。

現在の状況は、もちろん完全に落ち着いたと言うことはできないが、6カ月前とは違う。連銀は、窓口貸し出しを拡大していたから、金融機関は連銀から金を借りることができた。要するに、リーマン・ブラザーズには6カ月の時間があり、金融市場の変化で経営が突然悪化してしまったと言い訳することはできない。

ティム・ハーブ氏(オハイオ州立大学)も、政府の措置に賛成する一人だ。

リーマン・ブラザーズの社員、そして株主たちにとって破綻というのは悪いニュースだが、企業責任ということを考えると今回の政府の措置は正しかったと思う。政府は、ベアー・スターンズ、ファニー・メイ、そしてフレディ・マックを救済するという前例を作り、まるで保険会社になってしまったようだ。これでは、企業の経営陣に間違ったメッセージを送ってしまう。リーマン・ブラザーズを破綻させたことで、自分の失敗は自分で処理しろ、という政府からの明確なメッセージが企業の幹部に届いたことだろう。

どちらにしても、リーマン・ブラザーズの一件でまた金融市場は混乱状態に陥り、火曜(16日)の連邦公開市場委員会で、金利引下げが実施されるという見方が高まっている。バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)の意見はこうだ。

アメリカン・インターナショナル・グループ、ワコビア、それにワシントン・ミューチュアルも危険な状態だが、とにかく私たちはリーマン・ブラザーズ破綻という第一のショック波動を乗り切った。連銀は金利を引き下げる必要はない。それよりも大事なのは、金利を2%に据え置いて、金融危機の終盤戦に備えて肝心な弾薬を保管しておくことだ。ここでの金利引下げは、15年間の景気低迷を経験した日本を真似るようなものだ。

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リーマン・ブラザーズ (月足)

(情報源: http://blogs.wsj.com/economics/2008/09/15/the-government-stood-firm-was-it-the-right-call/

http://www.env-econ.net/2008/09/lehmans-moral-h.html

http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/a-disasterous-r.html

圧倒的に安いプライベート・ブランド

APの報道によると、バンク・オブ・アメリカが、440億ドルで大手証券会社メリル・リンチを買収する。

あるテレビ局が、街を行く人たちを止めて、水の味比べテストをした。結果は、ボトル入りの水ではなくて、水道の水が一番おいしいと答えた人が結構多かった。


他にも、有名なものでは、コーラの飲み比べテストがある。結果は、水の場合と同じように、必ずしもコカコーラが一番になるとは限らず、無名の会社でつくられたコーラを、おいしいと答える人が多い。

コカコーラ(ブランド商品)と、あまり知られていない会社でつくられたコーラ(ジェネリック商品、プライベート・ブランド商品)の大きな違いは、何と言っても値段だ。テスト結果が語るように、私たちには大して味の違いは分からないのだから、安いジェネリック商品やプライベート・ブランド商品を買った方が得だ。

では、実際に、プライベート・ブランド商品は、どれくらい安いのだろうか?米国での実例を、いくつか見てみよう。

 

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ナビスコのクラッカー: 4ドル29セント

 

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プライベート・ブランドのクラッカー: 1ドル24セント

 

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Muir Glenのスープ: 3ドル69セント

 

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プライベート・ブランドのスープ: 1ドル69セント

 

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Walkersのショートブレッド: 3ドル99セント

 

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プライベート・ブランドのショートブレッド: 2ドル99セント

 

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Stoneyfieldのヨーグルト: 99セント

 

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プライベート・ブランドのヨーグルト: 69セント

 

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パンパースのオムツ: 44ドル99セント

 

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プライベート・ブランドのオムツ: 22ドル99セント

(情報源: http://www.walletpop.com/specials/generic-vs-brand-name-products

全ては手遅れ

倒産寸前の全米第4位の証券会社、リーマン・ブラザーズの運命は、今週末に決まるようだ。CNBCの報道によれば、会社は3つに解体されて、他の金融機関に吸収合併されるというのが、今のところ最も有力な見方だ。


更に、CNBCには、こんなオンライン調査が載せられている。

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質問: あなたは、政府がリーマン・ブラザーズを救済するべきだと思いますか?

回答:

はい  15%

いいえ  79%

分からない  5.9%

総回答数  11410

見てのとおり、圧倒的に多い「いいえ」で分かるように、証券会社を救うために税金を使うのは間違っている、というわけだ。

グレッグ・グリーンバーグ氏(thestreet.com)は、こう書いている。

株価が93%も下落した今になって、ディック・フルド氏(リーマン・ブラザーズ最高経営責任者)は、「我々は、株主価値を最大化させるために、あらゆる対策や手段を検討している」、などと語っている。もう、そんな時ではない。全ては手遅れだ。

経営危機に陥ったのは、昨日や今日に始まったことではない。十分な時間があったにもかかわらず、経営陣が成し遂げたことは、日本と韓国から資金を得ることに失敗したことだ。

経営陣は、会社の現状を本当に把握しているのだろうか?投資マネージメント部門を売却すれば、100億ドルの現金を得ることができる、と最近発表しているが、この数字はどこから出てきたのだろう?現時点において、リーマン・ブラザーズには30億ドルの価値しかない。

こんな状況で、「株主価値を最大化させる」などという言葉は、あまりにも場違いな感じがする。下記は犠牲者リストだ。(リーマン・ブラザーズの大株主)

・AXA (フランスの保険会社): 6570万株

・フィデリティ (ミューチュアルファンド): 3950万株

・クリーンブリッジ・アドバイザーズ (資産運用会社): 3910万株

・バークレイズPLC (ファイナンシャル・サービス): 2710万株

・ウェリングトン (資産運用会社): 2550万株

USA Todayの掲示板に、こんな書き込みがあった。

「政府からの支持が無い限り、リーマン・ブラザーズを吸収合併する金融機関など現れないことだろう。」 VincentGallagherさん

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(情報源: http://www.cnbc.com/id/26672266

http://www.usatoday.com/money/industries/brokerage/2008-09-11-lehman-falls_N.htm?loc=interstitialskip

http://www.ibankcoin.com/flyblog/index.php/2008/09/11/an-unfortunate-ending/

http://www.thestreet.com/story/10436970/1/five-dumbest-things-on-wall-street-sept-12.html?puc=newshome

 

 

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