Thursday September 15, 2005

US Market Recap

幹事証券会社から見放された第二のグーグルBIDU

コーヒーを飲みながら、チャットルームをぼんやり眺めていると、やたらとBIDUの四文字が出てくることに気がついた。BIDU(バイドゥ・ドット・コム、中国のサーチエンジン)はナスダック市場で取引される、第二のグーグルと騒がれた、今年夏一番人気の新規公開株だ。初取引は8月5日、66ドルで始まり、なんと倍に近い122ドル54セントで終了した。正に第二のグーグルにふさわしいデビューだった。

しかし、BIDUに何が起きたのだろう。時間外取引では28%の大きな下げだ。デイトレードネットの代表取締役、馬渕氏も掲示板で「昨日手仕舞いした人は安堵しているはず」、と書き込まれていたが、本当にそのとおり、と言うしかない。こんな下げ方だから、大手証券会社アナリストのコメントが原因になっていることは見当がつくが、はっきり言ってこの暴落は意外だった。なぜなら今日の上げに期待して、昨日一昨日とBIDUを買っていた投資者が多かったからだ。

少し説明しよう。新規公開株の取引が始まった最初の一ヶ月間は、買いや売り推奨を出すことはできない。ほとんどの場合この一ヶ月の時間が切れると、幹事証券会社のアナリストは買い推奨を発表する。だから投資方法の一つとして、買い推薦を期待して取引が一ヶ月に近い新規公開株を買う。先月5日に取引が開始されたBIDUも約一ヶ月が経過し、先週から買い推奨を見込んだ投資者たちが買っていたわけだ。

ところが今朝、ゴールドマンサックスのアナリストが発表したBIDUの格付けはアンダーパフォームだった。underperformだから、平均以下の成長しか期待できない。エリート証券として有名なゴールドマンサックスの言葉だっただけに、完全な売り一色となってしまった。おまけにパイパージャフレーも同様な見方を表明し、BIDUの投資者には痛烈なダブルパンチだ。

しかし、ちょっと待て。ゴールドマンサックスはBIDUが新規株を発行した時の幹事証券会社、そしてパイパージャフレーは準幹事だ。要するに投資者たちは、これら二社の証券会社からの買い推奨を見込んで買っていたのだが、見事に期待を裏切られてしまったわけだ。幹事証券が買いを薦められないのだから、そんな株に手を出す人はいない。最後にゴールドマンサックスとパイパージャフレーからのコメントを記しておこう。「たとえどんなに前向きな見方をしても、現在のBIDUの株価はあまりにも割高です。正当な株価は45ドルです。」今BIDUは89ドル75セントで取引されている。

Stocks You Need To Know About

コスト削減を狙うGE

ゼネラルエレクトリック(GE)は、家電製品そしてプラスチック部門などを売却する企業リストラプランを発表した。下は日足チャートだが、現在の株価は抵抗線の手前で足踏みだ。ここを突破なら買えるが、下げた場合は以前の下降するトレンドライン、または8月30日の安値がテストされそうだ。

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Wall Street English

マイナス2.1%、それとも+1%?

8月の小売売上はマイナス2.1%と発表され、アナリストが予想したマイナス1.4%を下回った。特に悪かった自動車販売数のマイナス12.9%を除けば、小売売上は+1%となり、予想の+0.5%を上回ることになる。小売セクターアナリストの、リチャード・ハスティングス氏はこんな見方をしている。

I continue to believe that the effects of higher gas prices on the consumer are overestimated.

ガソリン高は個人消費に、あまり大きな悪影響にはならない、そんな意見だ。

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発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット