Friday September 23, 2005

US Market Recap

企業イメージ格上げを狙うマクドナルド

イメージチェンジを狙って、マクドナルドの新しいコマーシャルが放映される。といっても、もっとお客さんに来てもらおう、といった内容ではない。アメリカではマクドナルド=給料が安い、職として将来性が無い、昇給は望めない、などといった見方が大衆に定着してしまっている。だから当然な結果として、長期的にマクドナルドで働く人は少なく、どうしても高校生のパートタイマーが中心になってしまう。こんな企業イメージを変えよう、というのが新コマーシャルの目的だ。

ロイターの報道によれば、このコマーシャルには、ロサンゼルスオリンピックで金メダルを取った、カール・ルイス選手が起用される。何故カール・ルイス選手なのか?理由は少なくとも二つある。先ず、マクドナルドのM字型のマークだが、あれはゴールデンアーチと呼ばれている。金メダルはゴールドだから、ゴールデンとゴールドを結びつけて勝者のイメージを強調する。カール・ルイス選手が、生まれて初めて働いた場所はマクドナルドだったそうだ。勝者が最初に選んだ仕事はマクドナルド。社会への第一歩は、マクドナルドから始まる、というわけだ。

こんなコマーシャルは、マクドナルドが初ではない。大手小売店、ウォルマートも同様な企業イメージに苦しんだ前例がある。単に給料の不満だけでなく、多くの従業員は、医療保険や年金制度の不十分さを訴えていた。そこでウォルマートはコマーシャルを使った。生き生きと微笑みながら働く従業員の姿が映し出され、見るからに明るい職場、といった雰囲気が伝わってくる。

話をマクドナルドに戻そう。ジョブ(JOB)は仕事や職、という意味だが、マックジョブ(McJob)という俗語がある。マックはビッグマックで分かるようにマクドナルドを指しているが、マックジョブを辞典で引くと、こんな説明が出てくる。「給料の低い出世見込みの無い仕事。」これにはマクドナルドも参ったことだろう。

記者会見の席で、カール・ルイス選手が言ったことを記しておこう。「私がマクドナルドで働いたのは16歳のときです。チームワークと、テキパキと仕事をする重要さを学びました。とにかくスピードが大切です。もし数秒遅れていれば、金メダルは取れないように、ノロノロしていてはお客さんに渡す前に、フレンチフライは冷えてしまいます。」はたしてマクドナルド、スピーディーに企業イメージを一新できるだろうか。

Stocks You Need To Know About

好タイミングなニュース

マクドナルドのチャート(日足)を見てみよう。新コマーシャルのニュースで上げたのだろうか、それとも支持線が原因だろうか。どちらにしても、タイミングの良いニュースだ。

0922mcd.gif

Wall Street English

マックジョブ

上で紹介した、マックジョブの説明を原文で見てみよう。

A job, usually in the retail or service sector, that is low paying, often temporary, and offers minimal or no benefits or opportunity for promotion.

先ずほとんどの場合、マックジョブは小売またはサービス業に属する。給料は安く、仕事は一時的な臨時雇いのこともある。時給は州で規定されている最低賃金になり、保険制度や年金は無く、昇給の望みも無い、、、、、少し気分が重くなってきた。

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。

発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット