Friday April 21, 2006

US Market Recap

20世紀の遺物、Buy And Hold

「もうひとつ投資成績がパッとしない、といったメールが最近増えています」、とティム・ミドルトン氏は言う。経済コラム、そしてラジオで活躍する氏には、多くの相談や悩みが持ち込まれる。「驚くことですが、いまだにBuy And Holdの、長期投資が正しいと信じている投資者が大勢います。このやり方は、90年代の強烈なブルマーケットで通用した方法です。」

たしかに、株式投資というと長期投資が強調される傾向がある。しかし、ミドルトン氏は投資で成功したいなら、Buy And Holdを、完全にやめるべきだと言う。もっと説明してもらおう。

「買った株を長く持ち続ける、それは20世紀の話です。もし、2000年から去年の終わりまで株を持っていたとすると、年間での利益は4%にも満たない結果です。これでは、満足できるはずがありません。マイケル・キットセス氏(ピナクル・アドバイザリー・グループ)は、投資で好結果をあげる4条件を、ジャーナル・オブ・ファイナンシャル・プランニング誌で発表しています。

1、多くの銘柄に投資するのではなく、銘柄を厳選すること。
2、弱いセクターを避けること。
3、株だけに固執せず、商品市場も選択肢に含めること。
4、売買タイミングを習得すること。

なぜこれら4項目が重要なのでしょうか?1990年代終盤が好例ですが、株式市場に贅肉が付き過ぎると、マーケットは単に平均値へ戻るのではなく、以前の安値をテストする傾向があります。このテストによって起きる下げ相場が、一般に言われるベアマーケットです。ここ三年間、マーケットは上げが続いています。ですから、ここから更なる上昇を期待するのではなく、下げ方向に備えることが重要です。」

ミドルトン氏は、多くの銘柄に投資することを、巨大なミューチュアルファンドにたとえている。あれもこれも、と様々な株を買うのは、正にミューチュアルファンドがしていることだ。一見バランスがとれているように見えるが、マーケットが下げ始めると、つられたように下落してしまう。だから、銘柄を少数にしぼる必要があるわけだ。ミドルトン氏の話に戻ろう。

「悪いマーケット環境だからといって、全てのセクターがダメになることはありません。優れたセクター選びで有名な、ジャック・バワーズ氏は、先日次のような投資内容を発表しました。(注:これはフィデリティのセクターファンドの組み合わせ)

1、Fidelity Select Brokerage & Investment (FSLBX 証券会社を中心に投資) 20%
2、Fidelity Select Energy (FSENX エネルギー関連)17%
3、Fidelity Select Telecommunications (FSTCX テレコミュニケーション、通信関連) 17%
4、Fidelity Select Wireless (FWRLX ワイヤレス関連) 14%
5、Fidelity Select Technology (FSPTX テクノロジー関連) 14%
6、Fidelity Select Biotechnology (FBIOX バイオテクノロジー関連) 13%

インフレ対策も必要です。株だけに固執しないで、資金の一部を金に回すことも考えてください。」

4番目の売買タイミングの習得だが、これに欠かせないのがローソクチャートだ。日足と週足を中心にして、定期的に持ち株の、トレンドチェックを忘れないようにしよう。

Stocks You Need To Know About

複数の壁

大手製薬会社メルクが、予想を上回る決算、そして第2四半期の収益上方修正を発表した。好調なスタートを切ったが、重なる20日と50日移動平均線、そしてギャップにぶつかってしまった。移動平均線やギャップは目立つから、よく売買のタイミングに利用される。くれぐれも注意しよう。

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Wall Street English

減速の兆し?

先ずヘッドライン。

U.S. leading indicators fall 0.1% in March

3月分の経済先行指数はマイナス0.1%、と今朝発表された。

A gauge of future economic activity declined for a second straight month in March, signaling a slowdown, economists said Thursday.

マイナスはこれで2カ月連続になり、経済の減速が示唆されているようだ。

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