Monday May 1, 2006

US Market Recap

重要な収益の質

成長株を見つける方法の一つとして、ウィリアム・オニール氏は、収益が少なくとも毎年15%から50%の伸びがある企業を選ぶことを薦めている。しかし、INGインベストメント・マネージメントの、フェルナンド・ガーザ氏はこんなことを言う。「2003年からの動きを見ると、収益内容の悪い株が大きく上げています。第1四半期だけでも、収益内容が悪い企業の株は、内容の良い企業の株より17%以上も伸びています。」

もはや株式投資に、収益や一株利益を考慮する必要は無いのだろうか?「収益内容の悪い会社を、怪しげな企業と呼ぶことにしましょう。もちろん、怪しげな銘柄の上昇が、いつまで続くかは誰にも分かりません。しかし、長期的な投資には、収益の質を無視することはできません」、と語るのはジョン・ワゴナー氏(経済コラムニスト)だ。

「収益の質」、「収益内容が良い」とはどういう意味だろうか。ワゴナー氏の話を続けよう。「1993年にさかのぼりますが、ボストン・チキンという株が新規公開されました。覚えている方もいるかもしれませんが、取引が開始された初日、株価は倍になってしまったのです。その後ボストン・チキンはどうなったでしょうか?1998年、ボストン・チキンは連邦破産法第7章の適用を申請しました。ようするに破綻です。言うまでもありませんが、株券は単なる紙になってしまったわけです。

収益内容が分かっていれば、ボストン・チキンに投資することはありえませんでした。しかし、収益の質を簡単に説明することは楽なことではありません。なぜなら、それを理解するためには、バランスシートを細かく調べる必要があるからです。しかし、少なくともこの点に注意してください。売上が下がっているにもかかわらず、逆に一株利益が上がっているなら、それは大きな警告シグナルです。

スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)は、一株利益と配当金の一貫性を調べることで、収益内容の質を検討しています。例えば、S&PによってAプラス、A、そしてAマイナスの評価を受けた企業は、平均で15.7の株価収益率(PER)があります。Bプラス、B、Bマイナスと評価された企業のPERは平均で18.1です。Bマイナスだけを見るとPERは極めて高い28です。

PERは単に株価が割高か、それとも割安かを示すものではなく、収益の質を反映しています。ですから、S&PからAプラス、A、そしてAマイナスの評価を受けた株に投資対象を限定することが大切です。1990年からの成績ですが、Aプラス、A、そしてAマイナスに代表される収益の質の良い株は+453%、収益の質が悪い株は+44%です。」

 

Current Topics

ドルは更に大きく下がる

ファンドマネージャー、マーク・ブシェー氏の意見を紹介しよう。

Bernanke looks to be giving his nod to a dollar decline by suggesting in the strongest language yet, that the Fed is likely to be close to the end of its tightening cycle. Investors should look for more wild moves in commodities, a new bear leg in dollar, more market volatility, and fasten your seatbelts.

太字部分がポイントになる。連銀のバーナンキ議長はドル安政策を承認しているようだ。そうでなければ、金利引き上げ終了をほのめかす発言などできない。商品市場は乱高下、ドルは新たな下げ足の開始、マーケットは変動率の増加、投資者はシートベルトの着用が必要だ。

Wall Street English

スキャンダル

韓国の大手自動車メーカー、ヒュンダイに関するこんな報道があった。

Chairman Chung Mong-koo was arrested Friday, his son is under investigation, and the company's stock price is falling.

金曜、会長のChung Mong-koo が逮捕され、現在息子は捜査中、そして株価は下落だ。会社の金を私的な事に使っていたらしい。

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