Wednesday May 24, 2006

US Market Recap

注目される日銀の動き

世界で最も力がある銀行は日銀だ、とジム・ジューバック氏(経済コラムニスト)は言う。ヨーロッパ、アジア、米国株式市場が5月11日から大きな下方修正となったが、どうやらこれは日銀が原因らしい。ジューバック氏の意見を聞いてみよう。

「なぜこんなに株が売られたのでしょうか?5月17日、ダウ指数は214ポイントにのぼる大きな下落を展開しました。アメリカは悪性なインフレに陥る可能性がある。だから連銀は予想以上に金利を引き上げることになるだろう、といったことが株不調の原因と説明されています。

5月17日の朝、発表された消費者物価指数は+2.3%でした。危険信号の2.5%に近い数値だったので、6月の会議で短期金利が引き上げられる可能性が、35%から50%に上昇しました。もし6月に利上げが実施されると、17回連続ということになります。金利上昇は株に悪影響と言われますが、先週マーケットが売り込まれる以前時点で見ると、ダウ指数は2004年6月以来12%の伸びを記録していました。

金利が上昇すると、国債の値段が下がるのですが、国債マーケットが崩れることはありませんでした。例えば5月18日ですが、ダウはマイナス77ポイント、そしてナスダック市場は2005年11月以来の安値に落ち込みましたが、10年物国債は0.75%上がって利回りは5.07%に下がりました。

金の価格も、おかしな動きを見せました。インフレ対策として人気の金ですが、高まるインフレ懸念が売り材料になりました。5月10日、1オンス700ドルで取引されていた金は、5月19日657ドル50セントで終了しました。もし投資者が本当にアメリカのインフレを心配しているなら、この下げは納得できません。おかしな動きはドルにも見られます。連銀議長のバーナンキ氏が、インフレ抑制に失敗しているなら、ドルは更に売られたはずです。しかし事実は、5月10日ドルは110.6円、そして5月18日110.7円とほとんど変化がありません。

ここで注目されるのが日銀です。ここ2カ月間で、日銀は日本国内の銀行から約16兆円の現金を吸い上げ、貨幣供給量は10%減りました。なぜこんなことをしているのでしょうか?デフレに苦しんだ経済も上向き始め、インフレの傾向が見えてきたためです。この現金吸い上げ終了までまだ少し時間がかかりますが、終了と同時に日銀は、金利を引き上げることでしょう。

海外の機関投資家は、安い金利で日本から金を借りて、世界の市場で株を買っていました。過去12カ月で7割の伸びを見せたムンバイ市場には、100億ドルの資金が海外から流れ込んでいます。これだけの金額では、巨大なニューヨーク市場を動かすことは無理ですが、小さなムンバイを上昇させるには十分な額です。この好調なマーケットを継続させるには、新しい資金が必要ですが、積極的に日銀が現金を吸い上げている今日、日本からの資金をあてにすることができません。これが、結局ムンバイ市場が月曜に大きく下げた理由です。」

新興成長市場が好調だったのは、正に日本のおかげだったわけだが、これからは無謀な投機が減ることだろう。危険度の高い国が避けられ、安全な投資が中心になりそうだ。

Stocks You Need To Know About

格上げ、しかし

XMサテライトラジオが、ホールドから買いに引き上げられた。下は5分足だが、寄付きは好調だった。正確に言えば強すぎた。ボリンジャーバンドを飛び越えているから、あまりにも中央の移動平均線から乖離しすぎだ。一本目のローソクは首吊り線になり、あとはあっけなく売られてしまった。

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Wall Street English

500人逮捕

500人逮捕?何があったのだろう?

WASHINGTON (CNN) - At least 565 individuals have been arrested on allegations they operated phony sweepstakes and lottery contests and a variety of other mass marketing fraud schemes in the United States and four other countries, Justice Department officials announced Tuesday.

少なくとも565人が捕まったとのことだが、インチキな宝くじや懸賞でアメリカと4つの国々で人々から金を騙し取っていたようだ。

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