Wednesday May 31, 2006

US Market Recap

失敗の仕方を学ぶ?

ABCニュースが、「金持ち父さん貧乏父さん」の著者ロバート・キヨサキ氏に挑戦した。誰でもキヨサキ氏の言うように、本当に金持ちになれるのだろうか?スタート資金は1000ドル、そして制限時間は20日間の設定で、3人が実験に参加した。先ずメンバーを紹介しよう。広告会社勤務のシェリルさん、建築会社に務めるジュリーさん、そしてカウンセラーのジェームズさんだ。

集まった3人を前に、キヨサキ氏は話し始める。「あなた方の中で、誰が最も起業家としての才能があるかをテストしたいと思います。与えられた20日間で、手持ち資金の1000ドルを増やしてください。方法は、あなたが自分で決めてください。もちろん、法に違反するやり方はダメです。それから、もう一つ約束してほしいことは、だれにもABCニュースが主催者であることを言わないでください。」

説明が終わり3人が去った後、キヨサキ氏はABCニュースにこう語った。「一人も利益を上げられないかもしれませんが、それは決して不思議なことではありません。ひょっとしたら、全資金を失うこともありえるでしょう。こんなことは言いたくないのですが、ビジネスを始める人たちの90%が失敗します。ですから、私はいつもこう強調しています。きびしい現実を恐れて何もしないことは、成功を避けているのと同じです。」

シェリルさんは、非営利団体のために資金集めをすることにした。集まった資金の一部を、手数料として受け取ろうという作戦だ。ジェームズさんはキャンディーを売ることにした。箱に詰めたキャンディーを学校において、売上を学校と分けるやり方だ。ジュリーさんは、頭痛薬や胃腸薬用の自動販売機を売ることにした。自動販売機は安くない。そのため、ジュリーさんは更に自己資金の1000ドルを足すことになった。

制限時間の半分、10日が経過した。困ったことに、ジュリーさんには注文した自動販売機がまだ届かない。イライラするジュリーさんに、キヨサキ氏はこう語った。「あと10日しか残っていないのに、こんな状態では絶望的ですね。」この言葉は意外だった。ジュリーさんは言う。「キヨサキ氏は、具体的なことを何ひとつ教えてくれません。私が知りたいのは、効果的なセールス方法です。」

ジェームズ氏はわずかな利益を上げたが、その全額を慈善組織に寄付してしまった。ジェームズさんに、キヨサキ氏はこんな発言をした。「なぜそんなことをしたのですか?先ず自分が利益を確保することが肝心です。あなたは優先順序を間違っています。」シェリルさんにも、キヨサキ氏はきびしい言葉を放った。「もっと積極的に宣伝をしなければダメです。あなたのビジネスは、非常事態に直面しています。いいですか、チャンスは一度しかないのですよ。」

最終結果を見てみよう。ジュリーさんは、自動販売機を一台も売ることができなかった。キヨサキ氏は、ジュリーさんの非現実的なビジネスを批判した。ジェームズ氏は540ドルの儲けがあったが、全てを慈善組織に寄付した。シェリルさんは243ドルの利益が手元に残った。

ジュリーさんの言うように、キヨサキ氏は具体的なことを参加者に教えることはなかった。ABCニュースは、単刀直入にキヨサキ氏に質問した。「あなたの本からは、いったい何を学ぶことができるのですか?」返って来た答えはこれだ。「仕事を辞めないで、パートタイムでビジネスを始めてください。そして何度も失敗を繰り返してください。」

Stocks You Need To Know About

難しいファンダメンタルズだけでの売買

一夜のうちに、ファンダメンタルズが変わってしまったのだろうか。5月10日をピークに、ダウ指数は既に500ポイント以上の下げだ。歴史を振り返れば、米国株式市場は約3年に一度の割合でベアマーケットが訪れているから、下げ相場に入ってもおかしくない。それに悲観的な見方を発表するアナリストも目だって増えているから、強気な人でもかなり慎重になってしまう。

最近のように、マーケット全体が不安定になると、多くの投資者は相場に対して恐怖を感じるようになる。今直ぐ処分しなければ、株価は明日半分になってしまうかもしれない。まったく大袈裟な考え方なのだが、いったん怖くなってしまうと、完全に冷静な判断ができなくなってしまう。こんな感情に支配された売りは更なる売りを呼び、ファンダメンタルズに関係なく株価は下げて行くわけだ。

下のチャートは、カジュアル・ウェア小売のアバークロンビー・アンド・フィッチ社の日足だ。

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これもマーケットと同様に、5月10日過ぎから下げが始まっているが、ファンダメンタルズだけを考慮するなら、この銘柄を売る理由は無い。

26人のアナリストがアバークロンビー・アンド・フィッチを追っているが、強い買いを薦めるアナリストは7人、買いが8人、そしてホールドが11人だ。注目したいのは、売りを薦めるアナリストは一人もいない。しかし現に株価は下げている。要するに、チャート無しで株式投資は考えられないわけだ。

Wall Street English

連休明けは売り物先行

Investors see no reason to buy as consumer sentiment slips and a heavy week of economic reports awaits.

消費者信頼感の下落、それに今週の経済カレンダーは詰まっているだけに、投資者たちは全く買う気になれないようだ。

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