Tuesday July 4, 2006

US Market Recap

水先物市場が実現する!?

次世代のオイル市場になるはずだ、とアラロン・トレーディングのフィル・フリン氏は断言する。正確に言えば、オイルマーケットのような巨大市場になる、ということなのだが、いったい何の話だろうか?

生活必需品の一つとして数えられるオイルだが、水はそれ以上に重要だ。マーケットウォッチ・ドット・コムのマイラ・サフォング氏によれば、地球上に存在する水の99%は飲むことができない。そして、毎日アメリカで使われる水の量は、ガソリン消費量を1000倍近く上回っている。ガソリンは市場で取引されているが、貴重な水にはマーケットが無い。なぜだろうか?

マーケットアナリスト、ジム・ワイコフ氏はこんなことを言う。「新鮮な水は人間にとって、オイル以上に価値があることは間違いありません。しかし、オイルは天から降ってくるようなことは決してありません。」

ガソリンの値段は、1ガロン(3.785リットル)あたり約3ドル(343円)だ。「米国水道協会のデータを基に計算したのですが、コーラを一缶買うお金があれば、水を1万5000缶も買うことができます」、とサフォング氏は水の安さを強調する一方、こんなことも指摘する。「ただ同然の水ですが、人々は毎年、何十億ドルという金額をボトル入りの水に使っています。」

最新のデータによれば、毎日アメリカでは約4080億ガロンの水が消費されている。ガソリンの消費量は3億8200万ガロンだから、水の需要量が圧倒的に多い。「次世代のオイル市場になるはずだ」、と断言したフィル・フリン氏の話に戻ろう。

「水は始めであり終わりである、と言えるくらい貴重な物です。にもかかわらず、水にはオイル先物のような市場がありません。多くのアナリストは、水先物市場の現実化に否定的な見方です。アメリカの人口が3億に達しようとしているように、世界の人口も増え続けています。飲める水は減少していますから、人々は水を求めて争うのではないでしょうか?水先物市場が現れるのも、もはや時間の問題だと思います。」

ジム・ワイコフ氏は、水とオイルのこんな共通点をあげている。「水はオイルのように生活必需品だけでなく、テロリストも目をつけています。経済的ダメージを狙って、テロリストはオイル設備を攻撃します。こんなことが起きてほしくありませんが、専門家たちの意見によれば、テロリストは水道システム汚染を計画しているようです。」

「水先物市場は、決して新しいアイディアではありません」、と言うのはスタンフォード・ワシントン・リサーチグループのデボラ・コイ氏だ。「貴重な水ですが、そう簡単に水先物市場は実現しないと思います。」パシフィック・インスチチュートのピーター・グリーク氏もコイ氏に同意する。「オイルでいっぱいになったタンカーには価値がありますが、タンカーを水で満たしても何の価値もありません。輸送料金の方が水より高くつくことでしょう。」

バーナード・サバイコ氏(エコノミスト)の言葉を付け加えておこう。「水の先物市場が実現したとしましょう。だれでも水の重要性を認めていますから、買い手ばかりになるのではないでしょうか。これでは売り手が不在ですから、マーケットとしてなりたちません。」

Stocks You Need To Know About

下げは終わり?

マーケットの感じが良くなってきた。もう下げ相場は終わったのだろうか?S&P500指数の日足チャートを見てみよう。

0703SPX.gif

長期移動平均線(青)は、短期移動平均線(赤)の上だから、まだ下げ基調は終わっていない。しかし、赤のラインが上向き始め、青の長期移動平均線を抜こうとしている。そんなわけで、ひょっとしたら上昇基調に転換できるかもしれない、といった状態のマーケットだ。

 

Wall Street English

閑散なマーケット

明日(4日)は独立記念日、祭日だ。さすがに半日マーケットとあって出来高は乏しい。本格的な夏休みシーズンが始まり、金曜の雇用統計まで静かになりそうだ。こんな意見が発表されている。

If it shows a big surge in payrolls or hourly wages, the market could start second-guessing the idea that the Federal Reserve will hold off raising interest rates in August.

金曜の雇用統計で、新規雇用者数、または時給が大きく増えているようなら、8月の利上げ可能性について議論が始まることだろう。

 

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