Friday July 14, 2006

US Market Recap

割安株は割高?

バリュー株という言葉がある。簡単に言ってしまえば割安株のことだ。成長率、収益、資産性などを分析して正当な株価を算出し、もし現在の株価が、算出された株価を下回るようなら、割安というわけだ。

なぜバリュー株が出現するのだろうか?こんな質問を、一般のアメリカ個人投資家にすると、次のような答えが返ってくる。「バリュー株は、大きく叩き売られた株のことです。以前は人気株だったかもしれませんが、予想を裏切る決算やアナリストの悲観的なコメントで、株価が異常な水準まで落ち込んでいます。ですから、そんな株には、誰も見向きしません。」なかなか的を得た説明ではないだろうか?

割安株を狙う投資者は多い。しかし、バリュー株を専門に投資する、デルファイ・マネージメントのスコット・ブラック氏はこう語っている。「最近、割安株を見つけることが、とても難しくなっています。」決して調子が良いとは言えない今日の株式市場、特に半導体や小売銘柄の下げがひどい。これだけ売られたら割安、と思ってしまうが、どうやらそうではないらしい。

何故バリュー株が、なかなか見つからないのだろうか?USAトゥデイのマット・クランツ氏の説明を記そう。「バリュー株が本当に割安かを確かめるには、成長株と比較してみる必要があります。スタンダード・アンド・プアーズ社スモールキャップ600バリュー株指数には17.2の株価収益率(PER)があります。そして、スタンダード・アンド・プアーズ社スモールキャップ600成長株指数のPERは17.1です。ほぼ同一の株価収益率ですから、これではバリュー株に魅力がありません。

スタンダード・アンド・プアーズ社以外にも、ウィルシャー・アトラス社が割高なバリュー株を指摘しています。2000年末、大型バリュー株の株価収益率は、大型成長株の株価収益率を15.1ポイント下回っていました。今日、両者の違いはたった5.8ポイントだけですから、これではバリュー株投資家たちが積極的に動けません。」

今年の成績を見てみると、ラッセル3000バリュー株上場投信は+6.6%、そしてラッセル3000成長株上場投信はマイナス1.8%だ。この数値が意味するのは何だろうか?クランツ氏の話に戻ろう。

「割安株が買われ始めると、とうぜんの結果として株価が上がります。これは更なる買い手を集めることになり、株価の上昇が続きます。今年だけで、人気バリュー株のヒューレットパッカードは+13.7%、オフィスデポは+15.5%、そしてJCペニーは24.1%の上げです。」ようするに現在のアメリカ市場では、バリュー株が成長株化し、成長株がバリュー株化しているようだ。

Stocks You Need To Know About

崩れる航空会社

オイルの高騰にもかかわらず、上げが続いていた航空セクターだが、ついに大きく売られた。このセクターを代表する、アメリカン航空の日足を見てみよう。

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ギャップダウンで寄り付き、上昇するトレンドラインを割った。出来高も通常量を大きく上回っているから、かなり狼狽売りがあったようだ。もう一度、崩れたトレンドラインに近づくようなら、更なる売りを浴びることだろう。

Wall Street English

またまたオイルが話題

まずヘッドライン。

Oil soars near $77

ということで、オイルが1バレルあたり、77ドル近辺まで急騰したことが報じられている。

原因は、

NEW YORK (CNNMoney.com) -- Oil prices hit yet another record Thursday, soaring almost $2 a barrel, as escalating violence in the Middle East raised fears about severe supply disruptions.

中東情勢が悪化し、オイル供給量の大きな減少が懸念されている。

 

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