Monday August 14, 2006

US Market Recap

連銀の大きな間違い

連銀も認めるように、インフレの危険性は依然として存在する。しかし、減速する米国経済がインフレを抑制する結果になる。これが金利据え置きになった要点だ。「この考え方は大きな間違いです」、とトレンド・マクロリティクス社で投資アドバイザーを務める、ドナルド・ラスキン氏は言う。さっそく氏の意見を紹介しよう。

「12カ月以内に、アメリカは不景気に陥ることでしょう。短期的に見た場合、株はラリーの展開が予測されますが、最終的には現在のレベル以下に下がります。

連邦公開市場委員会後に発表された声明の中には、たしかに経済の「和らぎ」、という表現が使われています。経済が冷えこみ方向ならインフレ問題も解消する、と連銀は結論していますが、危険な考え方だと思います。どちらにしても、連銀は判断の間違いに気がつき、執拗な金利引き上げ政策に戻ります。そして、米国経済は単に和らぐだけでなく、正真正銘の不景気に転落します。

先ず指摘したいのは、現在のアメリカに顕著な経済の冷えこみは見えません。三年前から私は、米国経済に対して強気な意見を発表してきましたが、今もこの考え方に変わりはありません。アメリカ経済は、いたって健康な状態です。

多くの人たちは、低金利が米国経済を発展させた、と強調しますが、低金利政策が経済を上昇させた主要原因ではありません。二年間近い金利引き上げがあった、今日の金利を見てください。決して高レベルではありません。80年代と90年代を振り返れば、現在の水準は平均以下です。

経済成長速度が和らいでいるから、インフレは解消する、という連銀の見方ですが、現実には経済は減速していないのですから、インフレ問題は無くなりません。十歩ゆずって、たしかに米国経済が冷え込んでいるとしましょう。歴史を見る限り、経済成長速度とインフレには何の関係もありません。

インフレが起きるのは、有り余る金が、ごく限られた物を追い回すためです。経済の浮き沈みが決定できることではありません。思い出してください。数年間続いた低金利政策時代、連銀は膨大な量の紙幣を印刷しています。印刷じたいは悪いことではありません。問題は、印刷を止める時期があまりにも遅すぎました。これでは17回連続で利上げをしても、大したインフレ退治にはなりません。

先日発表されたGDP(国内総生産)には、経済の冷えこみが見える、と多くのアナリストが言います。実際は正反対です。第1四半期の個人消費は+2.1%でしたが、第2四半期は+2.9%に上がっています。現に、第1四半期の数値に対して「高すぎる」、というのが連銀の見解でしたから、+2.9%は極めて強いレベルです。

連銀は18回連続の利上げを実行して、金利を5.5%に引き上げるべきでした。そして次回を最後の利上げにすれば、インフレ問題がうまく解決したと思います。」

Current Topics

アップルコンピュータへの警告

経営陣へのストックオプション制度に不審な点があり、アップルコンピュータは最近の決算報告をやり直すことになっていた。しかし、いまだに書類が提出されず、ナスダック市場はアップル株上場停止処分の意向があることを、アップル側に通報した。

さっそくアップルは、この件に関しての公聴会をナスダック市場に要求している。さて、月曜アップル(AAPL)はどう寄付くだろうか?

Wall Street English

今週の焦点

インフレ懸念の消えないアメリカ、今週気になる発表はこれだ。

Because of the focus on inflation, the Consumer Price Index (CPI) being released Wednesday will be critical.

Economists surveyed by Briefing.com expect that both CPI and core CPI - which excludes volatile food and energy prices - rose in July.

水曜の消費者物価指数が注目される。Briefing.com の調べによれば、エコノミストたちは指数の上昇を予測している。

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