Wednesday October 18, 2006

US Market Recap

マスコミは投資者の味方?

騒々しいだけで内容が無い、とセンセーショナルなジャーナリズムを批判するのは、フール・ドット・コムのセス・ジェーソン氏だ。「ダウ指数の高値更新が執拗に報道されました。まるで偉大な記録が樹立されたように聞こえますが、全く意味の無い数字です。単に数値を比べるだけなら、たしかに新記録ですが、インフレを考慮すれば、今日のダウ水準は2000年1月のレベルを10%ほど下回っています。」

明らかに、最近の経済ジャーナリズムを苦々しく思うジェーソン氏だが、マスコミを株投資に利用することができる、と氏は言う。話を続けよう。

「覚えておいてほしいのは、経済ジャーナリストの目的は、情報を提供して投資者を助けることではありません。彼らが一番興味があるのは、刺激的なヘッドラインを利用して、私たちをニュースに引き込むことです。最初から、投資判断に役立つ情報の提供は考えていません。

センセーショナルな報道に、退屈な銘柄を利用することはできません。しかし事実は、マスコミが取り上げなかった地味な株が大きく上げています。たとえば、2000年から今日まで、ダウ銘柄で一番成績が良かったのは、食品のアルトリア、そしてトラクターやブルドーザーで有名なキャタピラーです。前者の伸びは370%、後者は+215%です。

次に、マスコミが無視し続けている、S&P500指数を見てみましょう。まだ2000年のピークから遠く離れている現状ですが、過去6年間、この指数に属する銘柄に投資していたらどうなっていたでしょうか?500銘柄中、200が2倍以上になっています。3倍以上になった株も110あります。

ルーセント (マイナス96%)、ヤフー(マイナス72%)、タイム・ワーナー(マイナス70%)。数字は2000年から今日までの結果ですが、どの銘柄も大きく下げています。覚えている方も多いと思いますが、これらの銘柄は、2000年、マスコミが毎日のように取り上げたものです。次世代をリードする超有望銘柄!、と大々的な報道でしたが、株価は全く冴えません。

次の三つは、マスコミが振り向きもしなかった銘柄です。チェサピーク・エネルギー(+1325%)、コベントリー・ヘルスケア(+1296%)、プルテ・ホームズ(+616%)。

マスコミは、投資者の最悪な敵になる可能性があります。ですから、ニュースを投資に使うことには、細心の注意を払ってください。刺激的な報道を信じて、人気銘柄だけに投資するなら、あなたの口座を救うことは誰にもできません。頻繁に報道される銘柄の中から、本当の宝を見つけるのは無理です。人気化していますから、それらは完全に割高銘柄です。口で言うほど簡単ではありませんが、マスコミが執拗に取り上げる株は、無視した方が無難です。」

Stocks You Need To Know About

我慢できない!

引けまで35分ほどあるが、マーケットは思ったほど下げてくれない。英語のセクションでも少し触れたが、生産者物価指数は、大した売り材料にならなかった。

下の日足チャートで分かるように、投資者たちは、S&P500指数が短期トレンドラインにぶつかるのも待てなかった。旺盛な買い意欲だ。

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Wall Street English

またまたインフレ懸念

9月分の生産者物価指数は予想以下だったのだが、食品とエネルギーを除いたコア指数は逆に予想以上に上がった。下は、エコノミストのリッチ・ヤマロネ氏の意見だ。

The bottom line is core inflation is on the rise and the central bank shouldn't be watching it, it should be acting.

「連銀は現状のコア・インフレを単に見ているだけでなく、実際に何らかの処置をするべきだ。」

そんなわけで、ひょっとしたら、また金利引き上げがあるかもしれない。

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