Saturday December 2, 2006

US Market Recap

ブタに口紅

12月の相場が始まった。先月中間選挙があったが、統計によれば今月のマーケットは上がる可能性が高い。過去14回までさかのぼって、中間選挙があった年の12月を調べてみると、マーケットが弱かったのは4回だけだ。それなら積極的に買っていこう、と結論する前にマーク・ホイッスラー氏(ペアズトレーダー・ドット・コム)の意見を聞いてみよう。

「先日、一週間ほど仕事でラスベガスに行く機会がありました。休憩時間にニュースを見ると、ダウ指数の高値更新が報道されていました。いつもなら嬉しいニュースなのですが、今回は素直に喜ぶことができないのです。

昨夜、ホテルのカジノでギャンブルに夢中になっている人たちの様子を、何気なく見ていました。明らかにに疲れた、といった顔をしている人、勝利にハシャグ人、苛立ちを隠せない人、アルコールが入りすぎの人、と様々です。言うまでもありませんが、最初からギャンブラーには勝算はありません。それなのに、皆おしみなく賭け続けるのです。

現在のマーケットはカジノに似ています。ダウ指数を見る限り、たしかにマーケットは7月から好調ですが、米国経済は逆の動きです。バーナンキ議長も認めているように、既に住宅市場は下降基調ですから、GDP(国内総生産)に更なる悪影響を与えることは間違いありません。

テクニカル的には、ボラティリティ指数(マーケットと反対に動く逆指標)が、現在の極端に低いレベルを維持し続けるのは無理です。マーケットが上昇するには、ボラティリティ指数が一桁台に大きくブレイクダウンする必要があります。

長いことトレードをしてきましたが、一つ言えることがあります。マーケットの上げスピードが速ければ速いほど、下げスピードも速くなります。今ウォールストリートがしていることは、ブタに口紅をつけて投資者たちをマーケットに引き込むことです。

とにかく今は、積極的に買う時ではありません。もし持ち株の多い人なら、下げに対しての準備はできているでしょうか?下げに備える、と言っても空売りをする必要はありません。簡単なのは「プット・オプション」を買うことです。ダウ指数に連動する、ダイヤモンド(DIA)という銘柄がありますが、この12月限、あるいは1月限のプット・オプションを買うことを勧めます。

大バカ理論、という言葉を聞かれたことがあると思います。ここで積極的に買う人は、より愚かな投資者が現れない限り、儲けることはできません。口紅を塗ったブタに騙されて、バカな投資者になってはいけません。センセーショナルなニュースで、ブタを後押しするのがマスコミです。決して信じてはいけません。」

http://tmadkam.blogspot.com/

Current Topics

狙えるセクター

はたして今月の相場が上がるかどうかは別にして、ここでトレーダーズ・アルマナック社からのデータを見てみよう。

過去10年間、12月にオイル・セクターに投資をして6月に売ると、年間平均で16.2%の利益があった。主なオイル銘柄を記しておこう。

ANADARKO PETROLEUM (APC), BP PLC (BP), CONOCOPHILLIPS (COP),
CHEVRON CORP (CVX), HESS CP (HES) , MARATHON OIL CORP (MRO),
OCCIDENTAL (OXY), REPSOL YPF S.A.(REP), SUNOCO INC (SUN),
TOTAL S.A. (TOT), VALERO ENERGY  (VLO), EXXON MOBIL (XOM)

Wall Street English

不景気がやって来る?

The Institute for Supply Management reported Friday that its factory index fell to 49.5% in November from 51.2% in October. This is the lowest level since April 2003.

10月、51.2%だったISM指数(以前は全米購買指数と呼ばれていた)は、11月、49.5%に落ち込んだ。こんな低レベルを記録するのは、2003年4月以来になる。

Readings below 50% indicate contraction in the manufacturing sector.

50%未満の数字は、製造業のマイナス成長を表す。

連銀は、低迷しているのは住宅と自動車業界だけ、という見方だったから、今日の発表で見解が変わることになりそうだ。

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