Tuesday February 20, 2007

US Market Recap

どんな着陸もありえない!?

ソフトランディング、それともハードランディングになるか、と米国経済の先行きが議論されているが、そもそも「ランディング(着陸)」という考え方が間違っている、とケン・フィッシャー氏は言う。氏は、350億ドルに及ぶ資金を運用するフィッシャー・インベストメントの最高経営責任者として知られるだけでなく、経済誌「フォーブス」のコラムニストとしても活躍している。さっそく氏の話を聞いてみよう。

米国経済ソフトランディング、ハードランディングのシナリオが実現するためには、2007年、米国住宅市場が更に落ち込む必要がある。言うまでもないが、ハードランディングは住宅市場の大きな下落を意味し、ソフトランディングは住宅市場のおだやかな減速を表す。

結論を言えば、2007年、アメリカはソフトランディングもハードランディングも起きることはない。なぜなら、予想されるような住宅市場の下落が展開される可能性がないからだ。今年はアメリカだけでなく、世界的に経済成長スピードが加速することになるだろう。

悲観的なアナリストやエコノミストの意見ばかりに耳を傾けるのではなく、直接マーケットの声を聞くことが大切だ。今、住宅市場が見せているのは、底からカムバックしようとしている姿であり、最近6カ月を振り返ってみると、住宅銘柄は既にマーケット全体を大きく上回る24%の上昇だ。もし2007年、米国住宅市場に全く回復の見込みがないなら、ここまで住宅株が買われるだろうか?

これも最近数カ月のデータだが、住宅販売件数は下がっているのではなく上向きになっている。売りに出されている住宅の数も、6カ月前より減っているから、住宅在庫数は好転している。こんな状況だから、アメリカ経済に着陸はありえない。とうぜん、ソフトランディングもハードランディングも起きない。

ということは、まだ積極的に株を買っていけるのだろうか?ベテラン・ヘッジファンドマネージャー、マイケル・スタインハート氏の意見を聞いてみよう。

マーケットの底と天井を正確に予測できる人は少ない。現在、マーケットは高い水準で推移しているが、ここが天井だとは思わない。ただ一つ言えるのは、ここから大きな上昇を考えるよりも、下げに備えた方が良いだろう。それから、あまりにも頻繁な信用取引も気になる。

ここが天井だとは思わない、とマイケル・スタインハート氏は言っているが、こんな言い方になってしまった理由は、インタビューしたジャーナリストが断定的な回答を求めたためだ。借金(信用取引)で株を買う人が多すぎる今日、スタインハート氏は10%以上の下方修正が起きやすい環境であることを強調している。

Stocks You Need To Know About

Agrium(AGU)

ケン・フィッシャー氏は、原油価格下落の恩恵を受けている、Agrium(AGU、化学肥料メーカー)の買いを推奨している。下が日足だ。

0219agu.gif

強いアップトレンドだ。ここで飛び乗るのではなく、押し目買いの良い候補銘柄だ。買いのタイミングとしては、短期トレンドライン(緑)、支持線(青)、そして20日移動平均線(赤)などが目安になる。

Wall Street English

ファンダメンタル分析の欠点

欠点、という言葉を使ったが、これはあくまでもトレーダーの立場から見た場合に限る。下はケビンさん(デイトレーダー)のコメントだ。

Even if the data is accurate, can a trader know how to properly interpret whether the data is bullish or bearish?

たとえデータが正確であったとしても、トレーダーがそれを正しく解釈できるだろうか?

ようするにケビンさんは、悪いファンダメンタル材料が買われたり、良いファンダメンタル材料が売られたりする現実を指摘しているわけだ。

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