Friday March 9, 2007

US Market Recap

sell sideとbuy side

アナリストは本当に役立つのだろうか、とまた盛んに議論されるようになった。事の発端は、と言ってもこれだけではないが、証券業界から追放になった90年代の人気アナリスト、ヘンリー・ブロジェット氏のこのコメントだ。「マーケットが上昇している。さて、あなたはどうするべきか?マーケットが横ばいだ。さて、あなたはどうするべきか?マーケットが下がっている。さて、あなたはどうするべきか?いつも同じことの繰り返しです。」

ようするに、ブロジェット氏が指摘していることは、ほとんどのアナリストには先見性がなく、起きたことに対して単に反応しているだけだ。大投資家のウォーレン・バフェット氏の言葉を借りれば、大半の人たちはバックミラーを見ながら投資判断をしているだけに過ぎない。

とまあここまで書いてみたが、何のことはない。投資者たちは怒っているのだ。先週の急落を、事前に誰も教えてくれなかった。いったいアナリストは何をしているのだ?投資は自己判断、と分かっていても誰かに責任をなすりつけたいだけだ。

さて、アナリストにはsell sideとbuy sideの二種類がある。sell sideというのは、ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、それにメリル・リンチなどの証券会社に勤務する、私たちにお馴染みのアナリストのことだ。ご存知のように、格上げや買い推奨などは、顧客による株取引回数に大きく影響するから、証券会社にとってアナリストのレポートは重要だ。

ミューチュアルファンドや、ヘッジファンドに勤務するアナリストがbuy sideアナリスト、と呼ばれる。sell sideのアナリストは、買い推奨や格上げなどの発表をするが、buy sideアナリストの意見が外に漏れることはほとんどない。もちろん、それは決して不思議なことではない。ヘッジファンドのアナリストが、いちいち皆に買いだ、売りだと手の内を公開していたのでは、ファンドの成績に悪影響をおよぼす危険がある。

正確に質問をするなら、sell sideのアナリストは本当に役立つのか、ということになる。公認証券アナリストの、ライアン・ファーマン氏の意見を紹介しよう。

「インターネット株がブームだった90年代後半ですが、一部のアナリストのためにsell sideアナリストの全体が傷ついてしまいました。手数料稼ぎや、インベストメント・バンキング部門の収益上昇を狙って、あきらかにデタラメなレポートを作成していたのですから、とにかく極めて非道徳的な行動です。

残念なことですが、今でも投資者の頭の中には「汚いアナリスト」、というイメージが残っているのです。間違いなく、アナリストのレポートは投資に役立ちます。ただ、一部のアナリストのために、sell sideのアナリストには新規制が加えられてしまいました。ですから、優秀なアナリストはbuy sideに流出しているのが現状です。」

Current Topics

雇用統計

金曜のマーケット開始前に、雇用統計が発表される。下記がアナリストの予想だ。

非農業部門新規雇用者数: +10万

失業率: 4.6%

時給: +0.3%

平均週労働時間: 33.8時間

発表は寄付き1時間前だから、先物指数の動きに注目だ。

Wall Street English

底打ち宣言?

投資アドバイザー、ウィリアム・ハンマー氏の意見だ。

I perceive this week as representing a solid reversal of direction, and one that can be sustained in the weeks ahead.

今週が力強いマーケットの反発開始になり、これは向こう数週間続くことが可能だと思う。

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