Monday October 1, 2007

US Market Recap

企業とアンケート

銀行、ホテル、レストラン、業種に違いはあるが、どれも客に逃げられてしまったら終わりだ。そうならないために、企業は常に客のニーズに応えようと努力するわけだが、ひとつ問題がある。

言うまでもなく、客のニーズを一番よく知っているのは客自身だ。そこで、企業はアンケートを取ることになる。私も飛行機の中で、笑顔の乗務員から「アンケートに協力してください」、とパンフレットのようなものを受け取ったことがある。

余談になるが、客室乗務員の持つ雰囲気は大切だと思う。普通なら、街角でアンケートに協力してほしいなどと頼まれても、先ずイエスと言うことはない。アットランダムにアンケートを何人かに配っているだけだと思うが、不思議なことに、乗務員に断っている人は一人もいなかったような気がする。

話を元に戻そう。「問題なのはアンケートです」、と言うのはportfolio.comのフレッド・ライクヘルド氏だ。アンケートの何が悪いのだろうか?さっそく、ライクヘルド氏が挙げる10項目を見てみよう。

1、質問の数が多すぎる。これでは、アンケートを見ただけで回答する気が無くなってしまう。更に、質問数が多くなれば多くなるほど、それを分析するコストも高くなる。

2、はたして、本当に適切な客からアンケートを取っているだろうか?たとえば、100の質問で成り立つアンケートの場合、一体どんな人がそれに応じているのだろうか?忙しい人は、いちいち100の質問に答えている暇は無い。しかし、こんな忙しい人ほど、アンケートの重要な対象になるのではないだろうか?

3、アンケートは単なる統計にすぎない。たとえば、Aさんが不満を表明していたとしても、会社側からは、Aさんに対して何らかの配慮があるわけではない。

4、電話でのアンケートは、アンケートというのは名ばかりで、売り込みの電話であることが多い。

5、アンケートの結果、客の満足度が高いということが分かっても、これは会社の収益とほとんど関係が無い。統計によれば、客はどんなに製品に満足していても、他社の製品も試してみるものだ。

6、アンケートを企画する会社は、業種に関係なく、同様な質問を用意する傾向がある。銀行と航空会社のアンケートが、本当に類似した質問で構成されて良いものなのだろうか?

7、質問の形式に問題がある。イエス、ノーで回答するもの、選択肢型などあるが、どれも完璧なアンケート方法ではない。

8、客のニーズや満足度は簡単に測定できるものではない。製品に対する満足度は抜群でも、客は店員の応対、アフターサービスの全てに満足しているだろうか?

9、電話などのアンケートが逆効果になり、客はその会社の製品を使うことを止めることもある。

10、アンケートのお陰で、会社が大きく改善された、という話は聞いたことがない。

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(参考にしたサイト: http://www.portfolio.com/resources/insight-center/2007/09/12/Reasons-You-Dont-Understand

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経済カレンダー

10月1日: ISM指数(9月分) これは以前、全米購買指数と呼ばれていた。

    1日: 自動車、トラック販売台数(9月分)

    3日: ISMサービス業指数(9月)

    4日: 製造業受注(8月分)

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Wall Street English

ドル、ゴールド、オイル

Gold prices rise to the highest level since 1980 as investors seek shelter from the devalued dollar. Oil remains above $80.

ドル下落に伴い、資金は金へ避難する結果になり、金価格は1980年以来の高値に達した。オイルは、相変わらず80ドル以上で取り引きされている。

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