Thursday December 13, 2007

US Market Recap

悪いタイミング

ガッカリな金利引下げ幅で急落、と思えば、水曜のマーケットは打って変わって、威勢の良いスタートだ。いったい何が起きたのか?「電撃発表」といったヘッドラインもあったが、簡単に言えば、連銀は海外の中央銀行と協力して、信用収縮問題を解決するために、大量な現金を金融市場へ注入することになった。

なるほど、それで強い寄付きになったのか、と納得しようとしたが、どうもシックリしない。あれだけ長い陰線の後、こうも簡単に跳ね上がると、何かバカにされたような気分になってしまう。

シャーク・アセット・マネージメントの、ジェームズ・デポーレ氏は、こう語っている。

今朝発表された連銀の新対策が、本当に効果的なものかどうかは分からないが、発表のタイミングが悪すぎる。マーケットは、昨日の0.25ポイントの利下げニュースをまだ完全に消化していない状態だから、連銀は少なくとも数日待つべきだった。

もちろん、株式市場の機嫌をとるのは連銀の仕事ではない。しかし、連銀は、消費者信頼感と密接な関係にある、投資心理を理解しなくてはいけない。昨日の今日といった形で、こんな発表をされると、連銀は投資心理など全く気にしていないようだ。

デポーレ氏に同感する人は多いと思う。0.25ポイントの金利引下げは、予想されていたとはいえ、期待されていた0.5を下回り、投資心理に悪影響を与えた。投資心理が冷え込めば、デポーレ氏の言うように消費者信頼感も落ち込んで、結果的には個人消費の減少に結びつく。

ジム・クレーマー氏(マッド・マネー)の意見はこうだ。

連銀の新プランは、金融機関のためでなく、国債市場のために作られたようなものだ。十分な金を金融市場に流し込む、というのが目的のようだが、金融機関は連銀からの金など要らない。現に、サブプライムで大きな損を出したカントリーワイドは、バンク・オブ・アメリカから20億ドルの金を借りることができた。

とにかく、連銀は宿題をしていない。連銀は、アナリ・キャピタルのマイク・ファーレル氏や、ゴールドマン・サックスの国債専門家たちから話を聞いて、金融業界の現状を正確につかむことだ。ここまでのバーナンキ議長を見てみると、机上の理論ばかりで、実践的な問題解決策が無い。

もちろん、皆が皆クレーマー氏のように連銀を非難していないが、こんな見方もある。

「世界の中央銀行が協力するのは良いことだ。しかし、この協力が意味するのは、現在の信用危機は、思っている以上に深刻な状態だ、ということではないだろうか。」 フレデリック・ラフィ氏(オプショネティクス)

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デポーレ氏

(参考にしたサイト: http://www.marketwatch.com/news/story/us-stocks-off-daily-highs/story.aspx?guid=%7B9C867456%2D3094%2D49F3%2D9935%2DD37F3529F9EF%7D

http://www.businessweek.com/investor/content/dec2007/pi20071212_418780.htm?campaign_id=rss_daily

http://www.cnbc.com/id/15838459

Stocks You Need To Know About

竜頭蛇尾

S&P500指数に連動するSPYの15分足チャート(大引けまで20分)

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連銀から新プランが発表され、寄付きだけは強かったが、下降する20移動平均線の方向を変えることはできなかった。

Wall Street English

波乱なマーケット

正に乱高下の一日だった。

After surging in the morning on Fed news, major indexes turn south as investors look at negative announcements from Wachovia and Bank of America.(CNNから)

連銀のニュースで、午前中は力強いマーケットだったが、ワコビアとバンク・オブ・アメリカからの悪い発表で、マーケットは下げに転じた。

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