Wednesday March 26, 2008

US Market Recap

超大幅航空料金値上げが実施される!?

原油の値上がりで頭が痛いのは航空会社だ。10月、1バレルあたり80ドル以下だった原油は、先週瞬時110ドルを記録し、現在100ドル70セントで取引されている。下が日足チャートだ。

0326oil.gif

(チャートはINO.comより。 移動平均線は50日)

それでは質問しよう。もし、原油が100ドル台に定着した場合、航空会社は利益を上げることができるのだろうか?

下は、メリルリンチからの資料だ。

航空会社 75ドル 95ドル 100ドル 110ドル
アラスカ航空 $104 $14 ($9) ($54)
アメリカン航空 $797 ($538) ($872) ($1539)
コンチネンタル航空 $444 ($12) ($126) ($354)
デルタ航空 $538 ($100) ($260) ($579)
ノースウエスト航空 $488 $43 ($69) ($291)
ユナイテッド航空 $540 ($116) ($280) ($609)
合計 $2913 ($709) ($1615) ($3426)


(注:単位は100万ドル。カッコ内の数字は赤字を示す。)

簡単に、一番下のユナイテッド航空を使って説明しよう。

・もし2008年度、原油価格の平均が75ドルの場合、ユナイテッド航空は5億4000万ドルの黒字になる。

・もし原油価格が95ドルになると、ユナイテッドは赤字に転落し、その額は1億1600万ドルになる。

・原油が100ドルなら赤字額は2億8000万ドル。

・原油が110ドルなら赤字額は6億900万ドルに達する。

ようするに、原油が100ドル台に落ち着いてしまったら、全ての航空会社は赤字経営になるわけだ。

FTNミッドウエスト証券のアナリスト、マイケル・ダーチン氏は、こう語っている。

「航空業界は、厳しい適者生存の時代に入った。航空料金は大幅な値上げが実施され、現在国際線で適用されている燃油サーチャージが、国内線にも適用されることになるだろう。」

USA TODAYによれば、各航空会社は既に切り詰めるところまで切り詰め、これ以上の節約は難しい状態だという。そこで、少しでも機体を軽くして、ジェット燃料の消費量を減らそう、という動きが出てきた。たとえば、ジェット・ブルー航空は、エアバスA320型の航空機から座席を6つ取り外した。アラスカ航空の場合は、機内食に使うカートを軽いものに取り替えた。しかし、それらは微々たる節約にしかならないようだから、やはりダーチン氏の言うように、航空料金大幅値上げしか解決策が無いようだ。

(参考にしたサイト:http://www.usatoday.com/money/industries/travel/2008-03-24-jet-fuel-costs_N.htm

Stocks You Need To Know About

原油に連動するUnited States Oil (USO)

日足 (大引けまで約30分)

0325uso.gif

上昇する50日平滑移動平均線の直ぐ上に、買い圧力を示す、下ヒゲの目立つローソク足を形成した。一先ず、利食いが終了したようだ。

Wall Street English

消費者信頼感指数(3月分)

Consumer confidence at 5-year low

上はCNNからだが、at 5-year lowということで、消費者信頼感は5年ぶりの低レベルに落ち込んだ。

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