Tuesday November 18, 2008

US Market Recap

マーケット関係者が語る6つの不安材料

積極的な買い手が、なかなか現れない。不景気なのだから当然だ、と片付けてしまう人もいるが、やはりこれだけウォール街の醜態を見せつけられては、株を買おうなどという気になれない投資家が多い。


複雑な、訳の分からない不動産ローン証券/不動産担保証券で膨大な損を出し、挙句の果ては経営難に陥り、ポールソン財務長官(ゴールドマン・サックス最高経営責任者歴任)に泣き込んで、7000億ドルの金融安定化法案を可決させた。

金融市場の混乱で株は大きく下げ、401K(企業年金制度)は201Kになってしまった、というジョークがあるくらい庶民の口座残高は大打撃を受けた。しかし、7000億ドルの可決直後、ウォール街のしたことは700億ドルにおよぶ幹部連中へのボーナスの支払いだ。

ウォール街が失った信用を回復するには、かなりの時間がかかると思うが、マーケット関係者が語る、投資家が積極的になれない他の理由を見てみよう。

・ランディー・フレデリック氏(チャールズ・シュワブ): 11月13日の動きで分かるように、マーケットはサポートレベルに接するたびに、一転反発するというパターンが、ここ2カ月ほど続いている。問題は、このサポートレベルが崩れた場合、マーケットは、いったいどこまで下げるだろうかという不安感がある。

・ジェームズ・リード氏(UMBスカウト・ファンド): 選挙が終わり、次の大統領は誰になるか、という疑問は解決した。しかし現時点では、オバマ氏が、実際にどのような政策を実施できるかは分からない。

・スティーブ・ニーメス氏(AIGサン・アメリカ・アセット・マネージメント): 10月、米国失業率は6.1%から6.5%に上昇しただけでなく、多数の企業が年末から年始にかけて社員を削減することを発表している。もし失業率が8%を超えるような事態となれば、個人消費はいっそう冷え込み、予測されている2009年度経済回復は難しくなる。

・ランディー・フレデリック氏(チャールズ・シュワブ): 明確になった景気の後退で、ほぼ全ての主要小売業者が、年間で最も重要なクリスマスの売上予想を下方修正し、株式市場に悪材料となっている。しかし、かなり大幅な修正だから、この低くおさえられた予想を上回る売上結果が発表されれば、マーケットに好影響となる可能性はある。 

・ジェームズ・リード氏(UMBスカウト・ファンド): 株式市場の低迷で、ヘッジファンドも大きな損を出している。そのため解約者が殺到しただけでなく、経営危機から脱するために、株を売って資金繰りをしなければならないヘッジファンドもある。問題は、私たちには、ヘッジファンドによる売りが、いつになったら終了するのかが分からない。

・ラルフ・シーブ氏(ファースト・ソース・ファンド): 世界の政府が、膨大な資金を注入して、金融市場の安定化を図っているが、それが成功するかは、まだ誰にも分からない。

 

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(情報源:http://www.businessweek.com/investor/content/nov2008/pi20081114_324602.htm

http://www.huffingtonpost.com/2008/10/18/wall-street-banks-pay-bon_n_135878.html

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