クラウドファンディング

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クラウドファンディングは「ベンチャー投資のあり方を破壊する」

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「クラウドファンディング」とは、趣旨に賛同した人々からインターネットを通じて特定の目的を達成するために出資を募るサービスのこと。

  

アメリカでは、イノベーションを加速する新法が昨年6月に施行された。

これがきっかけとなり、スタートアップは不特定多数の人々から小口資金を集められるようになった。

今までは、純資産100万ドル以上、または年収20万ドルといった要件を満たす「Accredited Investor(適格投資家)」でなければ、スタートアップに投資ができなかったのだ。
 
それが今回の法改正で、オンライン・ポータルを介して株式と引き換えに、100万ドルまで資金を調達できるようになった。

   

クラウドファンディングのパターン

  

報酬型

最も一般的なクラウドファンディングの形態。プロジェクトやサービスの趣旨に賛同した利用者が少額出資し、見返りにプロダクトやギフトを受け取る。代表的なサービスに、キックスターターやインディゴーゴーなど。

 

寄付型

利用者が見返りや報酬をいっさい求めない完全な寄付型のクラウドファンディング。社会起業家や、チャリティ関連のプロジェクトが対象となることが多い。代表的なサービスに、GoFundMe(ゴーファンドミー)やCrowdRise(クラウドライズ)など。

 

貸付型

起業家がローンを組む形で資金調達できるクラウドファンディングの形態。出資者に対して利息を支払う方法のため、起業家は自社株を手放さずに済む。代表的なサービスに、LendingClub(レンディングクラブ)やProsper(プロスパー)など。

 

投資型

投資家が株式と引き換えに出資できるクラウドファンディングサイト。2016年5月のJOBS法第3章施行により、適格投資家以外の一般人にも解禁された。代表的なサービスに、クラウドファンダーやWefunder(ウィーファンダー)など。

 

 

日本でも、朝日新聞が A-Port  や 不動産特化型-1万円からの不動産投資  などがある。

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資金提供者へのリターンが大きいのは投資型。

つまりビジネスチャンスが大きくなるわけだ。

だが日本で行われているクラウドファンディングでは、寄付型あるいは購入型が多い

なぜなら、投資型は金融商品取引法による規制があるためだ。

  

立ちはだかる金融商品取引法

では、投資型のクラウドファンディングは、金融商品取引法によりどのような規制を受けるのだろうか?

投資型による資金調達を行う場合や投資型の資金調達を仲介するためには金融商品取引法に基づき第2種金融商品取引業の登録が必要になる。

寄付型と購入型の場合は、基本的には金融商品取引法の規制を受けない。

 

投資型における資金の提供は、組合契約の締結により行われることが多く、この組合契約に基づく資金の提供(=出資)は、いわゆる「集団投資スキーム持分」という金融商品取引法の規制対象である有価証券の一種に該当する。

そして、この集団投資スキーム持分の資金提供者を集めたり、それを仲介するためには、第2種金融商品取引業の登録が必要となるからだ。

 

この第2種金融商品取引業の登録が必要なことが、日本のクラウドファンディングで投資型が少ない理由となっている。

 

 
登録であれば必要書類を役所に提出すればよいだけだから、簡単なのか?

というと法律上はその通りなのだが・・

 

実態は役所の担当官と何度も面談をしてスキームを説明するために時間がかかるのだ。

また、提出書類は専門的な内容で専門家のアドバイスなしでの作成はかなり難しく、コストがかかる。

 

さらに、登録後の運用段階でも、金融庁の監督下で金融商品取引法に基づく規制を受けることになるからだ。

 

クラウドファンディングの法規制(基礎編)

クラウドファンディングに関する法律知識(基礎編)

  

  

「現代のパトロン」クラウド・ファンディングの落とし穴

悪意はないが、プロジェクトが中断してしまうこともある。特に最近のメイカーブームのせいで増えているハードウエアのプロジェクトでよく起こる。アイデアを練り、絵を描いて、プロトタイプを作るくらいのところまではいいが、その後は大変な知識を必要とするプロセスだ。何100、何1000と量産するための材料や部品の調達はどうするのか、製造はどこでやるのか。

たいていは、経験がないためにコスト計算を間違って、思った以上に金がかかるということがわかったりする。プロジェクトがその結果取り止めになっても、資金を提供した人々には金は戻ってこない。

もっと高度なリスクもある。たとえば、大切なIP(知的財産)をみんなに公開してしまって、真似されてしまうというケース。大切に育んだいいアイデアを公開したばかりに、制作や製造のプロが横取りして簡単に作ってしまう。

また、クラウド・ファンディングで失敗すると、なかなか立ち直れないらしい。

それはこういうことだ。ベンチャー・キャピタルから資金を集めようとした際には、ここで断られたら次へ行くということができる。そして、いったん資金をもらったら、ベンチャー・キャピタルが失敗させないようにあの手この手を打つだろう。万が一失敗しても、かつてベンチャー・キャピタルから資金を調達したということ自体が、肯定的な過去の業績になることもある。

ところが、クラウド・ファンディングでしくじってしまうと、とても公に失敗をさらすことになる。しかも資金を出すのは普通の人々なため失敗に慣れておらず、反応も否定的になる。資金を出した人々から「ひどい失敗をした人」というレッテルを貼られてしまって、それが広まり、少なくとも二度と同じクラウド・ファンディングのサイトで資金を集めることはできないだろう。

 

  

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