Friday November 11, 2005

US Market Recap

ノーベル賞受賞者が語る5つのルール

「ウォールストリートは単なるステージにすぎません」、と言うのは経済コラムニストのポール・ファーレル氏だ。「証券会社、ミューチュアルファンド、アナリスト、投資ストラテジスト、出演者は多彩です。皆それぞれ脚本に従って役を演じますが、だれ一人として自分が役者であることを認めようとしません。けっきょく、皆、何も分かっていないのです。」

更に氏はこう付け加える。「投資者も、専門家たちの意見を分かったふりをしているだけです。米国経済、株式市場のことなど全く理解できていないのですが、いつも微笑みを浮かべて、自分たちをごまかしています。既にマネー誌が取り上げましたが、今こそ経済学でノーベル賞を受賞した、ダニエル・カーネマン氏の言葉を思い出すべきです。」さっそく投資に役立つ、カーネマン氏が指摘する5つの事項を紹介しよう。

1、全てのデータを信用するな。
正確に言うと、データそのものに問題は無い。悪いのは、私たちのデータ解釈方法だ。たとえば有名ファンドマネージャー、ビル・グロス氏の言葉がウォールストリートジャーナルに引用されていたとしよう。それを読んだあなたは、グロス氏の意見をどう取るだろうか。氏の言うことだから間違いない、と簡単に鵜呑みしてしまわないだろうか。

2、いつも冷静に。
証券会社の作戦にはまってはいけない。思い出して欲しいのは、90年代のインターネット株ブームだ。多数の投資家が、いい加減なレポートに熱狂してしまい、ドット・コム銘柄は常識を超える暴騰になった。冷静な頭で判断すれば、収益ゼロの会社を狂ったように買うことはなかったはずだ。

3、投資アドバイザーの意見を頼るな。
テレビに出ているからといって、アドバイザーを信じる必要はない。彼らの興味は購読者を増やすことだから、アドバイザーたちの言うことはセールストークだ。

4、口座残高ばかりを気にするな。
残高の動きだけを見ていると、感情的な投資家になってしまう。上記2でも述べたが、大切なのは冷静さだ。

5、総合的な立場で投資しよう。
一つの銘柄やセクターだけに集中投資するのではなく、バランスのとれた投資を心がけよう。これなら一つの銘柄がダメでも、他セクター銘柄が損を補ってくれる。

Stocks You Need To Know About

こんな安値は13年ぶり

決算報告書には、事実以上の利益が記されていた。こんなニュースだから、ゼネラルモータースは窓を開けての下げでスタートを切った。昨日、最近の安値を割った時点で空売った人は、さぞ喜んでいることだろう。

1110GM.gif

Wall Street English

倒産の確率

世界最大のオートメーカー、ゼネラルモータースが2001年度の決算を報告し直すことになった。原因は収益を実際の金額よりも、約4億ドル多めに発表したためだ。この報道の後、バンクオブアメリカのアナリストは、次のようなコメントを出した。

Banc of America analyst Ron Tadross raised his two-year bankruptcy risk for GM to 40% from 30%, reiterated a sell rating and cut his price target to $16 from $18.

2年以内にゼネラルモータースが倒産する確率が、30%から40%に引き上げられた。格付けは「売り」、そして目標株価も18ドルから16ドルに下方修正された。

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。

発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット