Saturday June 17, 2006

US Market Recap

米国不動産は暴落する?

DRホートン、Pulteホームズ、レンナー、KBホームズ、Tollブラザーズ、といえば主な住宅建築銘柄だが、去年の夏から30%から50%の大幅下落だ。AGエドワーズのアナリストは、こんなメモを顧客に送った。「住宅市場のソフトランディングシナリオは、もはや無効です。」米国住宅市場は、暴落の運命にあるのだろうか?

ビジネスウィーク誌の報道によれば、6月13日、ハーバード大学は米国不動産に関する楽観的なレポートを発表した。さっそく要点を見てみよう。

楽観的といっても、上昇する不動産ローンの金利とエネルギー価格が悪影響になり、ハーバード大学の研究員たちも、住宅市場の冷えこみを予測している。しかし、健全な雇用状況や移民による人口の増加は、更に住宅需要を伸ばす結果になるから、あるていど住宅市場の冷えこみを抑えることができる。

研究員の一人、レイチェル・ドゥルー氏はこう語っている。「パニックする必要は全くありません。たしかにアメリカの住宅市場は下向きになりますが、急激な後退を招くことなくソフトランディングになるはずです。住宅価格の大暴落を予想するアナリストもいますが、それは極論です。たとえバブルが弾けても、空気はゆっくりとしたペースで抜けていきますから、暴落はありえません。

1980年代のテキサス、そして1990年代にカリフォルニアで大きな住宅価格の下落がありましたが、これは住宅マーケットが熱くなり過ぎて起きたわけではありません。一番の原因は、急ピッチな住宅建築です。新築住宅数が極端に増え、市場の需給関係が完全に崩れてしまいました。また、80年代にはオイル産業の不振でテキサスは失業問題が深刻になり、同様に90年代のカリフォルニアも、軍事産業の低迷で多くの失業者が出ました。」

楽観的なハーバードの見方に同意する人でも、住宅市場は冷え込むわけだから、ここで積極的に不動産投資をすることはありえない。しかし、「待った!」の声が聞こえてくる。「不動産悲観論が主流の今日ですが、まだ良いチャンスが残っています」、とロバート・キヨサキ氏(「金持ち父さん、貧乏父さん」の著者)は言う。少し話を聞いてみよう。

「誰でも不動産で儲けられる時代が終わりました。これからは、プロだけが生き残れるマーケットです。ブルマーケットでは、物件の値段が面白いように上がりましたから、売り手は簡単に予想以上の利益を得ることができました。現在の状況では、前のように素早く物件が売れませんから、売り手に焦りが見え始めています。買い手は、物件の正当評価額などを詳しく調べることで、かなり有利な条件で住宅を購入できることでしょう。とにかく今は、慎重に情報を集めて、じっくりと売り手と交渉する、プロの態度が必要です。」

ハーバード大学のレポートは、2005年までの資料をもとに作成された。だから、今年に入ってからの住宅市場冷えこみは含まれていない。レイチェル・ドゥルー氏は、2006年度第1四半期の住宅価格下落は、予想以上に大きかったと言う。しかし、氏のソフトランディングのシナリオは変わらない。

Stocks You Need To Know About

期待ハズレに終わった底値拾い

先月、新薬に許可が下りず、ニューロクライン・バイオサイエンス(NBIX)は暴落になった。その後、しばらく横ばいが続き、ここを底と読んで買っていた人が多かったことだろう。しかし、これだけ下げたNBIXに、今朝Robert W. Baird社から格下げが発表された。まだマーケット終了まで時間が残っているが、今のところ20%以上の大きな下げだ。

底値拾いを非難する気持ちは無い。ただ、基本的には横ばいの最中に買うのは早すぎる。できれば、抵抗線の突破を確かめてから出動したい。

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Wall Street English

説得力に欠ける?

二日間で300ポイント以上のラリーを展開したダウ指数だが、こんな見方をするアナリストが多い。

"One or two days of a rally does not mean that much," cautions Price Headley, chief analyst at BigTrends.com. Headley, citing historical patterns, notes that the beaten-down market was due for "a bounce." But for the bounce to stick, stocks will likely have to drop again and prove that they can stay above the lowest levels hit in the current downdraft.

BigTrends.comのチーフ・アナリスト、プライス・ヘッドレイ氏によれば、一日二日のラリーには大した意味がない。なぜなら、大きな下げの後には、なんらかの反発があるものだ。それよりも、次の下落で最近の安値を下回らないことの方が重要だ。

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