Monday July 10, 2006

US Market Recap

コントラリアンが薦める8銘柄

株価は決して適切に動くことは無い、と言われる。予想以上に良い決算が発表されると、株は異常なレベルまで買い煽られ、著名アナリストによる格下げは、株価を一日で半減させてしまうこともある。こんな投資者たちの行動が証明していることは、圧倒的な買いは好材料発表直後に起きやすい、という事実だ。

コントラリアンと呼ばれる、逆張り投資家がいる。人の反対を行くやり方だが、だからといって全ての悪材料で買うわけではない。コントラリアンが興味があるのはニュースそのものよりも、感情的になった大衆が作り出す値動きだ。

「逆張りを中心にしたニュースレターで、ターンアラウンド・レターがあります。成績ですが、1988年から今日までを見ると、毎年平均で14.7%の利益を上げています」、と語るのはハルバート・ファイナンシャル・ダイジェストのマーク・ハルバート氏だ。比較のために一つ記しておこう。同期間、ウィルシャー5000指数(米国に上場されている株を全て含む総合指数)は、年平均で11.8%の伸びがあった。ハルバート氏の話を続けよう。

「最近問題になっているのが、経営陣によるストックオプションの行使です。公平な行使は、現行の株価を基準にして行われなければいけませんが、報道されたように、大手企業の経営陣たちは、日付をさかのぼらせてオプションを行使していたのです。

7月号のターンアラウンド・レターも、不公平なストックオプションの行使を批判しています。しかし、エディターのジョージ・パットナム氏によれば、不正な行使は許されるべきではないが、今回のストックオプション問題は、短期的に企業イメージを傷つけるだけにすぎない、とのことです。

多くのアナリストは賛成しませんが、パットナム氏は更にこう述べています。「経営陣による、不正なストックオプション行使のニュースは、株価を大きく下落させることになった。しかしながら、コントラリアンの立場から検討すると、これは買いのチャンスだ。」

ようすに今回のスキャンダルで、極端なレベルまで売り叩かれた銘柄の中に買いチャンスがある、とパットナム氏は言っているわけですが、実際にはどの株が良いのでしょうか?パットナム氏は、まだ買い推奨を出していませんが、現在検討中の銘柄として8銘柄あげています。さっそく紹介しましょう。アポログループ(APOL)、ブロードコム(BRCM)、ホームディポ(HD)、マカフィー(MFE)、メダレックス(MEDX)、マイクロソフト(MSFT)、オープンウェイブ・システムズ(OPWV)、そしてビテッセ・セミコンダクター(VTSS)です。」

おびただしい数のニュースレターがあるが、ハルバート氏によればターンアラウンド・レター以外にAPOLを推奨するのは2紙、BRCMは1紙、HDは14紙、MFEは2紙、MEDXは1紙、MSFTは16紙、OPWVは3紙、そしてVTSSは0紙、ということだ。

Current Topics

異常に多い空売り

マーケット戦略家のマイケル・パンズナー氏が興味深い数値を紹介した。下を見てほしい。

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2005年5月6日時点で、ナスダック100先物指数の買い残と売り残をみると、売り残は全体の23.78%に相当した。その時のナスダック100指数は1458.0、そして6週間後には1548.0に上昇し、6.17%の伸びとなった。

その下は、2005年10月21日時点の様子だ。売り残の占める割合は23.46%、6週間後には8.54%の成長を遂げていた。

注目は先月末での売り残だ。23.52%の高いレベルに達しっている。夏のラリーが期待できるのだろうか。

Wall Street English

もう原油価格は下がらない!?

先ず見出しから。

Farewell to $60 oil; Brace yourself for $80

ということで60ドルオイルの時代が終わり、80ドルの時代が来る、ということなのだが、ウィズダム・ファイナンシャルの、エマニュエル・バラリー氏はこう語る。

Producers and consumers alike should get used to the fact that oil prices will likely never fall below $60 a barrel again.

オイル価格が、60ドル以下になることは二度とないだろう、と要約できるが、コントラリアンの立場から見れば、こんな極論が出るときが天井になりやすいものだ。

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