Tuesday July 11, 2006

US Market Recap

人工知能がウォールストリートを支配する!?

週末、ゆっくりと新聞や雑誌を読む投資家が多い。面白そうな銘柄探しだけが目的ではないが、チャットルームでは、ニューヨークタイムズの記事が話題になっていた。「なぜコンピューターは、多くのファンドマネージャーが知らないことまで知っているのか?」、というのがタイトルの直訳になる。どう考えても、ファンドマネージャーを称賛しているとは思えない。報道したのはズービン・ジェルベ氏、要点を拾ってみよう。

マトリクスなどの映画で分かるように、私たち人間は人工知能によって運命を左右されることを好まない。それなら何故、大切な投資資金をコンピューターに任せるのだろうか?答えは、それが効果的だ、という現状があるからだ。

クアントファンドと呼ばれる、コンピューターが選び出した銘柄を中心に投資するミューチュアルファンドが存在する。過去3年間を見てみると、一般のファンドを上回る成績を上げ、投資者たちの関心を集めるようになった。

1985年、バンガード・グループはクアントファンドを開始した。2002年、40億ドルだった投資資金は、2005年末、200億ドルに膨れ上がっている。現在、ミューチュアルファンドが抱える総資金は9兆5000億ドルと言われるから、クアントファンドが運用する金額は微々たるものだ。しかし、バンガードの実例は人工知能を無視できないものに変えた。

クアントファンドには2種類ある。銘柄の選択から、売買までの全てをコンピューターが行うもの。もう一つは、データをコンピューターに分析させて、有望な投資銘柄リストを作る。そして、最終的な銘柄選択と売買タイミングは人間が決定する。バンガード・ストラテジック・ファンドが前者に当たり、今年の成績は+5.9%だ。後者の例としては、クアント・フォーリン・バリューファンドがあり、今年+11.1%の成績を上げている。

クアントファンドの強みは、何と言ってもスピードだ。膨大な情報量を、迅速正確に分析できるから、人間は絶対に勝つことができない。たとえば、チャールズシュワブ社は、コンピューターを駆使して、約3000銘柄のファンダメンタルズとテクニカル要素を分析して、各銘柄にAからFまでの評価付けをしている。その結果、ファンドマネージャーは評価の高い銘柄を簡単に選ぶことができるから、リスクの減少に結びつくわけだ。

コンピューターには感情が無いのもクアントファンドの良さだ。ダメなものは直ぐ損切ってくれるから、難平買いをして、大きな穴を開けるようなことは無い。それに、コンピューターは給料やボーナスも不要だからファンド会社は経費を節約できる。

もちろん、人工知能には大失敗もある。コンピューターが政治的要素を分析できなかったばかりに、大手ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネージメントが1998年に破綻したことを覚えている方々もいることだろう。モーニングスター社の、グレッグ・カールソン氏はこう語っている。「全自動で、どんな時代にも適用できるクアントファンドなどありえません。既に起き始めていることですが、人間が絶えず新しい情報をコンピューターにインプットしていかないと、人工知能は使いものになりません。3年前のプログラムでは、今日のマーケットで利益を上げることはできません。」

Stocks You Need To Know About

ワールドカップはイタリアが勝った、そこで

イタリアファンドの日足を見てみよう。

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優勝ムードで、この三角形からブレイクアウトできるだろうか?

 

Wall Street English

新記録

まずヘッドライン。

Disney's Pirates brings in $132M, takes box office record

週末封切りになった、ジョニー・デップ主演の「Pirates of the Caribbean」が1億3200万ドルのチケットを売上、新記録を達成した。

以前の週末チケット売上記録は、スパイダーマンの1億1480万ドル。

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