Tuesday November 28, 2006

US Market Recap

株で賃貸料稼ぎ

あなたの持ち株が一時的に貸し出されている可能性がある、とリズ・モイヤー氏(フォーブス・ドット・コム)は言う。貸し出されている?ご存知のように、空売りをするには、対象になる株を借りる必要がある。特に、ヘッジファンドは大量な空売りをするから、株を貸すことで証券会社は料金稼ぎができる。だから、ひょっとしたら、あなたの持ち株も、既に借用されているかもしれない。無断で借りるとはケシカラヌ、と憤慨される方のために、モイヤー氏は、こんな例を紹介している。

カリフォルニア州に在住する、ロジャー・メッツラー氏は、ノバスター・ファイナンシャル(NFI)に投資している。一株あたり5ドル60セント、利回りに直せば18.5%の配当金が、何と言っても大きな魅力だ。アメリカの住宅市場冷えこみが原因になり、ここ2年間、不動産上場投信のNFIには大きな空売り残がある。しかし、メッツラー氏は、全くそんなことを気にしていない。

メッツラー氏は、持ち株の32000株を貸すことで、証券会社と同様に料金稼ぎをしているのだ。この料金がバカにならない。氏の口座はスミス・バーニーにあるのだが、毎年13%の利回りに相当する賃貸料金を手に入れることができる。もっと細かく言えば、配当金が5ドル60セント、賃貸料が4ドルだから、一株あたりの総利益は9ドル60セントだ。

証券会社は、株をヘッジファンドや大手投機筋に貸すことで、年間100億ドルにのぼる収入を得ている。株を借りるのは、空売りだけが理由ではなく、金融派生商品(デリバティブ)取引にも、現物の株が必要になる場合が多い。しかし、メッツラー氏のように、個人投資家が株を貸して料金を稼いでいるのは、ごく希なケースだ。

誤解を招く前に説明しておこう。あなたの株は、既に借りられているかもしれない、と記したが、証券会社が自由に借用できるのは、顧客の信用取引口座(マージン・アカウント)に入っている株だけに限られる。メッツラー氏のように株を貸して料金稼ぎをしたいなら、株は信用買いではなく、現金で全て買ってしまわないといけない。

借りることが難しい銘柄だけに限って、チャールズ・シュワブは顧客に賃貸料の一部を支払っている。実際にシュワブに口座を持つ個人投資家の話によると、ノバスター・ファイナンシャル(NFI)の場合、顧客には8%の支払いがあるようだ。

真剣に賃貸料金稼ぎを考えるなら、どの銘柄に空売りが集中しているかを確認しなければいけない。空売り人気が高ければ、借りられる株数も少ないから、有利な条件で貸すこともできる。最近の人気空売り銘柄を見てみよう。Netflix(NFLX)、Martha Stewart Living Omnimedia (MSO)、Krispy Kreme (KKD)、NYSE Group (NYX)、そしてOverstock.com (OSTK)などがある。特に、一番最後のOSTKの空売り人気には異常なものがあり、賃貸料金は何と利回りに換算すると54%にのぼっている。

手数料ゼロを導入する証券会社も出始めているように、株を貸すことは、証券会社にとって重要な収入源だ。それだけに、賃貸料金を顧客と分ける証券会社は少ない。繰り返すが、メッツラー氏のようなケースは希だ。

Stocks You Need To Know About

スパイダー

S&P500指数に連動する、スパイダー(SPY)の日足チャートを見てみよう。

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大引けまで25分ほど残っているが、上昇するトレンドラインを割っている。出来高の増大にも注目だ。さて、週足に移ろう。

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先週、同時線ができて、方向転換の可能性が示されていた。以前の高値近辺まで修正しそうだ。

Wall Street English

まずまずのスタート

A Fast Start for Holiday Retail

ということで、クリスマス・セールは好調なスタートを切ったようだ。しかし、

But several retailers were left out of the celebration. Wal-Mart (WMT), the world's largest retailer, expects same-store sales for November will decline 0.1%, its first monthly sales decline in 10 years.

小売最大手のウォルマート(WMT)の売上(11月分)は0.1%減が予想され、月の売上がマイナスになるのは10年ぶりだ。

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