Wednesday November 29, 2006

US Market Recap

経済記事は真実?

またしても、全国小売連盟(NRF)からの発表に非難の声が上がっている。感謝祭の翌日(11月24日)が、「黒い金曜日」と呼ばれ、クリスマス・セールの開始日になることは先日も話したが、問題になっているのは、その週末3日間に関する売上ニュースだ。

全国小売連盟の調べによれば、買い物客は平均で360ドル15セント(4万1820円)の金を使い、去年の黒い金曜日の週末を18.9%上回った。好調な滑り出しだが、この360ドル15セントは正確な数字ではない、とファンド・マネージャーのバリー・リットホルツ氏は言う。

「最初に指摘したいのは、全国小売連盟は第三者的な機関ではなく、小売業者のスポークスマン的な存在です。違った表現をすれば、同業者団体である全国小売連盟の役割は、小売業界のチアリーダーです。ですから、発表された数字を鵜呑みすることはできません。

ビジネスニュースで有名なCNBCも、同じ週末三日間の売上を調査して、こう報道しています。「多数の買い物客がショッピングセンターに押し寄せたが、黒い金曜日の週末売上は、2005年度と同程度、またはやや下回ることになりそうだ。ガソリンやエネルギー価格が最近下がっていただけに、これは予想外の結果だ。具体的には、46%の消費者が「去年と同程度の金額をクリスマス・ギフトに使う」、と答え、32%は「去年より少なくなる」、と回答している。」

CNBCが正しくて、全国小売連盟の数字はいい加減だ、と言いたいわけではありません。だれが調査をするかによって、結論も全く違ってくることを示したかっただけです。私個人的な意見ですが、現在の米国経済を考えると、たぶん売上は+2%から+4%の範囲になると思います。ですから、CNBCの言う「去年と同程度」の方が信憑性があります。

困るのは、経済ニュースで最も権威のある、ウオールストリート・ジャーナルからの報道です。「業界団体の調べによると、今週末、買い物客は平均で360ドル15セントを使い、去年の302ドル81セントを約19%上回った。去年と同様に、安売りを専門にするディスカウント・ストアの人気が高いが、ディスカウント・ストアに今週末行った、と答えた人の数は50%にあたり、去年の61%から大きく減少している。」

インターネットの発展で、新聞会社の経営が苦しくなっています。記者の数も減っていますから、情報の正確さが、ひとつひとつ確認されていない記事です。全国小売連盟の売上調査方法を記しておきましょう。ショッピングセンターで買い物客をつかまえて、こう質問します。「なかなか混んでますね。買い物予算は、去年をどのくらい上回りそうですか?」繰り返しになりますが、全国小売連盟は小売業界のチアリーダーです。実際に、買い物客の領収書を見て出した数字ではありません。」

Stocks You Need To Know About

QQQQ

ナスダック100指数に連動する、QQQQの日足チャートを見てみよう。

1128qqqq.gif

昨日の大陰線を受けて、弱い寄付きだったが、20日移動平均線に買い手が待っていた。単なる月末の「お化粧」かもしれないが、先週の高値に挑戦できそうだ。

Wall Street English

二つのヘッドライン

連銀のバーナンキ議長が、米国経済に関する見解を述べた。ここで、二つのヘッドラインを紹介しよう。

Growth moderating, inflation looks better: Bernanke

バーナンキ議長、「経済成長速度は緩和し、インフレ状況は良くなっている。」(ダウジョーンズ社報道)

Bernanke: Inflation still a threat

バーナンキ議長、「いぜんとしてインフレは脅威だ。」 (CNNニュース報道)

まるで、二人のバーナンキ氏がいるようだ。


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