Wednesday December 20, 2006

US Market Recap

消費者ムードが悪化するアメリカ

6月の底から、ダウ指数は16.2%の上昇だ。悪くない、と思われるかもしれないが、海外に目を向けると全く自慢できる成績ではない。同時期を比べてみると、オーストラリアの成長株に投資するファンドは+26.3%、ブラジルは+46%、そして中国は+53%だ。なぜ、米国株式市場はこうも遅れをとってしまったのだろうか?さっそく、マーチン・ワイス氏(MoneyandMarkets.com)の意見を聞いてみよう。

「アメリカは史上最大の貿易赤字を抱えています。それに、多額な財政赤字もあります。米国経済に重要な、自動車産業と住宅市場は低迷していますから、国内経済成長率は貧弱な+2.2%です。

これは、滅多にマスコミが取り上げることはありませんが、消費者のムードに変化が起きています。具体的に言えば、4月、110を記録した消費者信頼感指数は、11月、102.9に下落しています。2002年の2月、と言えば9月11日の惨事から、まだ回復ができていない状態ですが、60%の国民がアメリカ経済は良い方向に向かっている、と回答しています。しかし今日、この数値は、たったの25%にすぎません。

どうして消費者は、こうも悲観的になっているのでしょうか?長引くイラク戦争を指摘する人たちもいますが、大きな原因は二つあります。先ず、極めて低い貯蓄率です。そして、クレジットカードや車のローンなどの借金です。特に、ここ7年間の借金は異常なスピードで増えています。これだけの借金を抱えるには、普通なら200年ほどかかるはずです。

ブラジルとオーストラリアの株が好調ですが、両国には、広大な土地と豊な資源があります。しかし、オーストラリアには、一つ欠けているものがあります。労働力に必要な、人口が少ないのです。以前なら、ヨーロッパやアジアからの移民はアメリカに限られていましたが、最近はオーストラリアに人材が向かっています。この移民政策が成功して、ここ14年間、オーストラリアは不況に襲われたことがありません。

4年前、ブラジルに新政権が誕生した時、ウォールストリートはブラジル経済の大きな冷えこみを予想しました。しかし、現実は、その全く反対になったのです。ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は貿易に力を入れ、国内経済の再建に成功しました。それだけでなく、国際通貨基金から借りていた金も返済したのです。

ブラジル、オーストラリア、中国に投資する簡単な方法は、ミューチュアルファンドや上場投信を利用することです。注意したいのは、上げが続いている時に買うのではなく、利食いによる下げが来るのを待ってください。人気化しているものに飛び乗るのは、高値つかみになりやすいですから、気をつけてください。それから、資金の全部をブラジルやオーストラリアにつぎ込むのではなく、必ず一部を短期債券に回すことを勧めます。」

Stocks You Need To Know About

リバーサルデイ

まだ大引けまで40分ほどあるが、今日のマーケットは「一転反発」の見本だ。

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ギャップダウンで寄付いたS&P500指数に連動するスパイダー(SPY)だったが、上昇する20日移動平均線が支えになった。午後になってから上げに弾みがつき、昨日のローソク足に大きく食い込んでいる。これでクリスマスラリーは安泰のようだ。

Wall Street English

生産者物価指数

The producer price index climbed 2 percent in November from a month earlier, led by higher costs of energy and light trucks, the Labor Department said today in Washington.

ブルームバーグからの報道だが、エネルギーと小型トラックの目だった値上がりで、11月分の生産者物価指数は+2%を記録した。

生産者物価指数は32年ぶりの大幅上昇、ということらしいが、さっそくこんな声も聞こえてくる。

 I sincerely doubt prices are rising at an annual rate of 24%.

どう考えても、物価が年率で24%も上がっているとは思えない。(CNBCに出演した、あるファンドマネージャーの言葉)

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