Tuesday March 6, 2007

US Market Recap

マーケット急落と不景気

どこのチャンネルも話題は世界的な株安だ。今日は、ホフストラ大学で経済学を教える、アーウィン・ケルナー教授の意見を聞いてみよう。

「先ず、先週の416ポイントの下げですが、この数字ばかりに気を取られてはいけません。長期間にわたってダウは上昇が続いていましたから、火曜の下げはパーセンテージで示せば、たった3.3%にすぎません。ですから、今回の下げ方では史上下落率上位10のリストには入ることができません。

よく受ける質問に、火曜のマーケット急落で、米国経済は不況に落ち込む確率が上がったか、というものがあります。極端な回答をすれば、先週の下げが史上下落率上位10内に入る規模のものだったとしても、アメリカが不景気に陥る可能性には何の影響も与えていません。

現在のアメリカには豊富な流動資金があります。先日も話したことですが、私が調べた限りでは、今日のマネー・サプライ(貨幣供給量)は、連銀が金利引下げ政策を実行していた時より早い速度で増えています。ですから、たとえ金利が上がった今日でも、企業や消費者はほとんど問題無く必要な金を簡単に借りることができます。

最近のデータを見ると、銀行の融資は年10%のペースで成長しており、特に企業向けの融資は15%のペースで増えています。全く銀行の貸し渋りが無い状態ですから、おそらく不景気は避けることができるでしょう。

次に挙げたいのは、経済的にショックとなるような一大出来事の不在です。具体的に言えば、実際に経済へ打撃を与えるオイル価格の急騰、戦争、国債利回りの大幅上昇などです。

ダウ指数が下げたことは事実です。しかし、急落したとは言うものの、現在のレベルはまだ去年の同時期より上です。マスコミの報道を見ていると、投資者は多大な被害を受けたように思ってしまいますが、事実は個人投資者のポートフォリオは、ごくわずかな影響を受けただけです。

それでは、米国経済はどうなるでしょうか?過去10回のダウ大幅下げを振り返ると、その後直ぐにアメリカが不景気に陥ったのは、1907年の一度だけです。1987年の暴落を覚えている方は多いと思いますが、22.6%という極端な下げにもかかわらず、アメリカが実際に不況になったのは1990年です。

もちろん、私はアメリカが全く今年不況に陥る可能性が無い、と言っているのではありません。単に、ダウの急落だけでは不況を引き起こすことは無理であることを指摘したいのです。金利引き上げ再開、企業収益の著しい低下、大幅な国債利回り上昇などが起きれば、アメリカはとうぜん不景気に落ち込む可能性があります。」

Stocks You Need To Know About

どこまで下げる?

ナスダック指数の週足チャートです。

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現在、ナスダックは38.2%レベル(2330)に接近中です。ここが崩れると、半値戻し(50%レベル)の2270あたりが次の目安です。

Wall Street English

また証券会社

Technically, the BROKERS did it again. Every time they have topped in recent years, the market followed.

上はギャリー・カルトバウム氏(投資アドバイザー)の言葉だが、最近の傾向はマーケットは証券セクターを追っているようだ。だから、先ず証券セクターが崩れ、そしてダウが急落した形だ。

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