Friday March 23, 2007

US Market Recap

連銀声明の正しい解釈法

昨日発表された、連銀からの声明が多くのマーケット関係者によって分析されている。予想されたとおりの金利据え置きだったが、今回は1月の文書にあった「更なる金利引き上げの必要性」、という言葉が消えていた。これは、金利引き上げバイアスからニュートラルな姿勢への転換と解釈され、結局これが昨日の大きなラリーの一因になったようだ。

最近発表されているデータを見れば、明らかに米国経済は下向きになり始めているから、連銀の姿勢変化は別に不思議なことではない。しかし、リットホルツ・リサーチ&アナリティックスの、バリー・リットホルツ氏は、こんなことを語っている。

「インフレの心配が無くなったため、連銀が突然タカ派をやめたのではありません。現に、同じ声明の中には、コア・インフレ率が若干上昇している、という一文があります。違った言い方をすれば、連銀の態度が変わった理由は不況を避けたいためであり、インフレ問題が消滅したからではありません。」

FOMC後に発表される声明は、回りくどい表現で有名だ。もっとストレートに書いてほしいものだが、リットホルツ氏は、皆に分かりやすいように、こう声明を書き変えている。

連邦公開市場委員会は、今日、フェデラル・ファンズ・レートを5.25%に据え置くことを決定した。最近の経済データは、我々が予想する以上に悪かった。

1、回復どころか、更に落ち込みがひどくなった住宅市場。
2、大幅に資本支出を減らす企業。耐久財受注の減少も著しい。
3、顕著になった小売売上の低迷。

小売業者は、暑過ぎる、寒過ぎる、雪、雨、と天候を不調の原因としているが、次は月食を言い訳にするつもりだろうか?あまりにも悪すぎるので、自動車メーカーについては、何も言うことはない。どちらにしても、経済の減速は進み、GDPの成長率は+1.5%ほどになるだろう。

こんな状況なのだが、悪いことにインフレ率はやや上がっている。景気の後退で、インフレ問題は消えると思ったのだが、事はそう簡単に行かないようだ。経済が冷え込む状況でのインフレだから、はっきり言うと、我々にはもう残った対策手段は無い。

将来の金利政策について言えば、GDPとインフレのどちらかが極端に悪化しない限り、何もするつもりはない。だから、金利引下げを実施するには、GDPが+1.5%未満に落ち込む必要がある。もちろん、金利引下げなどしたら、インフレ問題が更に悪化することは言うまでもない。

最後に、連銀は引退した前議長グリーンスパン氏にプレゼントするために、皆さんから募金を集めることを計画している。プレゼントとして、我々は氏をテレビもインターネットも無い孤島へ送ることを考えている。とうぜん氏は我々に礼を言いたくなるはずだが、それは2008年に氏がアメリカに戻った時に聞くことにしよう。



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Stocks You Need To Know About

ボラティリティ指数

下は、マーケットと反対の動きをする、ボラティリティ指数の日足チャートだ。

0322vix.gif

ギャップがサポートになって、ここから反転する可能性がある。もしそうなら、マーケットは下げることになる。

Wall Street English

一休みのマーケット

昨日の大きな上げを消化するように、木曜は静かな展開となった。今後の見通しについて、ハリー・クラーク氏(クラーク・キャピタル)はこう述べている。

We're in for another two or three weeks of choppiness.

向こう2、3週間は方向性の無い相場になりそうだ。

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