原発事故と認識

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東電および枝野官房長官らの認識がいかに甘く、計画性がないのかに気づいていない人は多い。

日本のTVと、ネットでの情報の温度差を考えると、事態はかなり危険な状態なのではないだろうか?

原子力事故は常に最悪の事態を想定して対処すべきものなのだが、日本のマスコミの脳天気さにはあきれるばかり。

ゆえに以下のツイッターやネットで集めた資料をまとめてみた。

さてあなたは、どう考えるだろうか?

 

 

地震が起こる前の2011年3月1日に福島民友ニュースでこういう記事が掲載されていた。

福島第1原発で33機器点検漏れ

保守管理の規定の期間を超えても点検を実施していない点検漏れの機器が見つかった問題で、東京電力は28日、経済産業省原子力・安全保安院に調査結果を最終報告した。

報告では福島第1原発で新たに33機器で点検漏れが見つかった。

県は「信頼性の根本に関わる問題」と東電に再発防止策の徹底を求めた。

東電によると、福島第1原発で見つかった点検漏れは定期検査で行われる機器ではなく、東電の自主点検で定期点検が行われている機器。

しかし、最長で11年間にわたり点検していない機器があったほか、簡易点検しか実施していないにもかかわらず、本格点検を実施したと点検簿に記入していた事例もあったという。

 

現在起きていることは、こうしたレベルのずさんな運営をしてきたツケが、回ってきたからではないだろうか。

1号機と3号機で水素爆発が発生した福島第一原発では、2号機もすでに原子炉の冷却機能が停止しているのだ。

枝野官房長官は3号機爆発の後会見を開き、「原子炉格納容器は健全である」、「放射性物質の大量飛散の可能性は低いと推測される」と発表している。

 

だが、ニューヨークタイムズ紙によると、福島第一原発1号機の爆発事故の時に、放射能雲の中を航行した米空母ロナルド・レーガンのデッキ上にいた乗組員数名が被曝している。

それも1時間で自然放射線1ヶ月に相当するレベルでだ。

また、原発の東北60マイルを飛行した米軍のヘリには、除染が必要になるレベルの放射性物質が付着していたとも報じている。

だが日本のマスコミはだんまり。

 

こうした原発事故では、大地震発生と同時に事故防止を指示し、万全の体制を組むべきなのだ。

だが現実を見ると、初動は現地任せ、そのうえ翌12日早朝、突然総理が人気取りのための視察。
 
総理が来るとなれば、総理への説明資料集めで事故対策どころではなくなるのにだ。

  

    

従来原発推進派の人々は、日本では「炉心溶融」は起こらないと説明してきた。

炉心溶融(メルトダウン)というのは、原子力発電所で使用される原子炉の炉心にある核燃料が過熱し、燃料集合体または炉心構造物が融解、破損すること。

最悪の場合、原子炉圧力容器や原子炉格納容器、原子炉の破損が起こり、高濃度の放射能が大量に拡散することになる。

 

原子力発電所では「多重防護」の考えを基本に、念には念を入れた安全対策が講じられていると東京電力はじめ各電力会社はホームページに記載している。

非常用炉心冷却装置(ECCS)があるので、原子炉が暴走することはない。

万が一トラブルとなっても多重防護されており、ヒューマンファクターを踏まえた管理がされているので、放射能事故はほとんどありえないとされてきたのだ。

今回、5重の多重防護システムのうち、1・.ペレットは加熱され 2・.被覆管は熱で溶解 3・福島原発1号と3号炉では建屋が吹き飛んでいる。

4段階目からあとの段階である、原子炉圧力容器と原子炉格納容器の破損は全く心配することなはない、と説明されても信じられるだろうか?

  

  

東電および枝野官房長官らの事前説明は見通しが甘すぎて信用出来ない、と感じているのは私だけではあるまい。

「最悪の事態ではない」ということだが、海外メディアは「今起きていること自体が最悪の事態」と見ているのだ。

http://www.reuters.com/news/pictures/slideshow?articleId=USRTR2JTMQ#a=8

Nuclear fears at Fukushima

TVも申し合わせたように、原発の映像は爆発で無残な現在のものを使わず、爆発前の映像を使っている。

無残な姿を見せたくないのだろうか?

この認識と見通しの甘さと、情報を開示しない姿勢ゆえ、どうも信用できないのだ。

 

最悪の場、どうなるのか?そしてその対策としてどういうものがあり、我々は現在どうすればいいのか?

この視点が欠けた日本のTVでは、本当のことはわからない。

こういうときこそ、自分の頭で常識を働かせ、自分で考えることが、大事なのではないだろうか?

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