2014年11月24日 のCoolに過ごそう

C4・ピカソ試乗記

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新型C4ピカソに試乗。 シトロエンC4グランド・ピカソ

正式な車名は、GRAND C4 PICASSO 7シーター EXCLUSIVE (6AT)。

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ピカソには5人乗りと、7人乗りがあるのだけれど、今回用意されていたのは大きい方。

 

デミオディーゼルに試乗した直後だったので、とにかく全ての落差が大きかった。

キーを持っていれば、ボタンを押すだけでエンジンが掛かるのは、デミオと同じ。

ただそこから先の世界は、いろんな意味で、全くの別世界。

 

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運転席に座った時の常軌を逸した視界のよさはどうだろう。

上の写真のように、広角16ミリレンズでやっとカバーできるその広さ。

まるで戦闘機のキャビンではないか?

  

ルームミラーの位置が、フロントウィンドウの半分より下にあるという、未知の体験で、まずは度肝を抜かれる。

   

ほとんどの人は、この時点でカラダが、何らかの反応をするはず。

C6でシトロエンワールドに慣れているオレでさえ、車内から空を見上げ、しばし沈黙。

いくらシトロエンでも、上へは飛ばないんだけどね。

        

メーカーによると「垂直方向70度」に展開する視界だという。

まあ、何度であろうと、ビックリすることに変わりなし。 

この状態でもって、高速で雨降ってきたら、怖がる人がいるかもしれない。

       

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7人乗りということもあって、ホイールベースが長く、前後のオーバーハングが短い。

 

電動式でタッチするだけというパーキングブレーキは、C5と同じ。

解除する必要はなく、アクセルを踏むと自動的に解除される仕組み。

オレ的には、そこまでやってくれなくてもいいんだけど。

  

で最初の興奮が収まると、次に気づくのは、シートの座り心地のよさ。

フランス車は、プジョーもそうなんだけど、シートの掛け心地はどれも抜群。

たとえば同じシトロエン同士でも、クルマが違うとそれぞれ個性がある掛け心地になっているのが素晴らしい。

 

このピカソも、理由は分からないけれど、座っているとウットリする掛け心地。

車のシートと言うより、部屋のソファか?(笑)

      

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ダッシュボードは、センターメーターへ視線が集まってしまうほどのサイズで、とにかく大きい。

間違ってもオタクっぽいゲームの世界を連想することなどは決してないテイスト。

メーターに表示される、文字や色のがお洒落な感じにデザインされていてステキだ。

  

未来というのはこういう感じなんだろうなあ・・

と思わせてくれる異次元感覚が楽しめる。

   

表示モードの選択範囲もやたら広い。

昔のシトロエンは、針を固定してその裏に仕込んだ円柱(糸巻き=ボビン)に速度が表示されるというものがあった。

円柱が回転することで速度を判読するタイプのメーターだが、新型C4ピカソでは、それがデジタルで再現されていた。

    

固定された赤い指針のウラをデジタル表示で)速度数字が左右に動くという凝りようには恐れ入りました。

昔からのシトロエンオールドファンにとっては、たぶん感涙もののシカケではないだろうか。  

      

それとこれだけ車体が長いと、バックや縦列駐車とかが、大変そうに感じるのだが・・

そこはぬかりなくできている。

 

リアカメラが標準で付いている。

おまけにニッサンからOEMで購入し設置されているという「360度ビジョン」というシカケもついている。

  

クルマの周りに配置された4台のカメラで車の周囲を映し出すことができるので、バックがもの凄くラク。

さらにパーキングアシストといって、勝手に縦列駐車までやってくれるという。

 

だが、オレ的には、これだけ周りが見えれば、そういうのは要らない。

とにかく、これだけ周りがよく見えるシカケがあれば、言うことなし。

          

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写真右端にエンジンスタートストップボタンが見えている!

 

センターメータの下には空調の吹き出し口が並び、その下にはさらにもうひとつのスクリーンが設けられている。

ここには空調やエンターテインメント、インターネットへの接続などができるスイッチが表示される。

操作系すべての、空調やナビ、オーディオなどはすべてこのモニターをタッチして行う。

 

スクリーンは2画面ないしは3画面に分割表示させることができる。

シトロエンお約束のハンドル上のスイッチでもって、速度やエンジン回転などのさまざまな情報を切り替えながら表示させることもできる。

  

そのため、いわゆるアナログ的な「針」の表示は一切見当たらない。

日本のメーカーだと、多分ここまでの割り切りと思い切りはできないだろう。 

  

操作系はほとんどすべてがタッチセンサー式。

未来感溢れる感じは、ここまで徹底しているからなのだろうか。

    

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シート表皮のデザインも、非日常感を醸し出している。

生活感と日常感に溢れてしまいがちな日本車とは、別次元。
      

   

インテリア全般について言えるのは、日本車でいうところの、アルファードやエルグランドのようなギラギラ感が一切ない。

さらにノア・ヴォクシーやセレナのような、いわゆる家族臭が漂う部分も見当たらず。 

豪華に見せようとか、高そうに見せよう、などといった世俗的配慮が、良くも悪くも感じないいクルマだ。

      

国産車でいえば、エスティマとかオデッセイ寄りの雰囲気だが、もうちよっとアバンギャルド。

とにかく、どこもかしこも、フランス的にお洒落。

     

このサイズのミニバンは、もともとが加速がどうのというクルマではない。

だが、評判の高い直列4気筒 1.6L ツインターボの165PSエンジンは、なかなか活発で、必要にして十分。

これ以上加速が良くても燃費が心配になるだけという、ちょうどよい案配の落としどころではないだろうか。

それとC5で気になった、低回転域での4気筒特有の振動は、このピカソでは全く感じられなかった。

    

燃費はリッター12キロくらいらしい。

ガクガク感のあった従来の変速機は、ついにアイシンAW製6段ATが採用されたため、とてもスムース。

このクセのあるトランスミッションでダメだった人も多いはず。

なので今回のアイシンAW製6段ATへの変更というアドバンテージは、購入意欲にかなり大きな影響を与えるだろう。

         

サスはハイドロから普通のタイプになってしまったが、乗り心地はシトロエンの味がちゃんと残っている。

エンジンの特性を含めた加速減速やステアリングフィールとのバランスなどが、違和感なくピカソ独特のの世界観で見事に統一されている。

こういうところの、バランスのとり方が、とてもオトナな感じ。

    

マイルドヤンキーっぽい、日本のミニバンのテイストとは、異次元の世界のクルマといっていいだろう。

    

走っていると、前のピカソより重心が低い感じ。

ちょっと大きめのゆったりとした揺れのラインに乗って、コーナリングするといえばわかりやすいだろうか。

サスの追従性もしっかりしているので、狙った走行ラインへも、意外に簡単に乗せることができる。

これなら峠道でも、そこそこのペースを維持できるだろう。

  

実際に走っても、包み込まれるような掛け心地なのに、このピカソのシートは、何故かしっかりホールドしてくれる。

一体どういう作りなのだろう?

           

それとアイドリングストップ機構の動作が気にならないのも、ポイントの高い点だ。

アイドリングストップ車の再始動時の音や振動などは、一度気になり出すと、意外にも気になって仕方なくなるもの。

エンジンをかけたり止めたりが、妙に意識させられるタイプだと、何だかエンジンに悪いことしてるよなあ・・

なんて気分になって、エンジンのオンオフで疲れてしまったりするわけだ。

    

そうして一度気になると、意外なストレス源となってしまう。

だからアイドリングストップ機構はオフにする、という人って結構多い。

だがこのピカソでは試乗中、知らないうちにアイドリングストップでエンジンが止まっていたことに気づいたことが何度もあった。

    

つまり、それだけ室内が静かだという点に加え、エンジンのオンオフが自然なため、エンジンが止まったことに、気がつかなかったのだった。

だがエンジンが掛かるときにわかるので、「アイドリングストップで止まってたのか・・」と気がつく・・という寸法だ。

というわけで、アイドリングストップ機構付きとしては、エンジンのオンオフが、最も気にならないタイプではないだろうか。

        

とはいっても、室内の静けさは、さすがにC6レベルとまではゆかない。

それと、C6の圧倒的な静けさに慣れているためだろうか、こうした箱が大きいクルマ特有の籠り音が気になった。

だが、それを言い出すと、この手のミニバンはどれも、そういう傾向はあるわけだけどね。

 

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このデザインセンスを、国産車はぜひ見習っていただきたい。

  

ちなみに最新トレンドのドライビングアシストはすべて装備されている。

危険な状況では自動でフロントのシートベルトを引き締める機能とか・・

斜め後方の死角からの車両を知らせる「ブラインドスポットモニタリングシステム」。

時速25キロまで、自動で前方の車両を一定の車間距離で追走する「アクティブクルーズコントロール」機能などなど。

 

いわゆる「感性」の面では「ひょっとして世界最高峰なのでは!?」と思った。

デザインから実際の走りに至るまで、モダンさとエレガントさが同居する世界観が徹底して貫かれている。

だから加速がどうのとか、ハンドリングがどうのってところへ、あまり気が行かないのだが、これって実にウマイやり方だよね。

 

それだけに、感性がマッチしないと、購入には至らないというタイプのクルマだ。     

ミニバンを買う予定は今後もないだろうけれど、もし買うとすればこれしかないな。

と思わせてくれたシトロエンC4ピカソ。

    

だが、写真ではこのクルマのよさはわからない。

ぜひとも運転席に座り、その非日常的な異次元体験を、じっくり味わっていただきたい。

シトロエンが持つ、ちょっとヘンタイっぽい絶妙な匙加減に対する感性さえ合えば、一目見ただけで填まってしまうはず。

    

ご注意あれ。

         

       

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朝の雲

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自宅キッチン前ベランダから新神戸駅方面

 

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灘・東灘方面

 

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自宅ベランダから大阪湾方面

5DMarkⅢ EF16-35mm F2.8L USM

 

 

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