2019年08月30日 のCoolに過ごそう

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体に必要なエネルギーは炭水化物、脂肪、蛋白質が分解(代謝)されることで作り出されます。

ほとんどの方の食事は、全エネルギーの60~70%を炭水化物に頼っているはずです。

 

ですが、このような食生活になったのは新石器時代に農耕が始まってからで、まだ1万年程度しか経っていないのです。

その前の数百万年の間は狩猟採集が主だったため、現代に比べ炭水化物からのエネルギー摂取は少なく、脂肪や蛋白質からのエネルギー摂取が大きかったのです。

  

狩猟採集社会ではガンは少なかったのです。

ガン細胞はグルコースに対する依存度が高いのです。

 

そのため、高炭水化物食ががんの発生や進行を促進している可能性が指摘されています。

そのため低炭水化物食がガンの予防や治療に有効だという報告が多く発表されているのです。

  

では、体にやさしいがん治療を行うにはどうすればいいのでしょうか?

今まで、ワールブルグ効果をターゲットにした治療法として、ジクロロ酢酸ナトリウム半枝蓮R体αリポ酸紫根のシコニン発酵小麦胚芽エキスのAvemarシリマリン冬虫夏草、さらにインスリン感受性を高める糖尿病治療薬のメトホルミンなどの摂取という方法があります。

  

これらを組み合わせた治療で、ガンを縮小させ、上記の代替医療の組合せだけで腫瘍マーカーが減少したり、腫瘍が縮小する例が実際に起こっています。

そこで、このような治療法の効果をもっと高めるためにはどうしたら良いかというのが次の課題になります。

 

要するにガン細胞にグルコースを与えないようにすれば良いわけです。

  

そのためには断食療法やカロリー制限なども効果がありそうですが、断食療法は栄養素が欠乏する欠点があります。

カロリー制限も体力を低下させる欠点があります。

 

絶食と同じような効果があって体力も栄養状態も悪化させない食事療法として「ケトン食」があります。

これはてんかんの食事療法として確立されている食事療法です。

 

炭水化物(糖類)の摂取を極端に減らし、脂肪を多く摂取しケトン体を産生させるという食事療法です。

ケトン食療法は脳腫瘍などで実際に試みられ、有効性が報告されています。

  

炭水化物を極端に減らし、脂肪(特に中鎖脂肪酸)を多く摂取すると、グルコースが低下してがん細胞は死滅します。

一方で正常細胞は中鎖脂肪酸が代謝されて産生されるケトン体を利用してエネルギーを産生することができるのです。

 

グルコースは、がん細胞の増殖を促進するインスリンやインスリン様増殖因子(IGF-1)の分泌を高めるため、低炭水化物食によってインスリンやIGF-1の分泌が減少すると、がんの進行が抑えられるという作用があるのです。

  
ケトン食でがんが縮小したという報告は多数あり、さらに抗がん剤治療での効き目を高めるという報告もあります。

  

  

高炭水化物食ががんの発生を高める

  
炭水化物の摂取量や摂取総カロリーが高いと、脂肪の摂り過ぎも、がんのリスクを高めることになります。

  

炭水化物や摂取総カロリーが高ければ、摂取した脂肪は体内に蓄積して肥満や動脈硬化の原因となります。

しかし、炭水化物の摂取が少なければ、脂肪はエネルギー源として利用されるのです。

   

特に、中鎖脂肪酸を多く含む脂肪を多く摂取すると、脂肪を多く摂取しても体内に蓄積することはありません。

長鎖脂肪酸でもドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンテン酸(EPA)のようなω3不飽和脂肪酸やオリーブオイルなどがん予防効果がある脂肪酸もあります。

  
狩猟採集社会ではがんが少ないということが多くの疫学研究で明らかになっています。

脂肪摂取量よりむしろ、炭水化物、とくにグリセミック指数の高い炭水化物の摂取量が増えたことが、近代社会でガンが増えた原因の大きな要因となっているのです。

  

グリセミック指数の高い炭水化物の摂取量が増えると、ガン細胞の増殖を刺激するインスリンの分泌が増えます。

またガン細胞のエネルギー産生は正常細胞に比べて何十倍もグルコースの依存度が高いので、炭水化物の豊富の食事はガン細胞の増殖を促進することになります。

  

ガンはグルコース過剰が引き起こす病気です。

つまり炭水化物の少ない食事は、ガンの発生予防や治療に大きな効果があるのです。

  

体脂肪として沈着せずエネルギー源として利用される中鎖脂肪酸や、DHA(ドコサヘキサンエン酸)やエイコサペンタエン酸(EPA)のようなω3不飽和脂肪酸、オリーブオイルのような、がんや動脈硬化の予防に効果が証明されている油脂を多く摂取し、飽和脂肪酸やω6不飽和脂肪酸のような動物性脂肪の摂取を少なくすれば、むしろ、がんや動脈硬化性疾患のリスクを減らせるのです。

しかし、重度の糖尿病がある場合には、意図的にケトン体を増やすケトン食は危険です。

 

腎臓機能が低下している場合も禁忌と言えます。

また、薬物療法を行っている糖尿病患者は低血糖に陥る危険もあります。

  

要するに、低炭水化物食やケトン食は、重度の糖尿病が無いことが前提になります。

つまり、糖尿病にならないよう、炭水化物の摂取を少なくすることが、最も優れたガンの予防用法であり、また治療方法の基本なのです。

   

  

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