2019年07月29日 のCoolに過ごそう

難治性ガンと治療方法

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治りやすいガンと治りにくいガン

 
ガン細胞の性質、進行状態、治療効果は患者さんが10人いらっしゃれば、10通りあるはずです。

早期に見つかり治癒する例もあれば、数ヶ月で亡くなるような、進行の早いガンもあります。

  
データによると、年間のガン疾病発生件数(罹患数)は2004年約62万人。

2014年は、86万7,408例(男性501,527例、女性365,881例)。

2016年は99万5,132例(男性566,575例、女性428,499例)。

性別不詳があるため男女の合計が総数と一致せず。

  

死亡者数は2008年で約34万人、2017年に37万3,334人(男性220,398人、女性152,936人)。

新薬の開発や治療方法の進歩にもかかわらず、現実の数字を見る限り、かえって悪くなっています。

 

ガンと診断され、治療がうまく行かなければ数年で亡くなります。

こうした数字から言えるのは、ガンと診断された人の50%強が数年以内に亡くなっています。

つまり治らなかったことになります。

 

ですが、医療機関側から見れば50%程度は治癒していることになります。

ガン医療に携わる医師に言わせると、ガンの半分は治る時代になったと、その成果を強調しています。

 

ですがガン患者の立場からは、がんと診断されれば50%の確率で数年以内に死ぬ事になります。

 

つまり抗ガン剤を含めた標準治療での成功率は、イチかバチかのギャンブルと同じなのです。

しかも、抗ガン剤はガンを大きく悪性化させるという大きなリスクのある治療方法です。

 

温熱療法や高濃度ビタミンC治療などの代替療法では、副作用がないため、ガンを大きく悪性化させるリスクはゼロです。

冷静に考えれば、同じギャンブルをするなら、リスクの低い方を選択すべきなのですが、ほとんどの患者はそれができないのです。

   

  

医者による標準治療をうけなさいというバイアス

 

ガンの治療成績を比べると、乳がんや胃がんや大腸がんなどは早期発見によりほとんど治癒できるものもあります。

一方で膵臓がんや胆のう・胆管がん、食道がん、肺がんなどのように治療成績が極めて悪いガンもあります。

 

このように治療成績の悪いがんは「難治性がん」と呼ばれています。

乳がんの場合、乳がん全体の罹患数50549人(2004年)に対して死亡数は11797人(2008年)。

 

つまり8割近くの乳がん患者は治っているのです。

最近のデータでは、治療後の5年生存率は90%を超え、10年生存率は80%を超えています。

  

ガンが小さい段階で治療を受けた場合、例えばステージ1(しこりが2cm以下でリンパ節転移が無い)で手術を受けた場合の5年生存率は98%。

  

温熱療法や高濃度ビタミンC治療などの代替療法だと、副作用がないため、ガンを大きく悪性化させるリスクはゼロ。

一方の抗ガン剤や手術では、QOLでの低下は避けられないのです。 

  

抗ガン剤を含めた標準治療での成功率は、イチかバチかのギャンブルと同じですが、代替治療でもそれは同じです。

ですが、温熱療法や高濃度ビタミンC治療などの代替療法は、エビデンスがないという一言で医者は却下するわけです。

  

 

ガンの種別治癒率

  

 

しかし一方で、増殖が早く転移しやすい性質をもった「たちの悪い」がん細胞の場合は、治療を受けても再発や転移で亡くなることが多くなります。

  
最近の罹患数と死亡数の比から治癒率を概算すると、乳がんと前立腺がんは75~80%。

胃がんや大腸がん(結腸・直腸がん)は50~60%。

  

卵巣がんや悪性リンパ腫は45~50%。

食道がんは35%、肝臓がんは20%。

  

肺がんや白血病は15~20%

胆のう・胆管がんは10~15%

  

膵臓がんは5%以下。

 
この数字には、がん種別に全てのステージ(進行度)のものが含まれています。

早期に発見されて治療された場合には、治癒率は高くなり、胃がんや大腸がんは早期がんであれば、95%以上が治癒します。

  

一方、進行して発見された場合には、上記の平均値よりももっと数字は当然低くなります。

最も治療成績が悪いのは膵臓がんで、その次が胆のう・胆管がんです。

    

   

膵臓がんは難治性ガン中の難治ガン

  

 
現在日本で膵臓がんで亡くなる人の数は年間2万5000人を超えています。

男性では肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんについで5番目に死亡数の多いガンです。

 
膵臓がんの罹患者数も死亡者数も年々増加していますが、その罹患者数と死亡者数がほとんど同じだということは、膵臓ガンと診断された人のほとんどが、数年以内に死亡しています。

  

実際に、膵臓がんの生存期間中央値は局所進行癌では 8―12 ヵ月。

転移癌では 3―6 ヵ月といわれ、他のがんに比較して非常に治療成績の悪いガンです。

 
15~20% の膵臓がん患者が根治可能ということで手術がされていますが、残りの大半は局所で進行しているかあるいは転移している症例です。

切除できない場合は抗がん剤治療が行なわれますが、多くは2年以内に亡くなり、切除できても5年生存率は約10%と極めて低く、予後は極めて不良の「難治性がんの中の難治がん」と言われています。

 

ステージI(がんが2cm以内で膵臓内にとどまり、リンパ節転移の無いもの)にように早期の段階で見つかって手術を受けた場合は、50%前後の5年生存率が報告されています。

ですがこのような早期の症例は膵臓がん全体の1割以下です。

 

膵臓がんの多くは、がんが近くの重要な血管や他臓器にも浸潤し、遠くのリンパ節や肝臓や腹膜に転移を認める進行した段階で見つかるため、このような場合は、5年生存率は5%以下と極めて悪い成績が報告されています。

 

乳がんの治癒率が高いのは、乳房の特性から、自分で気づくことが多く、マンモグラフィーなど早期診断のために有効な検査法があるからです。

さらに、切除手術は比較的簡単で、ホルモン療法や分子標的薬や、奏功率の高い抗がん剤、放射線治療など、有効な治療法が多く用意されていることも、治癒率を高める要因となっています。

 

膵臓がんは全くその逆で、自覚症状がほとんどないため早期診断と手術が極めて困難です。

膵臓は胃の裏側にあって背骨に巻き付くように横たわり、小腸や大腸に近接して隠れているため、検診などで早期に見つけようとしても、超音波やCT検査などの画像検査による早期発見が困難なのです。

  
膵頭部癌では黄疸で発症するため腫瘍が比較的小さい段階で見つかる場合もあります。

ですが膵体部や尾部では、かなり大きくなるまで症状が出ないため発見が遅れるのです。

  
症状として腰痛や腹痛が自覚されるときには、かなり進行した段階で、症状が出て見つかった場合は、余命1年以内というのがほとんどです。

さらに、大きな血管や神経や胆管と接しているため、切除するためには、複雑で高度な手術技術が要求されます。

 
がん細胞の性質としては、浸潤傾向が高いがんで、神経に沿って浸潤性に広がります。

胃腸管の場合は、粘膜層、固有筋層、奨膜と行った組織が、がん細胞が他の臓器や腹膜へ直接浸潤する際のバリアになっていますが、膵臓にはこのような臓器壁のバリアがないため、発生した膵臓がんは、すみやかに連続性に膵臓内および周囲組織に進展・浸潤してゆくのです。

 

したがって、根治手術を行なったつもりでも、術後に、高率に局所・肝・腹膜などに再発転移を起こします

膵臓がんは抗がん剤や放射線の感受性が低い(効果が弱い)ので、根治手術ができなければ、予後は極めて厳しくなります。

  

  

難治性がんと治療方法の選択

  

がんの治療は、医者に言わせると、標準治療を主体にするのが原則となっています。

漢方治療を含めて補完・代替医療というのは、標準治療を補う目的で行なうべきだとされています。

   

しかし、膵臓がんや胆道系のがんのような難治性がんで、手術が行なうことができず、他に有効な標準治療が無く、平均生存期間が数ヶ月から1年以内という状況の場合は、副作用の強い抗がん剤治療よりも漢方治療や代替医療の方が、生存期間を延ばす可能性が高くなります

  
膵臓がんで行なわれるジェムザールやTS-1による抗がん剤治療は奏功率は極めて低いのですが、QOL改善効果があるという理由で実施されます。

しかし、実際には抗がん剤の副作用も強く、QOLを良くして延命効果があるのかは疑問です。

   

分子標的薬のタルセバやアバスチンなどの併用により、数ヶ月の延命効果は期待できるかもしれません。

ですが、苦しい副作用を我慢た他結果、数ヶ月の延命効果しかないのでは、満足できる治療とは言えません

  

むしろ、抗がん作用を強化した漢方治療や、副作用が少なくて抗腫瘍効果の期待できる代替医療を主体にした治療の方がQOLの良い状態で延命する目的では勝っているのではないでしょうか。

どちらも、成功率が50%だとしてもです。

         

標準治療と併用して相乗効果があるかどうかのエビデンスが乏しいという意見で、漢方治療や代替医療は排除されがちです。

そのため特に標準治療を拒否して、代替医療だけで治そうとするのは、狂気の沙汰のような評価を受けるのです。

   

ですが有効な治療法が無い難治性がんの場合、厳密なエビデンスが出るのを待つ時間的余裕は無いはずです。

それに、製薬会社のように、莫大な費用と時間を掛けなければ、取得できないエビデンスを、代替医療に求めること自体がナンセンスだということに、医者は何故気がつかないのでしょうか?

    

医者は標準治療を受けさせたいというバイアスが強く、公正な視点で、見ることができなくなってしまっているからです。

さらにガイドラインから外れた代替治療を認め、患者が亡くなった場合には、その責任を問われるかもしれないのです。

   

ですが標準治療を受けさせて亡くなったからといって、医者は何の責任も取ってくれないのです。

      

代替医療を選択する相談をしても、医者がそれを認める可能性は限りなく少なく、ゼロと言っても過言ではないでしょう。

相談するだけ無駄です。

  

進行した難治性がんの場合は、可能性のある代替治療を積極的に試すという姿勢が、より大事になるのにです。

こうした向かい風の中で、自分が正しいと信じる道を選択できる人は、はたしてどの程度いらっしゃるのでしょうか?

     

  

参考資料  

   

膵臓がんと代替医療

  

   

2019年7月

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