世界中の23万人のフルタイム、パートタイム従業員を対象にした、ギャラップ社による調査結果が発表された。
    意欲なく仕事嫌いな従業員9割も 世界23万人調査
    調査では、63%が意欲なくダラダラと過ごし、仕事にほとんどエネルギーを傾けず、24% が働く意欲を持たない従業員ということだ。
    つまり87%の従業員は働かないため、まともに会社がやってゆける状態ではないということになる。
         
        
            
     
    意欲のある従業員の比率が最も少ないのは東アジア。
    ここには日本も含まれている。
    仕事をして幸せを感じ意欲ある従業員の割合は、日本が7%で中国が6%。
     
    低賃金だから働く意欲がないのか?
    それとも働かなくなったから低賃金なのか?
    鶏が先か卵が先かはさておいて、昨今の食品偽装問題は、こうした企業のトップから授業員に至るまでの「プライドのなさ」「やる気のなさ」が蔓延している。
      
    日本の会社に勤めていると、「プライドのなさ」が空気感染して、やる気がなくなってしまうのか?
    3年にわたるトレーディングのトレーニングでも感じているが、会社勤めが長い人は、すぐにやる気を喪失してしまう。
    ブログの更新さえ、毎日できないやる気のなさでは、勝てるようになるわけがないのだ。
    一方でやる気があって、やるべきことを淡々とやる人は、当然のことだが、しかるべき成績を上げられている。
             
    高島屋でも牛脂注入ステーキを提供したり、料理長が先頭を切って偽装をしている日本。
    信用を重んじる一流ホテル、一流デパートであろうと、食品偽装問題は拡大の一歩。
    名門であろうと、お構いなしという惨状だ。
       
    名門・リッツ大阪でも「偽装」発覚 メニューは「フレッシュジュース」…実は容器詰めを客に提供
    ここなら信用できると、高いお金を出しているのにもかかわらず、安いものを偽装して、高いものだと思わせて提供しているわけだ。
    挙げ句の果てに、ワインを「シャンパン」と表記していた阪急阪神ホテルズ(笑)
    経営陣が甘く見る「阪急阪神ホテルズ」の抜き差しならぬ“病状”  
            
    回転ずしや安売りスーパーでは仕方ないと暗黙のうちに認識し許容してはいても、ちゃんとしたホテルやレストランに行けば本物が食べられる。
    この期待を裏切る行為が蔓延している中で、どこに行けば「本物」を食べられるのか?
    ほんとうに美味しいものを食べさせたいという情熱やこだわりがなければ、どうせわからないだろうからと、儲かりさえすれば何でもやるという考えに陥るのは当然のことだ。
           
    そして、そこに本物を食べても味がわからない客がいたらどうだろう。
    回転ずしや安売りスーパーで馴らされてしまった味覚。
    そうした舌で、本当にうまいもの美味しいものの味がわかるものだろうか。
       
    本当に美味しいものを見分ける能力がなくなった舌では、ニセモノを食べてもわからなくなってしまうのは当然のこと。
    こうした客側の問題も、提供する側の風潮に拍車を掛けたのではないか?
    私はそう睨んでいる。
         
    厳しい現実に立ち向かうには「やる気」から生まれる工夫や努力が必要になるわけだ。
    だが、それができないとなれば、安易に支出を減らすしかない・・となってしまうのだろう。
    よい素材である高い食材を使っているからこそ、得られる価値は下げたくない。
    なぜなら価値を下げれば、それなりの対価を得ることができなくなるからだ。
      
    だが売り上げや収入が増やせないのなら、支出を減らすしかない。
    支出を減らすには、安い食材を使えばいいわけだ。
    安い食材を使ってもわからないような工夫をし、嘘の表示をして誤魔化しても、どうせ客にはわからないだろう。
    と客をナメてかかることになったわけだが、本当に美味しいものを見分ける能力がなくなった客の舌では、ニセモノを食べてもわからなくなってしまうのは当然のこと。
    こうしたいきさつで長期間、このような負の連鎖が、提供する側と、提供される側の間で繰り返されていたわけだ。
       
    こうした負の連鎖を食い止めには何が必要なのだろうか?
    いくら苦しくなっても、自分たちだけは、トップクラスの味を本物を使い提供し続けよう!
    という考えを守り通すしかないのだ。
     
    ではそのためには、何が必要なのだろうか?
    それは誇り、つまりプライド。
    企業のトップがそうしたプライドをれを失ってしまえば、トップを見ている従業員も当然、誇りを失うことになり、現場ではニセモノが平気で提供されることになるわけだ。
      
     
    食べ物の世界だけではなく、直接お金に関わる金融の世界でも、同じようなことは、ずっと昔から起こっているのだ。
        
         
    高リターン続く、米株ファンドのこれからでは、ジョン・フォックス氏が共同運用する9億0200万ドルのFAMバリューファンドは年初から28%上昇し、S&P500種を2ポイント上回った。
    とあるように、指数と比べて、どれだけよかったか悪かったのかという、「何ともなレベル」(笑)なのに、パフォーマンスがイイことになる世界。
    私に言わせれば、ドングリの背比べ。 
    これが「儲かる商品」を提供している側のプロの実態だ。
       
    一方で客側はどうだろう。
       
    日経新聞によると、ファンドなどのプロが提供する商品を組み入れることが多い職金運用で、個人の68.1%が損をし、16.7%しか利益を得ていないと報道されている。
    さらに、自らが直接手を出す為替運用(FX)では9割が損をしている。
    このように利益をあげている個人は、限りなく少ないのが現状だ。
    一般個人はほとんどか損をしているのだ。
         
     
    つまりどちら側も、ナメてかかっているとしか思えない結果だ。
           
       
    冒頭で書いたように、ギャラップ社の世界的な調査のように、今の日本人は意欲的に働かなくなってきている。
    こうした傾向が今後も続けば、当然のことながら、低賃金化はこれからも、どんどん進むことになるだろう。
    87%の従業員が働かない今の会社という組織に属していれば、働くメリットは今やほとんどなくなっているといえるだろう。
         
       
    私が職を失った16年前に決断したのは、理不尽なことをやる上司がいる組織には頼らず、個人で経済的自立を確立するために努力を続ける、という方向への軌道修正だった。
    最初は単独飛行だったが、今ではこうした趣旨に賛同する仲間が編隊を組んで飛行するようになってきている。
    だが会社のように、組織で動いているわけではない。
      
    独立したやる気のある個人が、たまたま同じ軌道を進んでいるだけだ。
    そのためやる気のない個人は、軌道から外れ、自然に居なくなってしまうという仕組みだ。
    会社という組織と大きく違うのは、まさにこの点ではないだろうか。