ルマンから学ぶ

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今年のルマン24時間は、結局アウディのワンツーフィニッシュで終わった。

夜9時からは、リチャート・ギア主演の映画「キング・オブ・マンハッタン」を観たので、録画で結果をチェック。

しかしルマンでの優勝は、別格なんだな、と改めて思った。

   

アウディの強さは、経験から何が大事かをよく学び、それを実行している、という点ではないだろうか。

24時間をぶっ続けで走る自動車レースというのはルマンしかないわけだが、これだけ長時間走るレースは他に類を見ない。

あたかも人生のように、途中で何が起こるか、誰にもわからないという点が、ル・マンというレースを格別なものにしている。

   

そこで勝ちたいからこそ、アウディは3台体制で参加しているのだ。

日本人の間では下馬評の高かったトヨタも、カムバックしたポルシェも2台体制。

だが二台より三台の方が、何かが起こったとき、生き残る確率は高い。

これは、誰にでもわかる単純な確率だ。

   

だが確率が高いことはわかっていても、それを実行に移せるかどうかは、また別問題。

またアウディは壊れたときに、どこよりも早く修理できるクルマを設計し、それをシステム化している。

ハナから壊れることを、前提にしているのだ。

    

こうした考え方は、面白いことにセミナーで教えているトレードシステムと共通する部分が多い。

   

複数銘柄でエントリーすることで、ベースになる勝率を上げるというのは、二台より三台という考え方と同じだ。

突然車が壊れるのと同じように、負けるトレードは必ず発生する、という前提で考えれば、必然的にカットロスの基準もハッキリせざるを得なくなるわけだ。

チェックリストをつけることで、機械的にダメになったものとイケそうなものを簡単に入れ替えできるようにしてあるのは、常に複数銘柄を維持することで、勝率を上げることが可能になるからだ。

  

さらにマーケットの開始から1時間という時間で区切ることで、集中力の持続時間や想定されるトレードの数を制限している。

このようにして、万が一何かが起こったときには、タイミングや受け入れるダメージの幅まで、全ては明確にしたルールで処理できるようにしてあるわけだ。

そして、それが実際のマーケットで、実行できるよう訓練し、その結果をWEBで公開するため、第三者の目線でもって自ら検証することを薦めている。

   

余計な感情が入り込む余地を排除するため、3分ごとの時間でやるべき事は、決められたスケジュールに沿って進める仕組みになっている。

なぜなら個人的感情で発生する余計な行動は、あらかじめ想定された勝率を低下させるからだ。

こうした数々の工夫の実効性はセミナーを受講された多くのトレーダーによって日々証明され、その結果はWEBを通じて広く公開している。

    

運悪く車が壊れたら、全損に近い状態からでも、短時間で修復し、ゾンビのように蘇り、勝利を手にする。

アウディのこうしたユニークな考え方は、今やトヨタやポルシェまでもが見習い、それを取り入れたクルマで参加している。

だが、トヨタやポルシェは3台体制で参加するという部分までは、真似することができなかった。

  

絶対に勝ちたいと思うなら、少なくともアウディと同じ3台で勝負しなければ、勝ち目はないのだ。

忘れてはならないのは、たとえ同じ台数であっても、経験の豊富さという点で、アウディは、まだ有利なポジションにあるという点だ。

ルマンで勝ちたいのなら、トヨタは4台体制で臨むべきだった。

    

オレはそう思う。

  

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